むりやり喚ばれて、冒険者にされたJK達。その1。
初小説です。後悔は…してみるw
喧騒瞬く電子音。
赤・黄・青の危険サイン。
行き交うは物、もしくは生き物を運ぶ有害ガスを排気する及び電動式な荷車。
限られた自然と限られた理によって開化された文明による小さな球体。
それは地球と呼ばれる惑星の中でも、人類によって支配された大地『日本』。
更に小さな群衆による国家によって統治された街の中の…とある高校。
公立神岡高等学校。
そこかしこで奇抜極まりない出で立ちの学生が群雄割拠していた。
青空に一筋の飛行機雲を仰ぎながら……。
「はぁ……。やっぱ疲労感がハンパないわ……」
見た目には活発そうな、それでいて程好く日焼けしたベリーショートの女子が溜め息をつく。
普段、ヒナと呼ばれる女子高生。
弓道部に所属した矢先に、次々と頭角を表し、1年と経たずにして部長となった彼女。
本名は弓千華雛子が軽く悪態をつく。
「確かに……。アソコでの1日がコッチで1秒だって言われたって……。ねぇ~……」
何処やらの趣味連中には『萌え~』と受ける感じの華奢且つスレンダーな眼鏡っ子が同情してみる。
ツインテールがよく似合うのにはワケがありそうだ。
普段、カナミと呼ばれる女子高生。
帰宅部代表、インターネット同好会所属。
本名は 戟卯田香菜己という。
「そうか? あたしは何とも無いけどなぁ」
と言うは、馬の尾よろしく、ポニーテール長身モデル体型の、だが意外にもインナーマッスルな和風美少女。
本名は、剣山亨。
ちなみに、彼女は身長180近く、かなり目立つ方だ。
剣道部に所属しているので常に竹刀を身に付けているせいでもあるが。
「いやいや、トールは家業……っていうか部活だって剣道一筋じゃん!」
生徒会と書かれた腕章の門番に深々と礼をした後のトールが振り向き応える。
「健康的な生活にはまだまだ程遠いと思ってるけど……。カナミは鍛え方が足りないんだよ?」
ニッコリと、それでいて脅迫及び悪魔的な微笑みで仕返してくるがなにも言い返せない、いや言い返したくはない。
部活に誘われたりトールの実家の道場に引き込まれるのだけは勘弁して欲しいのだ。
「まぁ~……通信簿が悪くなきゃ良いんじゃあな~い?」
こいつ…喧嘩売ってるのか!? と不意に殺意に芽生えたが試験勉強の度にお世話になっているので。
ヒナはカナミには、試験のシーズンだけはどうにもこうにも頭が上がらない。
「でもね、着々と身体に老化の翳りが…高校生なのにOLになっちゃうよ……」
トールとカナミは内心。
『OLとか……。ギリギリ若く過小評価したな!』と呆れたが口には出さないでおく事にした。
三人は幼馴染みでもあり、幼稚園から高校までの全てを共有してきた。
幼馴染みといっても、カナミはひとつ年下なのだが。
なので、お互いに、何処までが口に出して良い範囲なのかは理解しているつもりだ。
特にヒナを怒らせてしまうと、校長先生の朝礼よりも長い長いスピーチになってしまう事は過去に経験済みだったのだ。
などと3人の自己紹介気味な雑談は何時しか。
学生としての修行の鐘が鳴り、ともあれ日常へと溶け込んでいった。
のも、束の間。
それは突然に、やってきた。
『【竜の涙】の波動を感じました。貴女達を召喚します。』
その声は3人の女子高生だけに届けられ……日常から、非日常へと導くものであった。
『異世界での冒険者』として。
月イチぐらいで更新予定です。