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支えなんて要らない

月曜日、穂香は学校を終えて放課後に宿題を終わらせ、近くの公園でダンスを自主練する。

火曜日、穂香は放課後に公園で歌う。

水曜日にヴォーカルレッスン。木曜日にダンスとヴォーカルを合わせて自主練し、金曜日にダンスレッスン。土曜日と日曜日に公演。


「駄目、これじゃあ涼真と別れた意味が無い。もっと上手くならないと…」


穂香は自分を追い詰めるように、勉強もダンスと歌もと睡眠を少しずつ削りながら熟していく。その様子は鬼気迫るものであった。


「…谷口穂香…貴方大丈夫なの?」


彼女の様子を心配したプロデューサーが公演前に訪ねる。


「…大丈夫です。問題…ありません」


穂香の言葉を信用していないのかプロデューサーの顔は釈然としてなかった。


「では、行きますので…」

「ちょっと…!」


穂香は他のアイドル達と共に舞台の上へと立つ。


「皆ーーーーー!!今日も来てくれてありがとーーー!それじゃあ張り切って行くよーーーー!!」


曲は進み、穂香のダンスと歌は練習した分上達していているが、彼女の表情は必死だった。


「穂香ちゃん…?」


穂香の異変に気付いた女性は小首を傾げる。


(もっと…上手くならないと…もっと注目を集めないと…)


穂香は動きのキレを上げようとした時、視界が歪んで横倒しになった。


「穂香ちゃん!!!」


女性が悲鳴を上げるように彼女の名を呼び、全員の動きが止まる。


「誰か!!!タンカー!!!早くタンカーを!!!」


プロデューサーは救急隊に連絡しながらスタッフに指示を出し、穂香は舞台上から運び出されたが、公演どころではなくなり中止となった。


病院に運ばれた穂香はベッドの中で目覚める。


「ここは…」


穂香は頭痛に目を細め、ゆっくりと起き上がる。


「病院よ。貴方倒れたの」


声が聞こえ、左へと向くと其処にはプロデューサーが足と腕を組んで椅子に座っていた。


「プロデューサー?それに倒れたって…?」

「貴方、疲労で倒れたの。先程貴方の親に連絡しているから、もう直ぐ来られると思うわ」

「…そう…ですか」


落ち込んでいるのか分からないが穂香は思い詰めた表情で俯く。


「…にしても貴方…随分無茶してたみたいね。お母様から聞いたわ。睡眠時間削って勉強ばっかりしていたと」

「別に…アイドルに成る為には必要ですし、アイドルを目指すせいで成績が悪いなんて言われてたくないし…」

「だからって睡眠時間削って無茶するのは違うでしょ」


はぁ…とプロデューサーは長めの溜め息を吐く。


「それに無茶するようになったのはここ最近と聞いたし、宮司先生からも最近様子がおかしいと聞いてたけど……。貴方に何があったの?調子良かったのに…」


彼女がそう訪ねるが穂香はプロデューサーから顔を背ける。


「すみませんが…プロデューサーでも、言えません」


穂香の雰囲気から本当に言いたくないのだと察し、何とも言えない表情で穂香を見詰め、視線を落とす。


「そう……。干渉出来ないからしつこく聞けないけど…。もし、貴方が今の状態を続けるなら……貴方を、アイドルにする事なんて……出来ないわ」


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