プロローグがあってもいいじゃない!!☆2☆
2階にある俺の部屋から1階のリビングに降り、テーブルの方に向かうと、トーストに目玉焼きを乗せたものが置いてある。
一見もの凄く手抜きに見えるが、もの凄く美味い。いや、手抜きなのは確かだな。
「おう、やっときたか和奈。今日はお前の好物つくったぞ。」
そう。このシンプルなのが俺の好物だ。
俺が食わず嫌いなのもあるが、変に洒落たものよりはこういうシンプルなのがいい。
「おう。ありがとな。」
「いいってことよ!!親子の愛?絆ってのか?」
うん。凄く親子愛が感じられるね。けどね、父さん。そのビジュアルで言われても恐怖しか生まれないと思うんだ。エプロンが胸板の厚さのせいではちきれそうだよ?
「それに、今日は和奈の入学式だしな!!」
「あぁ…来るのか?」
「あったりまえ!!この日の為にスーツおろしたんだぞ!!」
そういって俺にスーツを見せてくる。がそこで俺はあることに気づいた。
「お、おい。親父、これって…」
「気付いたか?流石は我が息子よ!!」
親父はそういって大口開けながらガハハハ笑い出した。うん、うるさい。
親父はほっておきスーツを見る。やはりそうだ。これは…
「このブランド…。おい!!親父!!これいくらした!?」
聞くと親父は馬鹿笑いをやめこちらに振り向く。
「あー…。100万くらいじゃなかったけか?」
そういうと親父は凄いだろ!!といいながらまた馬鹿笑いを始めた。
うん。すごいねー。やっぱり猿人だったんだね。猿人に16年養われてきた俺もすごいねー。
現実逃避しなけりゃやってられなかった。
しかし、悪いことばかりではない。
「親父。ちょっと着てみてくれ。」
「お?父さんのスーツ姿がそんなにみたいかー?」
「…いいから、そういうの。」
いや、まじで。そのビジュアルの人間?と彼氏彼女のやりとり的なのいらねぇから。俺がそんなことを考えてる間に、親父はスーツに着替え終えていた。
え?早くね?
「どうだ和奈!!似合うか?」
「おう。すげぇ似合ってる。」
「そうか!!いやぁ、俺ってやっぱホストになるべきだったかな?」
「無理だろ……。」
確かに親父にスーツは似合っている。しかし、ホスト系統の似合っているではない。
赤みがかった黒色をしているスーツをきた親父は、まさにヤクザそのものだ。
野性味溢れた顔に加え筋肉のつきすぎで着崩したスーツ。
うん。完璧だよ。ヤクザじゃん。道譲っちゃうよ。