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thin  作者: あきら
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#2

 送信者「小雪」 件名「お返事ありがとうございました」


「小雪、素敵な名前ですね。私にはとても不釣り合いなほど……。

 私は存在が希薄なのです。今まで誰も私のことなど気にかけてくれませんでした。

 私の存在理由はきっと私を認識していただいた、

 あなたにメールを書くということだけなのかもしれません。

 今の私にはそれしかないから……。

 雪って私も好きです。時が過ぎれば消えてなくなるから。

 それはとても嬉しいことです。私だけじゃないんだなって思えるから……。

 それでも私は永遠に憧れる……。」



 メールの返事が来た。僕はなんとなく嬉しかった。ないと思っていたものがある喜び?

 早速返事を書き始めたが、どうにも内容が暗い。深く考えてしまって、返事も暗くなってしまったかな?



 送信者「遊喜」 件名「Re:お返事ありがとうございました」


「お返事ありがとうございます。

 名前気に入ってくれてよかったです。また考え直さないといけないかも?

 って思ったらちょっと不安になりました(笑)

 存在理由ですかぁ……なんか深いですね。

 僕だって……おそらく多くの人たちが……、

 存在理由なんてもの、わかってないと思います。

 あなたはちゃんと理由を見つけている。それはすごいことだよね。

 でも時々考えてみるんです。僕ってなんのために生き延びてるのだろう? って……。

 その答えは見つかりませんけど(笑)

 あなたも早くもっと楽しい理由が見つかるといいですね♪

 永遠ってよく解りません。

 この地球、いえ宇宙さえもいつかは無くなってしまうみたいですね。

 僕は永遠は信じてないけど、絶対は信じています。

 絶対に、永遠に存在するものなどないのだと……。

 おぉ? なんか暗くなっちゃいますよね(笑)

 あなたがもっと明るくなれるよう祈ってます(きざ?)

 それでは、また〜♪」


 存在理由かぁ……。最近そんなこと考えてなかったな。思春期の時はけっこう考えたような気もするけど……。

 いつのまにか、なんとなく生きていけるもんなんだな……。


                                   lead to #3


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