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平凡だった男が英雄になるまで  作者: わはーる帝国の皇帝
第一章 生ぬるくとも強くなる
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第二話 一歩目

あの日から一週間がたちいくら足掻いても感じられなかった確実な成長を感じている。


産まれた時から決まる闘力と魔力、それをすべてなくなるまで使えば体感的に元々の十分の一ずつ増えているのだ、無論なぜここまで正確に把握できているのは限界まで強くなるために闘力操作や魔力操作を極限まで極めたからだ、これに関しては才能ある者にも勝っているという自信がある。


もちろん何の代償もなしに出来るわけではなく闘力は一定以上消費すると強烈な眠気が襲ってくる、なので消費するときは安全な場所で一気に出して消費することにしている。


魔力に関しては全て消費しても特に何もないが人によっては激しい頭痛がするそうだ。


身体能力は今まで通り訓練をしていれば前は成長を感じられなかったが少しずつ強くなっているので焦る必要はない、確実に強くなっていくのだから少なくともあと一年以内にエイレーネのところに向かうとしよう。


それぐらいであれば魔大陸でも通用できる強さを絶対に手に入れる、絶対にだ。


もちろん焦る気持ちはあるが今無茶しても意味はないひたすら訓練を繰り返し、勝てる魔物に挑むしか今はない。


その為には上位の魔物と戦わないといけない、訓練代わりにコボルトやオークを倒しているが手ごたえを感じられなくなってきているからな。


今の俺の実力を簡単に説明するならばオークの集団十匹そうとうだ、オーク十匹でオーガ一体と言われていおりオークの方に頭のいい個体が居れば何とかオーガを狩れるようになる。


オークの力はすごく、その一撃はオーガにも迫るほどで俺に足りなかったのは一撃の火力のみ、それがつい先日新たな技を使えるようになりまだ拙いが瞬間火力は折り紙付きだ。


さて、確かこの森の奥に行けばオーガがいるはずだ、気を引き締めて行こう。


「ブヒィィィ!!!」


剣を拭いて欠けてないか確認をした後鞘に戻す。

俺はたった今切り捨てたオークに対しての興味は完全に失っていた、もはや雑魚と行かないまでもそこまで脅威には感じていない。







...見つけた、正々堂々とオーガの目の前に現れる。

どうして奇襲をしたりしないかというと万全の状態のオーガと戦いたいのだ、じゃなちゃ自身の成長に繋がりにくい。


もちろん奇襲すればそういう技術が上がるが今の俺には必要ない、今一番重要なのは単純な力だ。


オーガはノコノコと目の前に出てきた俺を一瞬惚けた顔をしたが嘲笑うかなのようにその顔が歪む。


「…始めるぞ」

意味を理解できてるとは思えないが言葉を投げかける。


オーガはゆっくりと油断しきった様子で巨体からなるその拳を振り下ろす。


しかし油断していてもその速度は凄まじく早く、当たればどんな手を使っていても死にいたらしめられそうな圧力がある。


オーガはまだ全力を出していないのが見え透いているがまだこの速度なら対応出来る。


俺はあえてオーガの懐に飛び込み見失った隙に腹に全力の攻撃を与え、股下から後ろに回りこんで背中に突き刺す。


「ウグァアァァァァッッ!!!」


突然の痛みに咆哮を上げて後ろ振り向きざまに拳を振り下ろす。


その攻撃は本気でやったのか軽いクレーターができて軽く離れていたはずなのに後ろに少し下がらされ、その攻撃に冷や汗が流れてしまう。


当たったら一撃で死ぬな...


こちらを見たオーガの腹の傷は治ってきており致命傷の攻撃でもない限り容易に回復されるのが想像出来て、ある考えが浮かぶ。


「ちっ…特殊個体か…」


悪態をつくが口元は自然と笑みを作っている。

理由は単純、これ程までにちょうどいい敵が他に居ないからだ。


無論他の特殊個体ならばより厳しくなり逃げていただろう、しかしこのオーガはトロールの特徴の再生能力を持っているため他の能力を持っている可能性は低い、まぁ魔大陸だと話は別だが。


これだけを見ればかなり厳しく思えてくるが相性は悪くない。


俺は度重なる今までの訓練で超人的な集中力を可能でそれは疲労と痛みすらも忘れるほどの集中を実現してしまう。


ただそこまで行くのにはさすがに時間がかかるが問題ない、このオーガに勝つ可能性は決して低くない、ここぞと言う時に切り札を使い、首が心臓を切ればいい、それまでに決定的な隙を作らればならないだけだ。


俺は新たに残り二本となった剣を一本構える。


ちなみに腰に二本、背中に一本の剣を持っている、理由は刃こぼれや血で上手く切れなくなった時のために変えるようだ。


背中に刺した剣は背骨を狙ってやったのでオーガは立つのがやっとの状態だが当たりどころが悪かったのか上半身は普通に動くようでめちゃくちゃに腕を振り回しており、治るのも時間の問題だが容易には近づけない、しかし時間が経てば俺の方が不利になるので急がねばならない。


周りはものの数秒で地面は穴ぼこだらけになり攻めあぐねている。


しかし隙は必ずあるもので背中の剣を取る事を思いついたのか片方の腕を後ろに回した瞬間に反射的にオーガに向かう。


オーガのやたら滅多な攻撃は闘力を武器と全身に行き渡らせることで身体能力と武器の強度を上げて何とか受け流して左腕の脇あたりに剣を突き刺す。


チッ…何度も受け流せれないな…


そう思いながらも強い抵抗を感じたが闘力の出力を瞬間的に上げて一気に突き刺す

「ラァッ!!」


これでオーガは片腕が使えなくなった代わりに刺さってある背中の剣を抜き取られてしまった。


俺は挑発的な笑みを浮かべて今のうちに畳み込む。


すぐさま再生されようが関係ない、俺はあらゆる場所に剣を振るう、胴体、太もも、右腕を中心的に切り裂く。


当然オーガは片腕を振り回して抵抗するがことごとく俺は予知していたかのようにギリギリのところで避けれる。


決して腕を見てから動いている訳ではなく全身の体の動きを見て次はどう動くのかを予想、または予知して先に動いているだけだ、だが並みの技量、集中力では決して不可能なまさに達人技だ。


更に俺は集中していく、無駄な考えが消え、視界の色が消え、無駄な動きが消えていく。


…そろそろだな。


「ガァアアァァァァッッ!!」


オーガは隙を着いたつもりで足を降るうがそれすらも避けれる。


一瞬オーガの動きが止まり決定的な隙が生まれる。


今だッ!


「ウォオオォォォッッ!!」


俺は雄叫びを上げて切り札を切る。

彼の体からは陽炎のように灰色の光の粒が溢れたかと思うと、オーガは彼を見失って


「終わりだ」


その言葉を理解した訳では無いがオーガは死を認識し、視界が暗闇に落ちる。


まだ余裕はあるな...


そんな考えがよぎってオーガが倒れるのを確認して俺は大の字に寝転がる。

「ハァ、ハァッ」


苦しい、呼吸をするどに筋肉が悲鳴をあげるが俺はそれを耐えてオーガの解体を始める。


動けるということは問題ないということだ、だからこの痛みは今は目を瞑ろう。


そう言い聞かせて少しぎこちない動きでオーガから必要な部位を取って素早くこの場を離れる。



オーガを仕留めたあの技を俺は【魔闘】と呼んでいる。


その名からわかる通り魔力と闘力を混ぜて使う事で闘力で身体強化するより今のところよくわからないが凄まじい効果のある技のことだ。


これは覚醒する前にはやってみたが身体能力が微妙に足りずただ体を壊すだけの技だったが何とか使えるように努力するが筋肉が断裂して何しても歩くことする出来なくなるほどの損傷を受ける。


この技で強くなる可能性があるのに流石にこの時は結構精神的に来たが耐えて今があるのだ、あの時あきらめずにいてよかったと心底思っている。



俺は拠点にしている洞窟の中に入り、オーガの魔石と腕の骨一本を置いてそのまま床に就く。


今日の事を振り返りまだまだ上を目指さないといけない、なぜならオークの上位種にさえ勝てないからだ。


エイレーネがいるところは基本的に上位種が蔓延っており並大抵の実力では一切歯が立たない、俺はまだまだ弱い。


それにオーガとの戦闘はまだ余力があった、次はもっと強い相手と戦ってもいいかもしれない。


あぁ、そうだ次は魔獣型と戦うか、最近はそういうのは相手していないからな。


そこで思考は途切れ、俺は眠りにつく。

高評価よろしくお願いいたします

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