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1.5 : 青年
あぁ、
美しい。
トーキョーのビルビルビル。
新山編集社の屋上で青年は微笑んでいた。
「きもちー、トーキョー。人いっぱい、血ィたくさん、あは。」
赤毛の青年は、真っ赤な真っ赤な唇を、弧のように歪めた。
「お腹イッパイにしよ。ーーじゃ、まずは獲物、つかまえなきゃ。」
青年が手に持っている、ウサギのストラップのついたスマートフォンには、自殺サイトの画面が綺麗に、綺麗に光っていた。
「たーくサン、いるね、つらいひと、可哀想なひと、うーん、でも最近、たくサンひと喰われてる、アサヒナ、アサヒナのせいカナ、喰いすぎはダメだよーーーオレの分もないと。」
赤い口を大きく開き
「アハハハハハハハハハ!!!!!!あは。」
笑った
たのしそうに
たのしそうに。