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ドラゴンNO涙  作者: caem
第2章・完全敗北、そして立ち上がる。
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いきなりボス登場。JK達、雪辱を誓う。その10。

さて。逝きますかねぇ…妄想豊かに、エロチックに描いたつもりですw

「え、や、ちょっ、ちょ……。あれ……大丈夫なの!?」




 それは、まるで激しいラブシーンのように。


 ふたりは激しく情熱的に抱き締め合い、燃え上がっていた。




 時折、彼女のその瞳が訴えているのは、愛しさなのか切なさなのか。

 情熱的に、訴えるように、潤う瞳と身の往くままに委せ紅潮する頬。

 溢れる汗に乱れる髪を更に一層鮮やかに、艶やかにして吐息は桃色に染めた。


 普段は至って冷静な彼女には見られない性欲を顕に女としての純粋な快感を観客に魅せつけているようであった。

 まっ昼間で、周囲に観られている事など些細な問題ではないのであろうか。

彼女トールは初めての快楽に苦痛にその身を委ね、全身を痙攣させては悦びを顕にしている。


 漢はそんなにも感情的に震える彼女の躯を更に優しく激しく抱き締めていた。


 鯉が水面上で息をするかのように、何度も何度も苦しそうにパクパクと口を開けては酸素を欲するトール。

 火照る躯を彼の逞しい胸に、全身に撫でつけ、両足を絡め付ける彼女。

 その都度、漢は「大丈夫、大丈夫だから」と耳許で囁いているようだ。


 その言葉に応えるように彼女は、荒々しくも穏やかな海のように広く大きな彼の背中を、決して離すまいと必死に抱き締め、苦悶の表情を浮かべている。

 背中に着いた爪痕は勲章なのか、そのみみず腫れは誇らしく見えた。




 そんな彼女を観た事など1度もないヒナとカナミはそれぞれの反応を見せていた。


 ヒナはその光景を見て良いのか、イケナイモノを見ているのか、止めた方が良いのでは、と他の面子にしどろもどろに主張する。


 その一方では……

 激しく燃え上がるふたりを観て、何故か身悶えているカナミだが、彼女も後にその対象である事を忘れているのではないだろうか。




「大丈夫だから。あれは何て言うか……熱くない焔なのさ」


 いたって冷静に説明をする剣士ソード。

 いや、何を言ってるのか意味が分からない。




「ふぅ」



 賢者たいむ。


 何やら一頻り終わったようだ。

 漢は抱き締めていた彼女をゆっくりと引き剥がすとその逞しい両腕で優しく抱き抱える。

 くったりと、何処と無く宙空を見つめてはいるがどうやら意識はあるらしい。

 そんな恍惚の表情を浮かべているトールを観て、ヒナは一歩引き下がった。




「やっぱり、そうだったわ! 初めて見た時から思ってたンだよな! 多分コイツ……俺と一緒じゃあねぇかッてさ!」


 暑苦しい漢、ジャニアースはトールを抱き抱えながら、同志を見付けた嬉しさを、歓喜を隠せないでいた。

 漢はその抱き抱えた女性を傷付ける事なく愛しい表情を浮かべ、彼女の乱れた髪を整えつつも、柔らかなる花畑のベッドへと、そっと寝かせ付けた。


「だからァ……そうじゃあねぇンだよなァ……」


 ジャニアースの親友パッカードは頭をガシガシと掻き毟り、アピールする相手が間違っているだろう、と嘆いていた。

 その場にいた観客からすればどうみても、彼がトールに惚れているように見えるであろう。


「ははぁ、成る程。どうやらあの女史……トール様はジャンと同じく『灼熱』の固有技能を所有していたのだね?」


「そして、それを自覚していなかったと。そういう訳ですわね……。未熟ですこと」


 剣士ソードと付き添いの魔術師シアンナが告げる。

 それは…異世界に召喚された時からトールが固有技能を自覚していなかった事を意味していた。


「とりあえず……『覚醒』したようだよ。今はトール様が目覚めるのを待つしか無いけど。では、次は……」





 ヒナとカナミも、あの漢にあんな風に抱かれるのであろうか。





 正直、他人事のように思っていたのだが……

 両腕を振り回し、パカーンパカーンと脇を閉めては傲慢なる笑みを浮かべている上半身裸の漢。

 先程の行為を経て、もう、完全復活しているのは流石一流の冒険者というか

 誰よりも『暑苦しい漢』であり『灼熱』という証明なのか。


 今、自分達に訪れてしまった危機に直面してそこはかとなく寒気を感じた。

 女性として女子高生としての貞操の危機ではないかと。


 ご愁傷さまです。とレインシェスカ及びその他の観客達は合掌するのであった……。






 そして、暫く経過したそこには、爽やかな風に棚引く花畑には、3人の女子高生達が恍惚な表情を浮かべ横たわっていた。


 トールなどは早々に意識を取り戻しては第3ラウンドまでやり遂げていたのだが。

 流石『灼熱』というべきなのか、はたまた『絶倫』というべきなのか。


 『熱苦しい抱擁』から解放された女子高生達3人は晴れ渡る蒼空の下で。

 季節の香りを満喫し心を癒される事すら許されずに、息も絶え絶えにして、果てていたのであった。


 まだまだイケるぜ?と自信満々の規格外。

 そんな暑苦しい漢ジャニアースにレインシェスカは……




「…………やり過ぎだって言ってるでしょ!!」




 一際響く突っ込みが、河川敷一帯に拡がり染み渡ったのは、あながち間違いではないだろうと、現場の皆は思ったのであった。



一応ストックはあるので……次回の更新も今週中にする予定です。

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