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平凡だった男が英雄になるまで  作者: わはーる帝国の皇帝
第一章 生ぬるくとも強くなる
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第十五話 魔大陸に出航

206日目。


「着いたぞ、ここがスダードの港だ」


ギルド長が俺を起こしてくれる、どうやらあの長い検問を抜けたようだ。


「食料を買ったらギルドに行くのでいいんだな?」

念の為ギルド長が確認をしてくれる。


「あぁ、構わない」


寝てて固まった体をほぐす、周りを見てみれば慌ただしく動いて魔大陸行きの船に載せる積荷を運んだり、それに乗る乗客に向けて食料を売っている。


「普通に俺より魔力と闘力が多いやつがわんさか居るな」

一般人みたいなやつでも20はありそうだ。


「当たり前だ、魔大陸の影響でここら一帯の魔物は強力だから必然的に冒険者レベルの者しか暮らせない危険な場所だ」


「そうか…」


つまり魔大陸はより強力な魔物しかいないということになる、なんとかなるだろうか?


「不安そうだな、私に勝ったんだ、臆することは無い」


「そう…だな、その通りだ」

たとえ手加減されていたとしても勝ちは勝ちだ、心配することは無い。


今の段階では通用するのはソルジャーオーガとかハイマジックオーガとかだろうな。


十分食料を買ったあと魔大陸に向かう船の乗船登録の手続きをしに行く。


「おそらく模擬戦をすることになるからそのつもりでな」


「分かっているさ、基準値に達していないからな」


ギルドに着く、俺がいた街より立派な建物だ。

俺を先頭に中に入る、一瞬視線が集まったがすぐ外される。

その後ギルド長が入ってきた時ギルドがざわつく。


「おい…あれって『地風の賢者』じゃないか?」


「おいおいマジかよ…また魔大陸に行くのか…?」


「だがギルド長になったって聞いだぞ…?」


そして俺は真っ直ぐと受付に行く、自然と横にギルド長が来る。


「魔大陸に行きたいんだが」


「分かりました、こちらの水晶をお触りください」

魔力と闘力を測るものだろうか?とりあえず言われた通りに触る。


「…?もう一度お触り下さい」

水晶の中を漂うようにエラーと出る。

「あぁ、すまん」


そう言い【魔闘】を解除して触る。

最近では当たり前のように常に【魔闘】の状態だった為忘れていた。


「21…?すみません、最低でも50はないと行けれません」


そこへギルド長が推薦状を出す。


「これは…すぐさまギルド長を呼んできます!!」


バタバタと奥に引っ込む、その表情は慌てている。

十分後、屈強で野獣のようだが戦乙女のような美しい女を連れて戻ってくる。

「お待たせしました、別室にて続きをお聞きします」


受付の横にある階段を上り、二階に上がる。

「どういうことだ?セージ」

そうギロリとセージを睨む戦乙女のような美しい女。

「紙に書いている通りだ、こいつを魔大陸に行かせてくれ」


「あそこにいくら雑魚を送っても無駄だ、死ににいかせる訳には行かない」

どうやらこの女の人がギルド長らしい。

「…理由は言えないのか?」


「…絶対に聞かれない保証があるならば」


「…分かった、お前は仕事に戻れ」

受付嬢は「は、はい」と返事をしてパタパタと一階に戻る。


そして部屋に入ったセージは元々防音の魔術が掛かっているのをさらに5分かけて風魔法の応用で防音魔法をかける。


…ここまですることなのか?俺の力は?


思えばこの四ヶ月間訓練をする時は誰もいない場所でやっていたな、詳しくは説明されていないが俺の力は貴重だから隠してくれているのかもしれない。


まぁさすがに俺の他にも【魔闘】を使えるやつはいるだろう、俺みたいなやつはいるに決まっている。


セージがソファに座り、一息ついたあとギルド長が話しかける。

「それでセージ、こいつはどんな秘密があるんだ?」


「一言で言えばこいつは【御業】の元となる力を使える、そしてこいつは【成長の御業】を授かった」


ギルド長は失笑する、そんなことはありえないと。

「有り得るわけないだろう?それを授かった者が現れたのは千年以上前だ」

は?どういうことだ?

「クロト、なにか見せてやれ」


「あ、あぁ」


とりあえず出された紅茶を飲み干しそのカップを【変形】させ、【破壊】で壊したあと【再生】で元の形に戻す。


「なっ…いや、まさか…」

ギルド長は相当驚いた顔をしている、ありえないものを見たような顔だ。

黙ること5分、口を開く。

「…教会には?」


「教えるわけないだろう、こいつの目的は魔大陸にあるからな」


「…それは?」


「『勇者』と共に戦うことだ」

ギルド長は少し目を瞑り、俺に話しかける。

「…覚悟は?」


「ある」


「どれほど過酷でも?」


「彼女の隣に入れるならば」


「雑兵として死ぬとしても?」


「彼女と暮らせるならば」

俺は一切の澱みなく答え、ギルド長を真っ直ぐ見つめる。


「分かったわ、少しセージと話しをさせてちょうだい」


扉をの前で待っててくれと言われ素直に扉の前で待つ。













あれは漢の顔だった、あれほどの覚悟を出来るものは私の知る限り他に居ない。


それに…『嘘や不安』など微塵もなかった。

「…彼はいつから【成長の御業】を?」


「206日前からだ、説明してもらったが元々の1割づつ増えると言っていた」


「そう…なのね…彼はヘルロードことは知っているの?」

つい昔の口調に戻ってしまう、昔の仲間の前だからか。


「当たり前だが知らない、最低でも子爵以上でなければ知らない事だ」


そう千年前の事は一般には数十人の『勇者』が力を合わせて【魔王】を倒したとされているが、実際の名前は不明だがヘルロードと呼ばれる者がたった一人で倒したと明確に明記されている。


「となれば自力で至ったということか…」


ありえない話ではないがこの千年間現れていないことが証明するように本当の弱者がそこまでの感情を抱いた者がいたかもしれないが誰しも途中で諦めたということだ。


「彼…クロトが魔大陸に到着したあとはどうする?」

彼女が言っているのは教会に報告するかどうかということだろうな。

「何もしない、あとは魔大陸の方に任せるつもりだ」

魔大陸の方は半独立状態みたいなものだ、渡航するのに一ヶ月もかかるので仕方のないことだが。

「分かったわ、呼び戻しましょうか」









「あなたが魔大陸に渡ることを許可するわ」


俺はその言葉をかみ締め、やっと1歩進んだことを実感した。

「それであなたが会いたい『勇者』って誰なの?ある程度魔大陸に近づけば手紙を送れるのだけど」


ようするにある程度進めば船から手紙を送れるということか。


「エイレーンだ」


そう言った瞬間ギルド長は少し複雑な表情をする。


「それで間違いないのね?…彼女について少し噂がここまで聞こえてきてね、聞くかしら?」

ここまで噂が広がるということは相当なことだろう。


「?もちろんだ」


「…彼女は一切人と関わらないで街中を歩いていれば突然大声を出すみたいなのよ、しかもこと戦闘になれば確実に敵を殺すその姿から『狂気の必滅者』と呼ばれているわ」


…俺は強くなるという目標があったからまだ大丈夫だったがエイレーンはほぼ確実にもう会えないと思って魔大陸にいるのだ、俺でもそうなってしまう可能性が高い。


「そう…か…手紙はいつまで出せばいいんだ?」


「手紙は届ける3日前までに出せばいいわ」


「分かった」


「あぁ、それと明日出航だからよろしくね」


どうやらセージはこの後は急いで帰るみたいで話が終わったと同時に席を立ち、二、三言別れの挨拶をして予約してくれていた宿で手紙に何を書くかいっぱいになり、気づいたら船に乗っていた。


船の乗務員に聞けばどうやらまだ二十日ほど時間があるようだ、じっくり考えよう。


ソルジャー、ジェネラル、キング系統の魔物について。


基本的にはソルジャーになる魔物はゴブリン、コボルト、オーク、稀にオーガです。

魔物は一定期間魔素(空気中にある魔力)を取り込む、または敵を倒してその魔力の一割を吸収して進化します。


例えばただのゴブリンはハイゴブリン、その上はソルジャーゴブリン、その次はジェネラルゴブリンと続きます。


キング以上は群れが500匹以上でその中でもっとも強い者がキングになります。

キングより上の進化先は考えていることは考えているのですがまだ名前しか決まっていません、まだまだ出て来る予定はないのでゆっくり考えていきます

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