「松川ルイ16世さん」に見る日本政治の絶望の本質
筆者:
今回もクリックしていただきありがとうございます。
質問者:
今回はSNSでも話題になっているフランス視察から日本の問題の本質に気づかれたと言うことなのですが……一体何が問題なのですか?
筆者:
簡単に言ってしまうと、国民側から議員を解職、減給させる手立てが無いので”当選したもん勝ち“と言う状況です。
東谷元参議院議員が解職されたのは国会が自主的に行ったことなので国民は一切関与できていません。
そして、これだけ酷い政治を連発している自民党が一番マシだと言われている現状です。
質問者:
なるほど……まずはフランス視察で炎上したポイントをまとめていただけますか?
筆者:
自民党女性局長の松川るい参議院議員や局長代理の今井絵理子参議院議員ら38人が、7月下旬に研修旅行としてフランス・パリを訪問した際に、その模様をSNSに投稿した写真に批判が集まりました。
特にエッフェル塔を前にポーズを撮った写真が「物見遊山的な観光旅行ではないか?」と物議を醸すことになりましたね。
更に、実質的な仕事の時間は3泊5日で6時間(研修は1日1時間の日も)でしかなかったことや、松川氏が娘を同行させていて、在仏日本大使館員に面倒を見させていたことなどが週刊誌で報道されて更に炎上しました。
質問者:
これは酷いですね……。遊びに行ったようにしか見えません……
筆者:
「血税で観光旅行」と言う批判について松川氏は「今回の海外研修の費用については「自己負担と党の負担で賄われているが、党の負担分については政党助成金は使っていない」
と“論点すり替え”を行っています。
というのも、そもそも国会議員の給料は税金から出ていますし、普通の人と比べると桁が一つ違います。
非課税の文通費も月100万円まで許されますし、そこからお金を出していると言われても……と言う感じがします。
こうした「庶民感覚が無い上級国民」について僕の私見ですが
必ずしも庶民感覚が国会議員の資質に必要だとは思わないんですけど、“これをやったら炎上するな”という国民感情を汲み取る感覚が欠如していることは政治家として致命的だと思うんですよ。
質問者:
確かに、国民の気持ちを理解できなければ現実に見合った政策を反映させられませんものね……。
筆者:
ちなみに、このフランス視察について「少子化対策や子育て支援について学んだ」と言うことらしいんですが、フランスそのものは出生率は高いもののほとんどが移民の出生率なんです。
2世以降の移民は出生率が下がっているようですから、ようは移民を入れたいのだと言うことを示していますね。
さらに消費税は日本はフランスに比べると低いと言及していることから消費税増税も推し進めたいのだなと思われます。
全く国民のためにならない視察を多額の給料を公費からもらっている方が行っていると言うことです。
質問者:
しかし、こういった大きく炎上した政治家でも解任は出来ないんですよね?
筆者:
ネットで“松川ルイ16世”と呼ばれている松川氏は参議院議員、22年の大阪府選挙区です。
つまり「選挙で落とせばいいじゃん」と言う意見もありますが、他に住んでいる人は投票できない上に、自分から辞めない限り28年まで任期があるわけです。
これまでの問答から面の皮が相当厚そうなので任期まで居座ることはほぼ間違いなしだと思われます。
このことから、問題の本質は在職中の人を国民側から辞めさせる制度(問責決議させる手立てすらない)や給料の返還を求めさせる制度が一切存在しない事だと思います。
国会の議事場で寝ようが、日本の国をいくら外国に売り渡そうともクビになることは無いのです。
これでは緊迫感が無くて当たり前です。
「選挙の時に国民を騙して議員になったもん勝ち」の状態になっているんです。
これで参議院議員なら6年安泰。時間単価は9.9万円と言う試算もありますし、本当に当選しちゃえば楽なお仕事です。
質問者:
普通の一般企業では絶対にありえない話ですね……。
サボったり、勤務中寝たら最低でも減給になりますもの……。
筆者:
僕の見解としては、議員の給料は責任を伴えば高いとは思わないのですが、国民側から解職、給料減額請求できないのが絶望的です。
『簡単にリコールできてしまうと、世論によって少数意見が押しつぶされる可能性もある』と言う話もあるが、何も手立てが無いのは問題。在任中の給料全額返還請求ぐらいさせて欲しいと思いますね。
一切制度が無いと国民からいつも見られているという襟を正す気持ち、しっかりやらなくてはいけないという気持ちなどが欠如してしまうと思うんですよ。
現状は地方の議会の議員・都道府県知事・市町村長の解職、議会の解散にリコール請求があります。
2009年度から17年度の解散請求は5件、長の解職請求は7件、議員の解職請求は1件成立していますから国民が制度を使えていないわけでも興味が無い訳でもありません。
イギリスでは一定の要件を満たせば国会議員の解職請求も可能ですし、世界的に見ても全く制度が無い訳でも無いのです。
しかし、既得権益側が自らの地位を危うくする制度を創設する可能性が低いのがまた問題です。
質問者:
なるほど……最低でも議員の方々に「国民がいつも見ている」と思わせる制度を作る必要性はありそうですよね……。
筆者:
そして次の問題として「野党がだらしないから自民に入れる」と言う恐ろしい構図があることです。
これは一理はあるのですが、庶民感覚のないKYスーパーエリート(松川氏も東大卒)やタレントばかりを公募で選び、その公募時点での選択権限も国民に無いのでどうすることもできないんです。
一部の週刊誌報道では“拉致被害者返還してもらってから解散”と言う話もあるようなんですが、確かにこれだとまた自公が勝ちそうです。
ですが、一時の感情のみで投票してしまうことは非常に危険なんです。
総合的には経済政策、海外に無駄に支援、議論をしないLGBT法案など絶望的なことばかりを平然とやってのけるので、政権として赤点であると言えます。
むしろ点数すらないかもしれません。
これを決して忘れてはいけません。自民党政権が続けば首を挿げ替えてもまたこれが続くことは間違いありません。
とにかくどこでも良いので現状は自民党以外に投票しましょう。
意図的に酷い政策を行っているか、現状分析が出来ないほど資質が足りないか――とにかく、国難に見合った政策を全くできていません。あまりにも酷いです。
質問者:
しかし、政権担当能力がない政党が政権を担えば国家運営が危うくなりませんか?
筆者:
ですが結局のところ国会答弁は官僚が書きますし、実を言うと国家運営に支障が出るほどのマイナスはありません。これはこれで別の問題とは思いますけどね(笑)。
“政権担当能力が無いから”と言う理由で政権を任せなければ経験値はずっとゼロのままですからね。色々な政党が数年おきに政権を担当することが理想かなと思います。
それよりも自民党が長い事政権を取っていることが前提の状況だと官僚との癒着が進み、利権がどんどん生まれて行ってしまいます。
まぁ、どの政党でも一定の利権はあると思いますが、政権交代が頻繁に起これば利権の強化にはならないでしょう。
政権が安定しなければ自民党も分裂するかもしれませんしね。
質問者:
政治に関心が無くなって投票にか無い事も問題ですよね……。
筆者:
日本人は受容能力が高いのか諦めが早いのか、日々の生活に疲れているのかは分かりませんが。あまり声をあげることをしません。
どこが政権だろうとふざけた政策を行うでしょうから、それに対して適切な批判と指摘をすることが大事だと思いますね。
どんな実績の方でも良いので、国民に寄り添え心を持ち、お金に魂を売らない政治家が1人でも生まれることを願いつつ今回のエッセイを終わりにしたいと思います。
今後も色々な政治、経済、国際情勢のエッセイを書いていきますのでどうぞご覧ください。
ありがとうございました。