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平凡だった男が英雄になるまで  作者: わはーる帝国の皇帝
第一章 生ぬるくとも強くなる
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第五話 武器の受け取り

「ハァッ!!」


オーガの首を刎ね、その体には既に無数の傷が入っている。


大して俺はもう既にオーガとの戦闘は慣れたもので一度も攻撃を受けていない。


「これで十四体目か…」


あれから二週間、一日一体倒している。

模擬戦の方は一体一ならばギリギリCランクにも勝てるようになり、今は一対二でやってもらっている。


当然相手の方が手数は多くなるので倒せるようになるにはしばらく後になりそうだ。


「そろそろ街に向かうか」


二週間ほどが経ったので剣が出来ているはずだ、今日はもう遅いから明日取りに行こう。


現在は夕方でもうすぐしたら日が暮れる、軽く三百回ほど素振りをしたらご飯にするか。


そして俺はオーガの魔核と腕の骨を持って家路に着く。





翌日、全部は持てれないため三本の骨とオーガの魔核を持ってギルドを訪れて、今は会計待ちだ。


「お待たせしました、合計で半金貨一枚と銀貨五枚です」


これだけで十五万か…旅に出かける前には全て売るようにするか。


「分かった」

半金貨と銀貨を貰い受け、このお金を何に使うかを考えながら歩く。


十万はカツジンに渡すとして残りは飯代は抜きにしてあとは貯めておくとするか。


ちょうど屋台が見えたのでご飯を買って食べたあと二時ぐらいになったのでそろそろいいかと思い、カツジンのところに向かう。





中に入れば珍しくカツジンはカウンターに居て少し驚いたがなんでもないふうに話しかける。


「カツジン、剣は出来たか?」


「おう出来てるぞ、お前にぴったりの剣だ」


カウンターの下から取り出したのは波のように赤い線が三本走り、浅黒い灰色の剣でいつも使っている剣と形だけは同じだ。


「手に持っても?」


「いいぞ」


剣は驚くほど手に馴染み、刀身をよく見なくとも鋭い切れ味があることを手に取るようにわかる。


「驚くのはまだ早い、着いてこい」


試し斬りをさせるのだろう、実際俺もなにか斬ってみたくてうずうずしている。


カツジンは丸太を持ってきて当たり前のように言う。

「魔力だけ流してみろ、それで斬れる」


「本当か?」

半信半疑ながらも魔力を流す、魔力が通りにくいだろうなと予想するがそれは裏切られる。

「なっ…!?」


そう、体内で操るレベルですんなりと入り、通常魔力では身体強化率は低いが闘力並に強化されている。


「これは…?」


「魔力での身体強化率があがるのが不思議だろう?それはな、少なからず聖獣の聖力に反応して強化率が上がってんだよ」


「それだったらなぜ体が痛くならない?」

カツジンは待ってましたとばかりにニヤリと笑う。

「聖獣の聖力がほぼ封印されているからだ、お前の場合(ちから)の操作が完璧だからだと思うが最高の強化率だがこの剣の状態では聖獣の力は一割も出ていない」


「この封印は魔物の血に反応して解けていくようになっていく、これで分かるな?」


要するに俺の成長に合わしてこの剣の力が解放されていくのか。


「それだけでは無い、この剣に使った聖獣の聖核、骨はグロウンと呼ばれる弱者から強者に至った聖獣だ」


それほどまでに高価な物を…せいぜい自然死した半獣の聖獣だと思っていたが…


そう呆気に取られていると次の説明を始める。

「今解放されている効果は身体強化と魔力と闘力を同時に流した時に使える空撃だ、サブとして剣の自動修復がついている」


「まぁとりあえず丸太を斬ってみろ」


俺はとりあえず言われた通りに剣を振るう、剣はだいぶ抵抗があるが力を入れれば斬れないほどでは無い程度の抵抗で斬れてしまう。


「どうだ?最高の剣だろう?」


「あぁ確かに最高だ、だがまだ俺にはもったいない」

そう言って剣をカツジンの方に押し出す。

心中にはこの剣を扱いきれるかの不安がある。


「…お前ならそう言うと思ったぜ、だがな、この作品は今まで作ってきた中で最高傑作だ、それを一時的にでも預かれと言われても了承できねぇな」


ほんの少しの怒気が感じられる。

しばらく見つめ合い俺が折れる。


「…分かった、ありがたくこの剣は貰おう、しかし普段は使わないようにするがいいか?」


「構わねぇよ、さて剣の説明の続きをするぞ」


「俺はお前ほど魔力と闘力の扱いが上手くないから出来ないが真ん中の線があるだろう?そこに混ぜてある魔力と闘力を流せばどうなるかは分からないがすごいことが起きるだろうな」


「何があるかが分からないのか?」


「あぁそうだ、先程俺が言ったのは横の線2本に魔力、闘力をそれぞれ流して出来たことだ」


「真ん中の線は【魔闘】を流しても大丈夫なように鍛えた、これが一番難しかったな」


「…カツジン、最大限の礼を言おう、これ程の物を作って貰い本当にありがとう」

真っ直ぐと射抜くようにカツジンを見る。


「…ふんっ、気にするな、言っておくが俺はあの金額以上は受け取らないからな」


「ははっ、バレていたか」

俺は自然と苦笑する。


「お前の事は応援している、何年後に向かう気だ?」


「どんなに早くとも一年後に行く事にしている、それぐらいあれば少なからず魔大陸でも通用するようになるといいが」


「お前ならできるだろうな」

カツジンはどこか遠くを見ながら言う。


その後は二、三言話して店を出る、俺はもう一度礼をしてから住処へと戻る。


「絶対に強くならねばな」

強くなる理由が増えたな。


そんなふうに感じながら明日剣を試す計画を立てる。


星5の評価をありがとうございます、これからも精進いたしますのでよろしくお願いいたします

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