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thin  作者: あきら
7/8

#7

 送信者「小雪」 件名「嬉しいお知らせと悲しいお知らせ」


「聞いて下さい。まずは嬉しいお知らせから。

 私今まで死ぬことばかり考えてました。

 仕事もないし明日の食べるものさえ不確かな生活でした。

 生きる気力もなく、ただ毎日毎日を、消えていくことだけ願っていました。

 でも遊喜さんのメールのおかげで元気になりました。

 そのせいかどうかは知りませんけど仕事も決まりました。

 ホントに感謝してもしたりないぐらいです。

 それで悲しいお知らせがあります。

 今までの自分とケジメをつけるためと、仕事で忙しくなるので、

 しばらく……もしかしたらもう二度と……遊喜さんにはメールを書かないことにします。

 ほんとに自分勝手な言い分ですよね。キライになりましたか?(笑)

 とっても感謝してるし、ホントは遊喜さんとメールを続けていきたいんです。

 でもきっと私はあなたがいると、甘えてしまうと思うんです。

 辛いとき、悲しいとき、泣きたいとき、苦しいとき、わがままなとき、

 きっと遊喜さんは優しくしてくれるから、

 きっと私はまた逃げ出してしまうんだと思うんです。

 わ〜、なんだか書いてて訳解らなくなってきたので、これで報告終わりです。

 私のテンションの高さが少しでも伝わって、遊喜さんが安心してくれればと思います。

 もっと、もっと私がちゃんとした人間になれたとき、またメールします。

 そのときは同情なしでお互いのことを話したいですね。

 それではその時までさよならです。


 PS

 私の存在は私には解らない。あなたの存在はあなたには解らない。

 でも、あなたの存在は私が感じてる。私の存在はあなたが感じてる。

 そういうものなんじゃないかと思います。」



 不確かなモノ。

 確かなモノ。

 ぼんやりと思い描くことしかできないモノ。

 そしてはっきりと突きつけられるモノ。

 こうして突然始まったメール交換は突然終わりを告げた。

 僕はここにいるんだ、そう叫びたい相手はすでに存在しない。

 僕は存在しない。


                                 lead to suquel


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