少子高齢化時代の学校生活考えてみた(リレー小説)
少子高齢化時代の学校生活考えてみた(リレー小説)
作)
椎名 カイ
かるかん
水岡 きよみ
緋宮空音
香鳴裕人
あれっきーの
グールガール
杏
それぞれの作者さんページ同時投稿してます
今日は入学式、ここ修蝉高校で僕の学校生活が始まる。
僕はとある思いを胸に秘め、これから3年間を過ごす学舎に入った。
下駄箱で靴を履き替えていると、突然背中をどつかれた。
「今のは試し打ちよ。明日は本気でいくから覚悟しておいて」
え?どういうことだ?
「しらばっくれないで、この前の法改正で決まった『勝負して勝った方が負けた相手と付き合うことができる法案』の勝負よ!!」
僕は、改めて背中を蹴り飛ばした少女を見た。
彼女はゴリラと言って過言では無い程、逞しい体つきをしていた。
制服の上から見ても盛り上がった筋肉に黒く焼けた肌。
僕は、『勝負して勝った方が負けた相手と付き合うことができる法案』の恐ろしさを始めて実感した。
こういう時は逃げるが勝ちだ!!
と、自分の教室まで猛ダッシュした。
さすがに教室内までは追ってこないようで、安堵の息を漏らした僕は、黒板に書いてあった席順を確認する。
隣の席の子がゴリラではなかったのでひと安心して席につくと、まもなくチャイムが鳴り響いた。
僕はこの時まだ、本当の恐怖にちっとも気づいていなかったのだ。
ガラッと勢いよくドアが開いた
「よし、みんな席につけ。もうすぐ式が始まるから各自遅刻しないように体育館に集合しなさい。それと、気になってると思うあすの告白大会の内容も決まったから簡単に説明するぞ。まずは告白をするかされるかして、受けるか断るかを決める。受けた人はそのまま恋人認定書を作ってくれ。断る人は、自分で戦う勝負を決めて、告白した人と戦う。勝てば自由だし、負けたら最低1週間は強制執行で付き合うこと。告白して勝負にも負けた人は、1か月後の告白大会までに我慢してくれ。詳しくは式の後のホームルームでプリントを配る。とりあえず、まずは入学式に遅刻するなよ。」
「はーい」と皆が返事する高校を揺さぶる勢いで何かが駆けてくる音が聞こえた。
その日、僕は思い出した。朝体験した奴の恐怖を
とっさにゴリラを思い浮かべた僕に、隣の席の男が囁いた。
「来たぞ。T-レックスだ。ゴリラなんてメじゃない」
廊下側の窓から覗く恐竜の目は、まさに獲物を狙う目である。
「このクラスは外れだね。」
そういうと、ノッシノッシと足音をたてて次のクラスへと消えていった。
良かった!さすがにあれと交際は無理だ。
「ふぅ・・・助かった。コイツが火を噴くところだったぜ」
前の男子が何やら呟きながら机に仕舞い込んだ。おい、待て。ここは日本だったよな? というか、お前はそれで何をしようとしていた。
「ふっ 男には一つや二つ秘密があるもんだぜ」
そう言いながら男子はぺろちゃんキャンディを舐め始めた
こいつらヤンキー超えてるじゃん。
つか男がぺろちゃんキャンディって…
そう思った刹那、男の口、いや咥内が爆発した。
気合い入れた髪型の男達は、掃除用具の隅に泣きながら隠れていた
女子至高主義になった国はいろいろえぐい………
「落ち着け・・・」素数は数えなかったが、そう自分に言い聞かせると、僕はこれまでの経緯を冷静に振り返ろうとした。
……無理だった。
T-レックスを超える暴威が僕に襲いかかってきたからだ。
突然、教室のドアが吹っ飛び、中に入ってきたゴリラの3倍ほどの女。
その後ろから、女神かと思えるほどの美少女が現れた。
ゴリラはその女神に蹴り飛ばされたみたいだ
「ごっ・・・ゴリラちゃん!」
クラス内の女子が吹っ飛ばされたゴリラに駆け寄る。それが名前だったのか。いや、それ以前にお前達はどこで知り合った。
可愛い美少女に食いつく男子共。
突然、美少女の体がバラバラに分かたれ、八方にレーザー光線が放たれた。何人かが今ので消し飛んだみたいだ……。
「獣臭い人型のメスはいなくなればいい。素敵な男性はすべて私のダーリンにするのよ。」
ああ、もう何が何だか分からない。理解に苦しんだ僕は、現実逃避にスマホを弄り始めた。
しかし、スマホが爆発。
「そのスマホを爆発させるイケメン力!!あなた、明日私と付き合いなさい。」
こうして、告白大会に2人目の相手ができてしまった。
「退学したい」
僕が今となって思うことはそれだけだ。
入学式も始まってないのにね。。。
そして、どたばたのまま入学式が終わった。
翌朝、僕はベットの中でため息をついていた。
「ひきこもりたい・・・」
切にそう願う
親には腹痛で動けないことにして、学校へ休みの電話をいれてもらおうとしたそのとき、突然家の外からドシンドシンとこの世の終わりを告げるかのような音が聞こえてきた。
ゴリラだ!!
窓から喧騒をそっと覗くと
家の前にはゴリラがいた。
「なんだ、ゴリラか・・・T-レックスじゃなくてよかった」
僕は安堵する。
ゴリラと一緒にいるのは、鼻が長いような?
まさか、ゾウか?
ゴリラの5倍は大きいぞ…………
いや、まて! 自分の考えが色々と汚染させれいることに気が付いた
どうしてこう、動物に例えたがるんだろう………
動物としか思えないんだ…だって動物のようにでかくていかついから
見た目も似てるし。
たまに見るちっちゃいのは明らかにサルだし。
高校中退はしたくない。
行くしかない。
僕は明け方まで駆けずり回って、なんとか集めた武器たちをバッグに詰め込んだ。
朝食を食べると、裏口からこっそり学校に向かった
しかし甘かった………
校門という難関があったのだ。
僕は闘いを覚悟した。ボリビアで350日もの間、ゲリラ戦を展開していた時の経験を活かす時は今だ。
鞄に入れていた銃を取り出し、校門を突破しようとしたら、前を歩いていた男が銃で打たれた。
前方に気を張った瞬間に意識を失い、僕はあえなく玉砕した。
後ろから通学してきたゴリラに捕獲されたのだ。
連行され連れていかれた所には、震えている男子生徒がたくさんいた。
こういう時に冷静に働く頭はありがたかった。周囲を見渡すと、埃が舞う室内に男子生徒が7人。その手足は鎖で繋がれ、自由を奪われている。
しかし、僕は鎖ではなくロープだった。
おそらく鎖がなくなったのだろう。
確かポケットにカッターがあったはずだ。
祈るようにポケットに目をやると、わずかに膨らみがあった。
取られていなかったようだ。
手を回し取ろうともがく。
しかし、取れない。
面倒なので間接をはずしカッターを手にした
僕は、ゴリラたちがそこにいないのを確認し、怯えてる男子らに
「みんな、しっかりしろ!絶対ここから出るんだ、負けちゃいかん!ゴリラをその気にさせて俺が囮になるからその隙に逃げるんだ!」
と伝え、ゴリラが来るのを待った。
嫌だけどしばらく色目を使って様子を見るのだ。
そして、足音がした。
ドアが開く瞬間。
上着を脱いだ。
「お前達こんなところで何してる?」
教師はそれぞれの縛りをほどいて、告白大会の現場に僕らを連れていった。
「この国にすむ以上結婚は義務だから頑張れよ。」
そういうと体育館の鍵を閉ざしたのだった。
服は…………
着てない…………
上半身裸で行けと?
代わりになりそうな物を探す。
この現場で代わりになりそうな物なんて………
服装自由の校則がこんなところで仕事するとは…
何もない!
「さ、さむい・・・」
4月の春風がこんなに堪えるとは・・・。僕は両腕で身体を抱き込んだ。
そうしてるうちに、到着した。
今更ながらあそこで服を脱いだのが間違いだった。
というか、先生も少しは待ってくれればいいのに・・・。
ゴリラがこっちに走ってくる。
手にはセーターを持っていた。
恐らく僕のだろう。
だが少し色が違うような……。
それにところどころ破けてる部分が……。
ぴんぽんぱんぽーん
突如校内放送が鳴り響く
「これより、法律に乗っとり、大告白大会を始めます。興奮して発情した生徒はその場で退学処分および校内強制退去命令を物理的にするので、慎みをもって行動してください。」
ぴんぽんぱんぽーん♪
聞き間違いだろうか。
というか聞き間違いであってほしかった。
死にたくない。
あの350日を過ごした僕でさえも迫り来る死を感じていた。
ん…?
発情したら退学と言うことは、ゴリラたちを発情させればこの地獄の戦場から逃げられる…?
僕は、単純思考ではあるがそうひらめいた。
僕はみんなに言った。
「みんな上着を脱いで上半身裸になるんだ」
いや、逆に考えよう。可愛い子と贅沢は言わない。
せめて普通の子と告白して断られても勝負に勝てば最悪一週間の自由が法律により守られる!
幸いクラスの女子は人間しか居なかった。
ぼくは、ゴリラに見つからないように1人抜け出した。
沢山の半裸の男子を残して!
だがそこで待ちかまえていたのはT―レックスだった。
T-レックスは咆哮する。大気が振動し、校舎の窓ガラスが次々に割れていく。
後ろからゴリラがきた。
完全な挟み撃ちだ。
しかし、ぼくは昨日の品定めで彼女のターゲットから外れている
「さっき、あっちの方に男子がたくさん居ましたよ。」
爽やかに情報を流して笑顔で見送ってもらえた。
そして、ついに横の席の女史を発見した!
男付きで...............
「その勝負ちょっと待ったー!」
そう大声で言ったはずなのに……無視された。
それもそのはず、ぼくは半裸だ。
しかし希望が見えた。
外に1人女の子がいた。
容姿もいたって普通だ。いや、この学校だと可愛い部類に入る。
けれど、そこまで行くには、女子の中を通って行かねばならない。
どうしようか…と思っていると、女の子はこの間のゾウ女と話し出す。
(あの子が危ない!!)
そう思ったのも束の間、ゾウと女の子は笑顔で僕の方へ歩み寄ってくる。
そして目の前に来た。
ワールドカップでも通用する程のフェイントを混ぜて、目的の女の子の前にたどり着いた。
「あの。」
ヤバイ!過度の緊張が走る。
「命を助けると思って、お友達からでいいんだ。僕と付き合ってください。」
「“お友達から”なんて寂しいこと言わないで。婚約者から始めましょう」
彼女は微笑みながらこちらに手を差し出してくれた。