復活!そして─
エリザは何か打開策がないか考えたが、意外な所で事態が動いた。
「えっ?」
ドーーーーーーン!!!!
後ろから魔法が飛んできてアンジェを跡形もなく吹き飛ばした。
「エリザさん!お待たせしました!」
そこには治療を終えて、手の空いたシオンが攻撃に廻ったのだ。
「ちっ、もう治療を終えたのですか」
ここにきて初めてユーリが顔をしかめた。
その顔を見てシオンは確信した。
「流石に、跡形もなく消滅させるとどうしようも無さそうね?」
シオンはカストルに手を伸ばし、後ろから治癒魔法を使い傷を治した。
「感謝する。シオン!」
目に見えて動きの良くなったカストルは、即座にブレイブを細切れにして、魔法使い君も叩き潰した。その後、強力な電撃魔法により石炭も残さぬぐらいに彼らを灰にした。
「傷さえなければこんな奴ら敵じゃない。ユーリ、いやダンジョンコアよ!消えるがいい!」
カストルはユーリの心臓に剣を突き立てた。
「カストルよ。そいつは依りしろに過ぎん!ダンジョンコアはこの奥の部屋に設置されているはずだ!」
地面に倒れたユーリを他の者と同じく跡の残らないように消滅させて、先を急いだ。
「親父、大丈夫なのか?」
「すまない、完全に油断した。シオンのおかげで助かったよ。ありがとうな」
「お父様、流れた血は戻っておりません。余り無理なさらないで下さい」
シオン達は駆け足で、奥へと向かって行った。
「そうだ、エリザ姫さっきは助かったよ。ありがとう!」
「えっ!?いや、当然の事をしたまでだよ」
赤くなりながら答えるエリザに、シオンだけはニマニマしながら後に続いた。
「ライガさんも護衛ありがとうございました」
「いや、ワシが1番足手まといになってスマンな」
「そんな事がありません。ライガさんが守ってくれたので集中できたんです!」
「ああ、本当に感謝するよ」
ライガは居心地が悪くて視線を逸らした。
しばらく、うねってはいたが一直線の通路を駆け抜け、遂にダンジョンコアの部屋にたどり着いた。
部屋に入ると中央に真っ赤な石が……いや、ダイヤモンドの形をしたクリスタルに似た石が鎮座していた。
「アレがダンジョンコアね」
「ああ、すぐに壊すぞ!」
シオン達が行動に移そうとしたとき、部屋に声が響いた。
『流石にそれは看破できない。すでにスタンピードにより多くの人間の血が流れ、私は力を得た。これより、私の真の力を持って貴様を殺してやる!』
ダンジョンコアにガラスの入れ物が被さり、急に天井が開いた。
「逃げるのか!」
『ここでは狭いので外にでるだけですよ』
ダンジョンコアは外に出ると、自分を『コア』として、巨大なゴーレムへと姿を変えていった。
「すぐに外にでるぞ!」
「私に任せて下さい!」
シオンは風の魔法を使い、全員を浮かび上がらせて天井から外にへと脱出したのだった。
外に出たシオン達は驚いた。
ダンジョンコアのゴーレムの大きさに。
「なんてでかさだ………」
小さな山ぐらいの大きさにライガとエリザは呆然とした。すぐに、ダンジョンの入口にいたお母様と騎士団に合流した。
「お母様!」
「シオン!それに皆も無事ね?」
お母様はあのゴーレムが形成されると同時に、周囲の魔物討伐をおこなっていた騎士団を呼び戻すよう指示を出していた。
「あのゴーレムがダンジョンコアなのね~。まだ形成には少し時間が掛かりそうみたいだから、このまま騎士団には撤退命令を出しましょう」
「そうですね。アレには少数精鋭で当たりましょう」
お母様はお父様の防具が壊れている事に気付いた。
「貴方、それはどうしたの?」
「うぬ………」
お父様は言いにくそうに、死にかけた事を話した。
ああ………これで私達の仕事は終わったようです。




