第九話 腕試し
先週は投稿できず申し訳ありません、この小説は休日を利用して書いているのですがちょうど夏風邪をひいてしまい投稿できませんでした、
後日俺はオーガを闘力だけの強化で倒すべく自宅のある森の奥地に来ている。
またあのような変異種が出てこないと思うのとどれほど強くなれたか試すいい機会だろう。
オーガやハイ種は魔力を多く必要であり、十分な量があれば食事を取らなくてもいいが当然魔力が十分にある場所は余程の理由がない限り強力な魔物が生息している。
森や魔力がある領域、生物は何もしなければ魔力は必ず中心に行くようになっている、これは魔力の性質で球体上になっており中心に行けば行くほど魔力が濃くなっていく。
なので人為的や魔族によること以外は出てくることは無い。
詳しいことはまだ分かっていないが魔力や闘力はエネルギーだということは分かっている、明確な意思に反応して火球や水弾に変化させているということが研究により分かっている。
一時期踏力とかを調べていたことがあるのでそこら辺の冒険者より詳しいとは自負しているが、今は関係ないか。
そんなこんなでオーガを見つける、今回はいつも使っている聖魔剣ではなく腰に差している鉄の剣を使う、聖魔剣がないと戦えなくなることは避けるようにしないとな。
作戦は決まってある、相手の攻撃を全力で避けてあの時のように再生することは無いため少しづつ傷をつけていくぐらいだ。
「グルヮアアァァァアァァァッ!!」
既に実力は凌駕しているため恐怖は感じない、感じるのはうるさいなという感情ぐらいだ。
そして体に闘力を流す、癖で魔力も流しそうになるが止める。
「行くぞ」
一言呟く、その瞬間を皮切りに集中力が増していく感覚を自覚する。
その凶悪な拳が振り下ろされるが寸前のところで避ける。
ちっ!体が思うように動かないっ!
ここまで俺の中では基本になっている力が大きかったなんて思いもよらなかった。
戦闘にはもしもの事があるがこの状態でこれだが魔力も流すとなれば余裕で勝てるだろう、事実オーガを狩っていた時はそうだった。
俺はこの状態を体に慣れさせるため回避を繰り返す、それをオーガはただ咆哮を上げながら手を振り下ろすばかりだ。
なので意外と落ち着いて対処をすれば攻撃をする隙は見つけられる、だが体が追いついていないので避けるので手一杯な状況だ。
これで安全に倒せれるようになれば次は素の身体能力で挑戦してもいいかもしれない。
少し別のことを考えられる余裕は出てきたがもう少しこの状態になれてから反撃しないと危険だ、相手の攻撃は完全に見切れているが油断してはならない。
予想外のところから攻撃が飛んでくるのを常に想定しないとダメだ、俺は弱者だからな。
少し危ない場面もあったが特に危なげなくようやく体が慣れてきたのでそろそろ反撃をするか。
オーガが大ぶりの攻撃をした瞬間に一気に詰め寄り腹を斬りつける。
オーガは突然の反撃に驚き咆哮を咄嗟にあげて固まってしまう。
「ガアァァァァァッッ!!?」
一、二歩ゆっくり下がろうとするが俺はそれを許さず腰からもう一本の剣を一瞬で取り出し腹に突きつける。
その瞬間叫び声が一瞬止まり、今度は痛みに耐えるような叫びもまじわせながら腕を振り回す。
「ちっ!」
このまま動かないでくれたら楽に倒せれたのだがな…!
しかしよく観察をしてみればその目は俺を捉えておらずめちゃくちゃに振り回しているだけだ。
残った鉄の剣を両手で握りしめ素早くオーガの視界から消えて後ろに回り込む。
意外に呆気なかったな…
そう思いながら心臓付近に剣を突き刺し、離れて動かなくなるまで待つ。
オーガはそのあと無事に死亡したのを見届け剣と魔核を回収したら住処に帰ることにする、この分なら住処で【魔闘】の練習をしていた方が強くなれるな…
まぁ二日に一回ぐらいはやるとするか、いつかは素の身体能力だけでやってもいいかもしれない。
それにしても身体能力と闘力も魔力も上がり、強化率も覚醒前と比べると全て合わせて六倍も違う、まだ満足は全然出来ないが本当に強くなったと実感できる。
そうだな…【魔闘】がほとんど消費無く使えるようになれば魔大陸に行くことにしよう、そこでどうにかしてエイレーンに会えればいいんだかな。
そんなことを考えながら自宅に戻り飯を食ったあと【魔闘】の訓練を始める。
クロトの魔力と闘力と身体能力の全力で訓練した場合分かりやすく言えば元々の数値の一割ずつ増えてます、もともと一なので十日で一増えます。
覚醒した日から66日経ちましたので今は一般人の6.6倍です