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これ、何の話?

作者: ラベンダー
掲載日:2026/02/02

饅頭を食べようかと思った。

思っただけで、身体は動かなかった。


行為には常に理由が要る。

饅頭を食べる理由は見つからなかった。

むしろ、食べない理由のほうがいくつも浮かんだ。

のどに詰まるかもしれない。

詰まった場合、人は死ぬ。

死ぬ必要は、今日にはない。


そうして、何もしないまま一日が終わった。

退屈は静かに過ぎ、私はそれを見送った。

また明日が来るだろう。


明日になった。

もっとも、明日とは常に今日の別名である。

今日が来るたびに、私はそれを明日と呼んでいるだけだ。


饅頭のことを思い出す。

中身は何だろう。

粒あんか、こしあんか。

粒あんなら食べない。

私は昔から、こしあんを選ぶ人間だった。

理由はない。選んできただけだ。


それなら、この饅頭も食べない。

決断は、しないというかたちで下された。


明後日になった。

饅頭の賞味期限は今日までだった。

食べるべきだろうか、と考えたが、

「べき」という言葉は私を動かさない。


迷っているあいだは、散歩に限る。

そう決めたのも、いつだったか思い出せない。


夕方四時の公園。

子供たちの声がある。

世界は彼らのもので、私はただ通り過ぎる。

空はオレンジ色に傾き、

光は理由もなく美しい。

風が吹き、私はそれを受け取った。


家に帰った。


饅頭を食べた。

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