出発です!
ローズガーデンの方々とのお話が終了し、もう数日滞在してから出発する事になりました。
「ジン、カウス様をよろしく頼むぞ!」
戦争が終わり、50人もの兵士が必要なくなったので、ジン達数人の隊長クラスだけ同行して後は帰還する事になりました。
「ああ、カウス様達が気が済むまで旅(旅行)を楽しんだら転移ですぐ帰れる。そんなに時間は掛からないさ」
「本当にすげーよな。行きは時間が掛かるが帰りは一瞬なんだからな」
「確かにな。お前達も魔物が弱体化しているとは言え、気を付けてな」
ジン達は硬く握手をして見送った。
「この目で見るまでは信じられませんでしたな」
実はローズガーデンの方々も、1度転移を試してグリーンウッド領へ行って貰ったのだった。
「それで、グリーンウッドの方々に質素な馬車を用意しましたがよろしかったのですか?」
「ええ、余り豪華だと注目を集めてしまいますから」
「それではお世話になりました!」
「いや、こちらこそ国を救って頂きありがとうございました。それで、今後の行き先は何処へ行かれる御予定ですか?」
カウスは少し考えるそぶりをして答えた。
「帝国へ行く予定です」
!?
「なんと!?カウス殿やグリーンウッドの方々の情報は向こうに伝わっておるはず。危険ではないですか?」
「まぁ、大丈夫ですよ。それに帝国は大陸の中央にある国です。帝国を通らないと他の国へ行くのが難しいでしょう」
うむぅと腕を組んで唸るローズガーデンの国王であった。英雄殿の力を知っているものの、敵国である帝国へ行かせて大丈夫な物か………
「一つ提案なのだが、我が国から更に東の国に渡り、そのまま北に行くルートはどうだろうか?」
国王の提案にスピカがカウスに聞いた。
「あなた。帝国へどうしても行きたいの?」
「いや、そうでもないが帝国の装飾品プレゼントしたいと思ってな」
帝国の加工品は大陸でも指折りで、他国でも高く取引されているのだ。
「まぁ♪とても嬉しいですわ。しかし、先の戦争で命を奪ってしまった家族などの感情を考えるなら、もう少しほとぼりが冷めてから行った方が良いと思うの」
妻であるスピカの意見を聞き、国王の提案通りに東の国へ行く事になった。
「我が国の東には、亜人達が多く住む国です。基本的に友好関係ではありますが、一部の亜人は人族を嫌っておりますので、長居せず通り抜けるのが良いと思います」
「情報、感謝致します」
国王は従者を呼び、カウスへある物を渡した。
「これは?」
「我が国の手形です。これがあれば、ローズガーデンの関所はどこでもフリーパスで通れます。後、こちらのペンダントは我が国の紋章であり、王家が後ろ楯になるという証です。これがあれば、我が国の貴族として扱いされ、貴族しか利用できない施設など使えるようになります。失くさないようお願いしたい」
「至れり尽くせりで申し訳ない。ありがとうございます」
カウス達は深く頭を下げて出発した。
グリーンウッド一家を見送った後、国王はエリザに言った。
「一緒に行かなくて良かったのか?」
「ええ、今の私は足手まといです。ローズガーデンで少し名声を得て天狗になっていました。父上、昨日の夜にお願いした事、宜しいでしょうか?」
「国王としては賛成だが、父親としてはお前には花嫁修業をして欲しいのだが?」
「あの英雄の家族になるのを狙うなら花嫁修業より、剣術の修業でしょう」
「だれが上手い事を言えといった。………グリーンウッド領は想像以上に過酷みたいだぞ?辛くなったら帰ってきなさい」
「ありがとうございます!では早速行ってきます!」
こうしてエリザ姫は転移でグリーンウッド領へ向かうのであった。次にカストルと会ったとき、認めて貰えるように。
これからエリザ姫のサクセスストーリーが始まる…………………………かも知れない。
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