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ドラゴンNO涙  作者: caem
第3章・くだらない。全ての世界に、終末を。
38/96

覆す。そんな不条理、認めない!!その4。

更新詐欺。次回は金曜日などとほざきながら(笑)

1本、イッちゃうぅ!もう我慢できないッ!兄貴ぃぃぃッ!!(古い


今話、かなりネタ特盛です。御注意を。

またもや、異世界に戻っております。


m(;∇;)m

 流石は異世界大陸ファンタジスタに於て『偉大なる魔術師バレンシア』という名を轟かせているのか……


 『瞬間移動』の魔法を使いこなせるのには正直敬意を示したい。手間が省ける。

 ありがたや、ありがたや。

 一度訪れた場所なら、記憶が確かであれば、一瞬で訪れる事が出来るらしい。

 中々やりおるわ。


 あの惨劇の現場を後にしたヒナ達3人と魔術師バレンシアは今、晴れ渡る空……。

 もとい、熱天下の元、流れ落ちる汗をそのままにしていた。


 何処までも拡がっていく砂漠地帯。

 時折見えるのは砂嵐だろうか。


 巻き上がる砂を口に含まないように厚手のマフラーで顔付近を覆い隠している。

 絶え間無い暑さが身に染みる。


 そんな暑さに堪え忍ぶ彼女達の目の前にはこじんまりとした砂漠のオアシスがあった。

 渇ききった喉を潤そうと駆け寄り、水辺にて涼を取る。


 その中心部には、ぽつんと、こじんまりした小屋が見えた。

 裏手に見える水車からは心地好い音がする。ようく覗いてみると金魚っぽいのが泳いでいる。


 辺りは殺風景だが、案外、自然と調和しているようだ。

 掘っ立て小屋といっては失礼かもしれないが。

 代表者として、魔術師バレンシアが軽く扉を三度叩いた。


 軋んだ音と共に扉は開かれ、そこに現れたのは可憐な少女に見える案内人。

 恭しく頭を垂れ、客人を敬う。




「ようこそいらっしゃいました。中へどうぞ」


 前以て連絡などしていないのに、まるで来るのが分かっていたように出迎えてくれた。

 話が早くて助かる。




「はぁ……涼しい……」


 さて、小屋の中に入って砂漠の暑さから逃れる事は出来たのだが…

 ヒナ達3人が違和感を覚えたのは致し方ないであろう。


 掘っ立て小屋に見えたその中身がとてつもなく広かったのだ。

 しかも、目映い程に光輝く荘厳な装飾で埋め尽くされている。


 目をぱちくりさせた。

 思わず扉を明け閉めして表と中身を見比べる。

 外、あっつ! 中、涼しい……

 外見に比例していない。

 ははぁ、成る程。魔法って便利だね。


 彼女達はとりあえず納得する事にした。

 やがて、案内人の誘導により、一際大きく金ぴかの扉の前に立たされた一向。



「教授。お客様です」


 その部屋の内部に繋がっているであろう配管の口に伝達する。


「はいはい~。どうぞどうぞ~」


 超軽い声が室内から聴こえてきた。


 では、失礼します。

 室内に入るとする。

 突如やって来た彼女達4人を出迎えた彼は気さくに話し掛けてきた。




「やーやーやー。これはお久しぶりですなあ! ……えっとぉ……むむっ?」


「バレンシア様ですよ。教授」


 ピシャリと額を叩いた後、右手をブンブンと激しく振り乱しながら相づちを打つ彼。

 なにやら独りで納得している。



「おー。おーおーおー。そうだ。そうだった! 久方ぶりですな! バレンシア様! 遥々ようこそ!」



 微かな記憶を頼りに当時を、彼女を懐かしんでいる。ような気がする。

 う~む。怪しい。


 分厚い銀縁の眼鏡をかけた中年男性。

 見た目が日本人に近い風貌なのでヒナ達は親近感を覚えた。

 教授というよりはどちらかといえばお医者さんや博士っぽい服装だ。

 所々に付着しているのは何かの血液だろうか。


 逆に目立ったのは……。

 白く艶やかなきめ細かい肌ツヤと長い耳。気のせいか、高貴な輝きを伴っている。




「ようこそ来なすった。麗若きお嬢様方々よ。我が輩はエルフを越えたエルフ。その名も……『ハイブリッド』のバビロニア=バベルである! うわはははは!!」


 自己紹介をされて、うっ!と引いたのはいつぶりだろうか。

 両手を高々と挙げて、我を崇めよとばかりに威圧された。何か怖い。

 突っ込みどころが既に満載だ。


 その教授のセクハラ紛いを食い止めるべく。

 案内役に徹してきた可愛らしい少女が恭しく頭を垂れ、自己紹介してきた。助かります。



「ちなみに、私は助手のロデムと申します。人工生命体です。以後、お見知りおきを」



 衝撃の事実。

 眼から何か落ちた。鱗だった。



 ポセイドンとかロプロスとかがその辺に隠れているのでは。

 もしかして教授って火炎放射とか電撃を使う時、髪が波打つのかよ。

 などと言う戯言はさておき。



「して。如何様ですかな? ……むむ! いや! みなまで言わなくとも! 当ててみせましょうぞ!」


 うろうろと室内を熊のように往復する。

 途中、熊になっている。

 蜂蜜を取られたのにのんびり嘆く熊。

 もしくは、下ネタが大好きなぬいぐるみの熊。


 答えを待っている内に。

 実は、部屋に入った時から気になっていたのでヒナ達はそちらを観察する。

 奇妙な標本やヘンテコな人形がずらりと並んでいた。教授の作品だろう。


 無限に捻られた瓶状のガラス細工。

 その中に何かの動物の幼体らしい者がギョロリと此方を睨んできた。

 ここから出せと。

 そのうち、真理の扉に吸い込まれるヤツだ。きっと。


 始まりは些細な切っ掛けかもしれない。

 徐々にその仕掛けが複雑さを増し、コロコロと転がる銀玉が様々な人生を歩んでいく。辿り着いた終着点。旗がパタリと立ち上がる。

 なんて無駄な労力。

 嗚呼、ピタゴラス一致。


 全身を真紅で彩られた等身大の人形。

 多分、これがこの部屋で一際目立つ。びこーん。

 鋭い角が目立つのは多分、通常の3倍の速さで動くので。

 赤色が大好きな操縦士は言うであろう。

 「当たらなければどうと言う事はない」などと。


 または、厳つい漆黒の甲冑が置いてあった。

 その傍らには「それはあまりにも分厚く巨大過ぎた」などと解説が入る大剣が付属されている。

 竜殺しかな。

 着込めば、凶戦士と化す事、請け合い。

 多分、接骨院の替わりには成ると思う。


 額には1本の角。両肩に各々数本の角が目立つ銀色の鎧が隅の方にぽつんと置いてある。

 片腕片足を失った兄貴によって錬成されたのだろうか。いや、教授の作品だが。

 鎧の内側には何かの紋章が描かれている。もしかしたら魂を癒着出来るかもしれない。


 などなど……

 その他にも様々な突っ込みどころのある人形が並んでいるが、キリがないので、さておく。

 あ、アレはグリフォンとか謂われる漆黒の機体……




「ややや! 分かりましたぞ~……。さては、あの失敗作の事でせう! 違いますかな? 大正解でしょう? 何せ我が輩、天才を越えた天才ですからな! うわはははは!!」


 なんて事はない。

 こやつ、確信犯だ。


 エルフを越えたエルフなどと謂われる超越した存在。

 『ハイブリッド』だかなんだか知らないが。

 トンでもなく長寿なのは先ず間違いないだろう。


 況してや『教授』などと呼ばれてはいるみたいだが明らかに『マッドサイエンティスト』が似合っている。

 ヒナ達3人はなんとなく理解した。


 彼が多々、実験紛いに厄介な代物を産み出していたのではないかと。

 そりゃあ、王国…学界から追放されるであろうと。

 こんな辺境の地でぽつんと、残され島な理由はまさしく妥当だ。




「えっと~……。もう少し詳しく……」


 カナミは、敢えて。

 あまりにも突っ込みどころが多すぎる教授に慎ましくも果敢に挑んだ。


 さぁ! 素晴らしく果てしない解説が……助手のロデムから話される。

 何故ならば、教授は飽きたのか茶を啜っていたのだから。

 まるで、他人事のように。



「では、御忙しい教授の代わりに、私がお話致しましょう…」


ーーーーーーーー


 元々、あの悪魔『悪食』は『虚化』を解析する為だけに造られた実験体でした。

 なんのへんてつもない。唯の仮初めの命の塊。


 暫くして、教授は作戦の第2陣を発動させました。

 限り無く『虚化』に近い効果を付与させた魔力の結晶体をその実験体に打ち込んだのです。


 以降、何度も何度も実験を繰り返しました。

 其れが故なのか、その実験体は類いをみない進化に辿り着いたのです!


 しかし、その研究の成果を報告しようとしたある日の事でした…

 たった一瞬の隙をついて、実験体が逃亡してしまったのです。


 正直、王国からの重大な使命であった為に誤魔化しようもなかったのですが。

 教授の悪巧み?により、我々は何とか命だけは免れました。


 その後、野に放たれた実験体が『暴虐』の悪魔と手を組んだとの噂を耳にした我々は、更に状況が悪化する前にと対抗手段を取りました。

 それこそ冒険者や、貴女達…異世界からの召喚者『異邦人』を頼りに。


 ですが、その悉くをあの『暴虐』や付き添いのダークエルフに食い止められたのです。

 そして今現在…我々は密かに暮らす身と相成りました。

 とさ。えへへ。



…………




 『偉大なる魔術師バレンシア』様とやらよ。

 こんな奴等に頼って良いのか?


 正直、未だに狂った実験ばかり繰り返しているような奴等だぞ?

 俺なら頼らないね。イヤ、召喚されてきた女子高生達だって。


 だが、彼女達は違ったようだ。

 偉いよなぁ……じっと手を見る。




「そうですか~。でしたら~…ヤツを捕縛すれば何とか実験は続行出来ますか?」


 何時になく気合いたっぷりなカナミ。

 言葉の意味はよくわからんが、とにかく凄い自信だ。


「だな。やれない事はない」


 こやつ……抜かしおるわ。


 構えるは新調した長剣。血に飢えておりますな。でも、言っておきますよ?

 トールさん。

 ヤツは現代世界に居るのでそれは使えませんよ?



「アタシ達だって、ねぇ……。負けてばっかじゃあいられないってぇの!!」


 熱血少女ヒナは握り締められた拳を奮い立たせて。

 その瞳は『灼熱』を顕にした。燃え上がる闘志を更に熱く!

 滾る闘魂!! ありがとう皆!! 忘れないよ!!



………………



 待った。

 終わっていない。

 ようくサブタイトルを見直して欲しい。


 女子高生達、仲良し3人組は今から新たなるステージへと昇るのだ。



「とりあえず~……。バレンシアさんにお願いがあります~」



 策士カナミの本領発揮か。

 お手並み拝見といきましょう。


はぁ…はぁ…

つ、次こそは必ず金曜日更新……ッ!!


だと、良いなー(棒読み

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