むりやり喚ばれて、冒険者にされたJK達。その2。
2話目、投稿…奇跡というしか…w
「もーッ! まだ追いかけてくんじゃん! しつこいなぁ……。射っちゃおっか?」
「ヒナちゃん。ダメだよ~、ずっと言ってるでしょ~。ムダに挑発しちゃダメだって~……はぁッ……はぁ……ッ」
「ってか、カナミ! そんな事言ってたらコッチが殺られちゃうんだよッ!」
「もう既に、何匹も……。いや、何人……か?殺ってるけどね。」
「……いやいや、トールは冷静過ぎるから。もうちょい気張ってみても……」
うっすらと照す光が駆け抜ける密林を3人の少女の吐息で白く染める。
彼女らの後方には……
とても『人間』とは思えない風貌の
その頭には小さな角が2つ程装備された
小鬼。と呼んでも良い存在が各々、その手に棍棒やら小剣を携え、我よ我よとはしゃいでいる。
と、その背に弓を保つヒナが立ち止まり、キッと振り返る。
「ってか、カナミもう限界近いでしょ? じゃあ……やっぱり殺るしかないわ……ッ!」
明らかに逃亡力……もとい、カナミの脚力が落ちていた事に目を伏せていたのだが、これ以上は奴等から逃れられない気配が濃厚か?
それでも、追ってくる小鬼達との距離はかなりある。
彼女は凛とした構えを以て弓を素早く弾く。
数発の弓矢を放ち、その悉くを確実に命中させていく。
幾つかの悲痛な叫び声が木霊するも、運よく弓矢を回避した小鬼が、その形相を酷い怒りに変貌させ、手に持っていた小剣を投げ付けてきた。
「トール! 頼むッ!」
ヒナから承った彼女・トールは『了解ッ!』とばかりに、小鬼に投げ付けられた小剣を自らの剣技にて打ち払う。
見事。
中空に舞った小鬼の小剣は翻り、小鬼の頭に刺さっていた。
放たれた小剣を、その自身に打ち返すというほぼ反射に近い。
その、とんでもない剣技の威力に脅威を感じたのか?
取り敢えず、他の小鬼達が追ってくる気配は感じない。
どうやら、僅かに生き残った小鬼達は逃亡したようだ。
一先ず皆は腰を下ろし、一服する。
鞄から革製品の水袋を取り出し、軽く水分補給を済ませる。
「まだ油断できないな……。さぁ! もうちょい頑張ってみようか!」
屈伸をしながら、いざ走りだそうとするヒナに対して
剣の手入れをしていたトールも立ち上がりカナミの手を引いてやる。
再び行動を開始しようとするのだが……
「そっちじゃないよ~。ってか、もうちょいゆっくりさせてよ……」
走り尽くしだったせいもあるが、かなり体力を消耗したカナミは、立ち上がるのさえ辛そうだった。
カナミはその手に地図を持っていたが、開く動作、つまり再確認をしていない。
……記憶力には自信があるようだ。
3人は再び走り始め、息を切らし立ち尽くす。
既に……月光が歓迎し始めていた。
「野宿とか……。最悪だわ……」
異世界の密林での野宿など、今時の女子高生はしない。
ただ…彼女達は『冒険者』なのだが。
やはり、月イチぐらいで更新しよう…ってかストックを貯めねばw