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ドラゴンNO涙  作者: caem
第3章・くだらない。全ての世界に、終末を。
42/96

覆す。そんな不条理、認めない!!その8。

引き続き異世界から。第3章その6の現場続きです。

短文ですが、もうちょい割り込みますよ~。

ちょいエロ有ります。御了承ください……

( ノ;_ _)ノ

 さて。

 カナミが魔術師バレンシアに頼んだお願いとは。




 とりあえず、現場を後にして。

 別室に移動したヒナ達ふたりとカナミ。

 魔術師バレンシアを誘い、円陣を組む。


 所謂、内緒話であろうかと推測される。


 その他の者を。

 いや、此処は自分達の専用スペース居住区では無いのだが

 我が儘を押し通して遠慮して貰った。よし。


 それでも、誰にも聴こえないように精一杯声量を絞り、集いし皆の耳に囁いた。


 それは……


 スマホを召喚出来るようにして欲しいという切なる願いであった。

 勿論、自分の分だけではなく、ヒナとトールの分もお願いした。


 そもそも、自分達『生命体』を召喚出来るのなら。

 それぐらい可能ではないかとずっと疑問に思ってはいたのだ。


 現代世界の衣服だとか。

 確かに、『理解できないもの』を召喚出来ないというのであれば、分からないでもない。


 だが、この部屋で見たそれは確信を得させてくれた。

 机の上にあったのは、カナミの御用達。

 紛う事無き、パソコンに間違いなかったのだから。


 まぁ、この異世界で電波が飛んでいるのかは、甚だ疑問だが。

 その辺りは、やはり…魔法でちょちょいのちょい。とな?


 ともあれ、スマホをこの異世界へと召喚出来たのは嬉しい。

 電話、ネットが使えなくとも、その他の設定、音楽、ゲーム。

 または…記録する機能だって付属されているのだから。




『あの~……。あまり派手にやり過ぎないでくださいね~?』


 今、カナミ達は別室に居るので現場は見えていない。

 しかも、魔術師バレンシアの結界魔法により、彼女達は気配を完全に外界から遮断していた。


 さて、カナミは己のスマホではなく、ヒナのスマホを介して状況を伺う。


 その悪趣味な内装の室内では、ひとりの男と女の情熱的な行為が繰り広げられていた。




「なンだよなンだよォ……。やるじゃンか! はッはーッ!」


「貴方に誉めて頂いても全く嬉しくありません。私は教授ひとすじなので」


 『狼人』パッカードの暗殺術ともいえる技に対して、ぎりぎり、皮一枚でそれを避ける。

 変態を越えた変態……もとい。天才を越えた天才。

 バビロニア=バベル教授の助手、ロデムは意外にも善戦していた。


 清楚な可愛らしさと可憐さを併せ持つ美少女メイドを彷彿させる彼女。


 厭らしい事この上ないパッカードの責め…もとい、攻めに対応しているようだ。


 常に相手の視界から外れての『死角』からの攻撃に対し反応し迎撃する。

 強ち、分からないでもない。

 何せ自分の『死角』に必ず彼が居るのだから。

 身体さえ動ければ、反撃は容易い。


 だが。

 それすら読んでいた彼は更に奥の手を使う。

 罠、トラップ。

 簡単なものなら『まきびし』など。

 自分で踏んでしまうようなヘマなどは絶対にしない。


 何故ならば、此こそが彼の真の戦闘スタイルなのだ。


 極力、自らは手を出さずに相手を自爆へと誘導させる。

 卑怯で姑息なヤツだと罵られようが構わない。

 勝てば官軍、なのだ。


 使えるものは全て使う。

 至極当然の摂理であろう。

 誰にも文句は言わせない。



「痛ッ!?」


 おい。踏んでるぞ。

 自爆すんな。


 と見せかけて……鋭い手刀が彼女の服を引き裂いた。

 かれこれ、3分ほど経っただろうか。

 彼女の着衣はかなり肌を露出させていた。

 白く、きめ細かい肌が汗を伴い、艶かしい。

 いーぞ、いーぞ。もっとやれ。


 ちなみに魅惑の魔女シアンナと、変態教授バビロニアは既にパッカードの手によって捕縛されていた。

 シアンナなどは魔法の類いを完全に封じられているようだ。


 少しささくれだった縄で、様々な角度から桃色に染まった肉厚を絞られている。ごくり。

 緊縛、乳房縛り、股縄……いわゆる亀甲縛り。

 瞬時に彼女を縛り上げた技術は流石であろう。


 伊達に長年に渡り、色街を練り歩いたワケではない。


 パッカードさん。貴方を評したい。

 皆さん盛大なる拍手を。やんや、やんや。


 実に耽美。

 彼女の甘い吐息が満ち渡る。

 絶え間無く押し寄せる『縛り』という快楽に身を委ねておられる。


 かの団鬼六さんも褒め称えるであろう。

 眼福、眼福。


 しかも、そんなシアンナさんときたら……失禁でもしてしまったのであろうか。


 恍惚な表情を浮かべ、だらしなく涎を垂らし、淫らな汁で床を満たして逝ってしまっている。


 ぱくぅぱくぅと、はふぅはふぅと。

 言葉に出来ない程に。

 呼吸すら儘ならない程に。


 S=Mもしくは、M=Sという方式なのだろうか。


 普段、殿方を魅了する事には長けている彼女なのだが、逆もまた然り。

 その身に受ける痛みすら快楽へと変換してしまうのは仕様なのだ。


 近接格闘能力に於いては、一般人に比べれば、多少は勝るぐらいの腕。

 到底、暗殺術に長けたパッカードに叶う術もなく。

 相対し、瞬時にして淫靡な罠に絡め取られた彼女は未だに彼方此方をさ迷っている。


 ましてや、そんな彼女を造り出した教授も、また然り。

 部屋の柱、一柱に縛り付けられ目隠しされていた彼は既に逝っているのだ。

 いや、生きてはいますよ?

 だが、彼もシアンナと同じくして垂涎に身を委ねている。


 こう見えて異世界などでは光輝なる尊大なる存在のエルフなのだが。


 天才を越えた天才などという姿は既に何処にも見受けられない。

 情けないやら、羨ましいやら。


 そんな変態を尊敬している助手の『完全体』ロデム。

 全く、彼のどこが素晴らしいのか。

 原稿用紙一枚以内で纏めて提出して欲しいものだ。


 だが、彼女は遂に人間を棄てる。

 ほほぅ。石仮面にでも魂を売ったのかな。

 いや、その心は常に、自分を産んでくれた親。

 命を授けてくれた主。

 教授に捧ぐ。



「正直……此のような見苦しい姿を教授に見せたくはなかったのですが……」



 そう言うと、彼女はドロリと溶けた。




 一般的には『スライム』などと呼ばれるであろう一介の魔物。

 衣服の類いを全て放棄して、一切を溶かし尽くした。


 ヒナ達を屋敷に優しく迎い入れた、可愛らしい少女の笑顔など一片も感じられない。

 ただ単なる漆黒の液体の塊。


  ロデム。変身。




「……ッはー……。それがお前さんの本性かよォ。良いねェ……面白ェ!!」


 観客は居ない。


 いや、スマホを通して状況を伺っているヒナ達女子高生3人組や魔術師バレンシアなどは

 聴こえてきた音声だけで。

 その緊迫した場面を想像ないし、妄想するしかない。


 なのに、今までの経験には無かった興奮に、衝動に身を委せて。


 『狼人』パッカードは舌を舐めずり、まだ終らないでくれよ?と。




 俺を満足させてくれよ、とばかりに身構えたのであった。


いっぺんに注ぎ込みたくないんですよね~……

ちょい、分けます。

御了承、くださいませ……

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