40:招待状
あれからしばらく経ち、野良ダンジョン騒動は大分落ち着いた。
違法ダンジョン問題については依然として解決していなかった。
「あなたたちに長からお礼があるのだけれど」
「お礼?何かしたっけ?」
「この前従魔のタマゴ譲ってくれたでしょ。そのお礼よ」
二人的には厄介事を押し付けたつもりだったが、向こうにとっては違ったらしい。
「あのタマゴってそんなに価値があるものなの?」
「それなりの価値はあると思うけど私たちの国にはとても価値のあるものだわ」
「精霊の国って結界に覆われていて安全ではあるのだけれど、戦闘面ではあまり強くないわ」
「私たちみたいに戦える精霊は少ないのよ。だから国の守護獣になりえるあのタマゴを贈ってくれた二人には感謝しているわ」
なんか大事になっていた。
「喜んでくれてなりよりだよ。何をくれるのかな?」
「精霊の国への招待状よ」
「これがあればあなたたちも精霊の国に来ることができるわ」
「なんか凄いアイテム来たんだけどつっちー」
「そんな重要なものくれていいの?」
「だってあなたたちが欲しいものなんてわからないし、コレなら文句ないでしょ」
「あなたたちから悪用しないから問題ないわ」
どうやら問題ないようだ。
「つっちー行く?」
「今は別にいいかな。その内機会があれば行くということで」
「そうだね」
「あなたたちならそういうと思ったわ」
「長には機会があれば来ると伝えるわ」
「よろしく頼むね」
相変わらずの二人だった。




