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第2話 母、襲来

「もぐもぐ…これはこれで意外と……」

 どこにでもいる高校生の自室、その一部にとても普通とは言えない異様な存在の姿がいた。平たい皿に盛り付けられたキャットフードをブツブツと呟きながら食べる少女。しかもその皿は床に置かれていて、手を使わずそこに直接顔を突っ込むものだからまるで猫が餌を食べているように見える。

 いやまあ食べているものはその名のとおり猫の餌で、食べている本人も猫耳としっぽが生えているし猫に変化するしでよくよく考えたらおかしくないような気がする。

 あまりの異質な光景に思考が崩壊を始めているのを感じ俺は頭を振って改めて餌を食べているそいつを見る。

 何者なんだろうか、ふと聞いてみようかと思ったが(すんで)のところでやめておいた。話しかけたらまた腕をつねられかねないし。

 と、そんな時。ドアが開く音がした。

 母が開いたドアの向こう側に立っていた。何のようだろうか、と呑気なことを考えて、次の瞬間血の気が引いた。母はキャットフードを貪り喰うそいつを見てぽかんとしている。

 俺はとにかくどうにかしないとと考えるがどう考えてもどうにもならない。いやあちょっと友達がキャットフード食べてみたいって言うからさ。意外と美味しいらしんだよね――って無理がありすぎる! 誰がキャットフードを食べてみたいと思うんだしかも手を使わず顔から直接!

 と頭を悩ませていると全ての元凶が顔を上げた。

「――ハッ! 我としたことがキャットフードなんぞに貪りついてしまうとは……?」

 キャットフードの欠片のついた頬を服の袖で拭いながら今更のことを言う自称傾城の美女。しかし流石に俺の様子がおかしいことに気づいたようで扉の方を見て、

「ははーん、なるほどそういうことか。なに、我に任せておくがいい。こういうことは慣れている。なんと言ったって――」

 ――我は傾城の美女だからな。

 そう言って、立ち上がり母の方へ近づく。

「えっと、お友達…よね? なんかキャットフードみたいなもの食べてたけど……」

 訝しむような目で見る母に無言で近づく傾城の美女。母の目の前まで来るとそいつは母の目を見て――

「もー何言ってるのお母さん、私に決まってるじゃない」

 まるで実の娘のように振る舞う。

「な、何言って……!」

 俺は息を呑む。傾城の美女の目に妖しい光が宿り、視線を釘付けにさせる。

「ね? 私はお母さんの娘――でしょ?」

「――そっ、そうよね。私何言ってたのかしら……」

 母が帰っていく。一体、何をしたっていうんだ。冗談にしてはキツすぎる。赤の他人を自分の娘だと思わせるとか……

「こんなことお茶の子さいさいじゃ。さて――のどが渇いたぞ。水を汲んでこい」

 コイツは一体何者なのか。

 まあ、そんなこと考えてもしょうがない。俺はベッドに寝転がる。

「おい、水を汲んでこいと言っておるのだ! 早くせんか!」

 今日一日図々しい物言いの何者かのせいで疲れた。という訳で全部無視して俺は眠りにつくのだった。

 どうも、紳士です。

 未定とか言っておいてすごい早く書けてしまいました。まあ多分こういうのは今回限りです。きっと。

 それと、もしよければ感想を書いてくださるとすごい喜びます。きっと投稿間隔が狭まるはずです。きっと。

 それでは。

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