ダンジョン攻略の前に。
カウスの言葉にパンさんは驚いた!
「ダンジョンを止めるおつもりですか!?」
「そうしないと国が滅びるぞ?それに我々ならこの程度のレベルの魔物の群れなど簡単に突破できる」
!?
「た、確かに城壁から見たあなた方の力なら十分に突破できるかも知れません!?」
パンさんは手を顎に当てて考え込み、頭を下げた。
「恥を忍んで頼みます!どうか国を救って下さい!」
「ああ、事情の知らない民に罪はないからな。1日ここで休ませてもらい、明日の朝出発するよ。いいかな?みんな」
カウスは妻や子供達を見渡して言った。
「うん、私は賛成だよ!ほっとけないからね」
「自分も賛成です。ただ、別の街も魔物に襲われているので、そちらを先に助けに行った方が良いかも知れません」
「あら?ダンジョンを止めれば魔物は統率を失うでしょう?」
「ええ、しかし消える訳ではありません。ある程度数を減らしておかないと、別の場所を襲うでしょう」
カストルの言葉にジャガー王国全体が魔物が多く徘徊する国になるとマズイと思った。
「そうだな。まだ、まとまっている所を掃討した方が効率が良いな。応援を呼ぶか?」
応援という言葉にパンさんが反応した。
「応援にあてがあるのですか?」
「私達がこの手分けしてこの国の魔物の掃除を行っている時、魔物は南の方ダンジョンからやってくる。だからここに纏まった兵力を置くことで、魔物の進軍を止めてもらう」
いつも言葉足らずのカウスにスピカが付け足した。
「隣のローズガーデンから軍を派遣してもらうのね?」
「ああ、そうだ」
!?
「ローズガーデンは帝国と戦争状態だと聞いております。こちらに軍を割くことができるでしょうか?」
パンさんはまだ戦争が終結した事を知らないようだ。
「それは大丈夫だ。私達がローズガーデンの援軍に入り、帝国軍を追い返したからな」
「なんと!?いえ、あなた方の力があれば確かに………」
パンさんは決意を決めたようで頭を下げた。
「本来であれば私の一存で、他国の軍を呼び入れる訳にはいきません。しかし、今は国の存亡の危機です。どうかこの国を救って下さい!」
パンさんの言葉に頷くのだった。
「私からも一筆書こう。今は魔物もいないだろう。国境にも国の現状を話して半分以上をここに来るよう伝えるべきだな。300人もの兵力を遊ばせるには惜しい」
こうして手紙をしたためて、スピカの使い魔でローズガーデンに届けてもらうのだった。
シオン達はその後、遅くまで話し合い一泊した後、シオンとカストル、カイを援軍が来るまでイーグルの防衛に置いて、カウス、スピカ、ジン達がイーグルに近い街から順次王都へ向かう事になった。
「ローズガーデンがすぐに動いたとしても軍の進軍速度から言って10日ほどは掛かる。それまでは防衛を頼むぞ?」
「はい、父上も気を付けて!」
カウスはパンさんから馬を借りて旅立った。
「さて、今の内にイーグルの城壁を直しますか!」
「シオン、僕も手伝うよ。シオンよりは上手く出来ないけどね」
「いえ、助かります♪お兄様」
シオンとカストルはざっと街を歩き周り、まだ不安な市民が多いが、当面の驚異が無くなった事である程度は落ち着いていた。
「おおっ!これは英雄殿!どうなされましたか?」
門番さんが大袈裟に言ってきました。
「今の内に、土の魔法で城壁を直したり強化したいので入口を開けて貰えますか?」
「そんな事までできるのですか!?わかりました。すぐに開けます!」
大きな城門が開き、外にでると入口付近が1番損傷が激しかったので、シオンとカストルは左右に別れて、順次城壁を直していった。
城壁を直している所を城壁の上から見ていた兵士達は驚きながらその作業を見守り、いつの間にか、城壁の上には人だかりができていた。
「流石は英雄殿の御子様達だ。とんでもないな………」
「ああ、なんて心強いんだ」
「直した所って、前より頑丈に見えるのだが?」
多くのイーグルの民達は再度、グリーンウッド家の力を目の辺りにして畏怖と敬意を集めるのだった。
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