ついにダンジョンです!
数日後、カウスとライガ国王が交易都市イーグルにやってきた。
「イーグルの民よ!よくぞ生き残ってくれた!王都にも魔物の軍勢が攻めてきて援軍を送れなかったのだ。本当にすまなかった!」
ライガは国王という立場でありながら集まった民の前で深く頭を下げた。
「そして、一騎当千の実力のあるユグドラの英雄一家と、同盟国であるローズガーデンの兵士達に最大限の感謝を捧げる!」
ライガ国王が連れてきた精鋭100人が一斉に剣を構えて天に掲げた。
「本当にありがとう!そして、ここにいる全ての民に告げる!我々は明日、スタンピード(魔物の氾濫)を起こしたダンジョンへ向かい、ダンジョンコアを破壊してこの災害を止める!皆にはもう暫く耐えて欲しい!」
民のざわめきは大きくなったが、ライガ国王は主要なメンバーを呼び、領主の館にて作戦会議を開いた。
「まさかローズガーデンの姫君が来てくれるとは思っていなかったぞ?」
「ご無沙汰しております。我が国ローズガーデンも先日、帝国の侵攻からカウス殿に助けられたのです。その恩に報いるために私が来ました」
ライガ国王とエリザ姫は硬く握手を交わし、本題へと入った。
「時間が経てばこちらの物資の問題などより不利になる。まだ兵力がある内にダンジョンを止めようと思うのだが、よろしいか?」
ローズガーデンの兵士にも危険が増えるので確認を取った。
「ライガ国王が来られるまで、すでに作戦を考えておりました。カウス殿なら戻りしだいすぐにダンジョンへ向かうだろうとね」
エリザはカストルを見て言った。
「すでに大まかな作戦はできております。この周囲の魔物の掃討は済んでいるので、最低限の兵士を置いて、全軍でダンジョンへ向かいます」
「全軍だと?それは危険ではないかな?こちらは少数精鋭でダンジョンへ潜る予定だったのだが?」
カストルは一息置いて伝えた。
「無論、ダンジョンには少数精鋭で入ります。しかし、ダンジョンの周辺にはまだまだ多くの魔物が徘徊しており、精鋭部隊がダンジョンへ潜っても別の通路から魔物が出てくることがあります。退路を確保する意味でも、多くの兵士でダンジョン周辺の魔物の殲滅と、入口の封鎖をして欲しいのです」
カストルの説明にライガ国王は納得し、その作戦で行こうということになった。次の日になり、シオン達は先行して、進軍経路の露払いをした。
「ふぅ~、やっぱり魔物が多いね」
「そうだな。街道ならともかく、森の中だと魔物の奇襲を許してしまうから出来る限り倒しておこう」
ちなみに、お母様の魔術は威力がありすぎるため出番はなかった。
「昼までにはダンジョンの入口までいくぞ!」
「「「了解です!!!!」」」
カウス達の進軍は続いた。
後続が道に迷わないよう、森の木を斬り倒しながら進み、そしてついにダンジョンの入口へたどり着いたのだった。
「後軍が到着次第、ここに『陣』を築く!我々はこの周辺の魔物を少しでも減らしておくぞ!」
カウスの言葉に、グリーンウッド家の行動は早かった。スピカは前にここにあったであろう、騎士の駐屯地に再度、防壁を魔法で築いた。
魔物のせいでボロボロになっていた建物も補強してエリザとライガ国王達を待った。
「相変わらずデタラメな一家だな………」
1時間ほど遅れて到着したエリザ達は、すでに『陣』として機能するほど、防壁など出来上がっているのをみて呟いた。
「ユグドラの国王は今まで、これほどの逸材を隠していたのか………」
5千の兵士が滞在できるほどの巨大な陣………いや、駐屯基地がダンジョンの入口前に出来上がっていた。
「ようやく着いたわね。露払いは済んでいるわ。少し休憩したらダンジョンに少数精鋭で潜ります」
スピカは凛とした声で言った。
後続で着いた軍は物資を運び、駐屯地の防備と軍を小隊に分けてダンジョン周辺の魔物を討伐と巡回に当てた。
「ある程度は倒しておいたが、ダンジョンに異変があれば、周辺の魔物が集まってくるだろう。気を付けてくれ」
カストルは兵士達に引き継ぎすると、ダンジョンの前に集まったのだった。




