ダンジョンを叩こう!
カウスはジャガー王国の王城へ招かねていた。
「緊急時ゆえ、たいした持て成しができず申し訳ない」
現在カウス達は謁見の間ではなく、小さな小部屋にいた。ここには宰相と国王のみで、他の兵士は部屋の外で待機していた。
「さて、もったいぶるのはガラじゃないのでな。………何処まで知っている?」
どうやらここは防音で、聞かれたくない話をする場所らしい。
「イーグルの領主から全てを聞いている。未発見のダンジョンを秘密裏に運営し、そしてスタンピード(魔物の氾濫)が起きたとな」
「そうか…………」
ライガ国王は目を瞑りしばらく考えた。
「………この事態を引き起こしたのは俺の責任だ。必ず責任を取ろう。カウス殿、ただこの事実をスタンピードが終結するまで黙っていて欲しい!」
ライガ国王は勢いよく頭を下げた。
「なるほど、確かに今事実を公開すれば国が割れ、一致団結して魔物に立ち向かうのが難しいですからね」
「別に私達はただの新婚旅行に立ち寄っただけでこの国の統治には興味ないからな?ただ、ローズガーデンの国王には苦言を言っておくか。あの狸じじぃ、絶対に俺達にこの国の問題を解決させるためにこの国を勧めただろう?」
カウスの考えは当たっていた。
「まぁ、これくらいは問題ないのですけどね」
ライガは微妙な顔でカウスを見るのだった。
「さて、この国の秘密は私達の口から口外はしないと約束しよう。ここでの仕事も終わったし、またイーグルに戻るよ」
「なに?もう戻るのか?イーグルにはローズガーデンから援軍がやってきているんだろう?」
ライガ国王と宰相はカウスの言葉に驚いた。
「ええ、イーグルには念のため子供達も置いてきましたが、スタンピードを起こしたダンジョンを静めなければならないので」
!?
「ダンジョンに潜ろうというのか!?」
スタンピードを起こしたダンジョンは凶悪であり、危険度が爆発的に上がっているからだ。
「ええ、ダンジョンに潜りダンジョンコアを叩かないとスタンピードはまだまだ終わりませんからね」
「しかし、危険だぞ?」
「この程度の軍勢ならダンジョンのボスの強さも予想がつきます。私達なら余裕ですわ♪」
にこやかに話すスピカを余所にライガ国王は覚悟を決めた。
「カウス殿!どうか俺もダンジョンに連れて行って欲しい!足手まといにはならん!頼む!」
「別に良いぞ?一緒にダンジョンを止めよう!」
カウスとライガ国王は硬く握手を交わした。
一泊し、ライガ国王は精鋭100名を連れてイーグルへと向かった。騎兵で構成された精鋭達は僅か3日で王都からイーグルへとたどり着いた。
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少し時間は遡る。
「見えてきたぞ!イーグルだ!」
エリザ達がイーグルにたどり着いたとき、丁度、魔物の襲来の第3波がきていた。
!?
「騎兵はこのまま南の魔物へ突っ込むぞ!歩兵はそのまま前進し、混乱している魔物達を迎撃せよ!」
エリザを筆頭に魔物の群れに向かっていくと、丁度イーグルからも飛び出してきた者がいた。
「久し振りだな!エリザ姫!まさかこんなに早く再会するとは思わなかったぞ!?」
「カストル殿!私もだ!隣を一緒にしても?」
「無論だ!魔物達を蹴散らすぞ!」
「はいっ!」
二人を先頭に、魔物達をどんどん屠っていき、打ち漏らした魔物は後続の歩兵達がしっかりと倒していった。
千匹はいた魔物達は僅か一時間ほどで殲滅された。
「ローズガーデンの皆様、この度の援軍ありがとうございます!」
領主のパンさんが頭を下げた。エリザ姫はシオンと同じくプルプルと、自分を抑制していた。
『なにあれ!?もふもふしたーーーい!!!』
万物共通の可愛いは正義であった。
「わ、私達は英雄殿の恩を返しにきただけだ。この援軍に対しての対価は国王に交渉するので安心せよ」
こうして、ローズガーデンの援軍を招いたイーグルはカウス達がくるまで、魔物の侵攻をしっかりと防ぐのだった。




