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にゃんにゃんこ

「にゃんにゃんこ」



 にゃんにゃんことは、一体何なのか。この世界の根源的な疑問を掘り進めるべく、我々は専門家を招いてその存在について教えを乞うたのだ。




 専門家曰く、にゃんにゃんことは我々の身近に潜んでいるのだという。時に晴れた日の野山に、時に風吹きすさぶコンクリートジャングルに、時に大荒れな天候の海辺に。




 専門家曰く、にゃんにゃんことは猫とは別の種であるという。にゃんにゃんこは高貴なモノであり、人に物を乞うこともなく、かといってその辺に群生している植物や虫を食しているでもないという。人社会に現れることはごく稀であり、目撃情報も偽物でないかと噂されているものがほとんどだ。にゃんにゃんこの食事事情はにゃんにゃんこの中でも五本の指に入るトップシークレットであるため、専門家でもわからないという。




 専門家曰く、にゃんにゃんことは猫のような特徴を持つという。身軽で高い場所を好み、都庁の屋上に住み着いていた時期もあったとか。人が気がついた時には住処はもぬけの殻になっており、週刊誌やトランプが散乱していたという。終いにはブルジュ・ハリファにてそれらしき存在が目撃されたとの情報も。これに関しては世界的に信憑性が高く、数少ない貴重な資料として今なお議題にされている。




 専門家曰く、にゃんにゃんことは高い知能を持ち、争いを嫌うという。些細な言い争いから紛争までその規模に関わらず、争いの起こる場には決して姿を見せないという。中東諸国での情報が枯れているのがその証拠だとか。しかし、実際我々がにゃんにゃんこに遭遇できないのも、これが大きな原因かもしれない。この現代社会を生きていく上で、企業間の蹴落とし合いやストレスからの口喧嘩、泥酔の末殴り合いの大乱闘、思い当たる節は多々あり、そういった面を見直すところから始めるべきなのかもしれない。




 専門家曰く、にゃんにゃんことは自然と調和する存在であるという。森の木々に腰かけ、小鳥と交信を行い、その半径2キロ圏内に美しい歌声を響かせるという。これには現代の最新医療も真っ青なアロマセラピー効果が付随しており、聞き入っていると、気がつけばささいな体の不調から部位欠損まで何事も無かったかのように元通りにする効果が期待できるそうだ。私もいつかこの喘息を治してもらいたいものだ。




 専門家曰く、にゃんにゃんことはにゃんにゃんこであるという。それ以上でもそれ以下でもないということだ。




 専門家曰く、にゃんにゃんことは音の世界に住んでいるとも言われている。音楽を聴くことで心地よくなるということはつまり、音の世界にもにゃんにゃんこがいて、そこで我々の身体に作用する快楽物質を発していることで、音楽聴くことで心地よくなっているのだ。




 専門家曰く、にゃんにゃんこは[規制済み]






「にゃんにゃんこ」

にゃんにゃんこ

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