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第二回聖女選択・結果

聖女さまたちが小島からもどり、警戒にあたった者へ労いの言葉をかけると前回同様にふたりの候補といっしょに馬車で王城へ向かった。

一刻後にはお城で王様からお話があるって伝言をもらい一時解散するように言われた。伝令の兵士が去るのを見送り、自然と集まったおれたちは無言で顔を見合わせる。


みんな口がむずむずして頬が赤くしてる。


「………さっきのは黒銀色でしたわよね」

「っですよね!」

「ローズマリー様のお色でしたわ!」

「ということはやはり!」

「こんどはローズマリー様の結界が張られたんですね!」


キャー!と嬌声があがった。なんでかおれの口からもきゃーって出た。やりましたね!とか言いながら手を取り合って喜びを分かちあう。ハチクちゃんなんか涙目だ。


「よかったわ……ローズマリー様のご尽力が報われたのですわね」


うんうんと頷いたあと、しみじみとした空気になった。

取り巻きのなかではリーダー格のピネちゃんがコホンとひとつ咳払いをしたので、おれたちも姿勢をただす。


「結界はおそらくローズマリー様のものでしょう。これはとても喜ばしいことです。しかし、これから王様の御前でどちらが聖女にふさわしいか選択する儀がありますわ。気を引き締めてまいりましょう」

「「「「 はい! 」」」」

「ではみなさんしっかり支度を整えて、あとで王城にてお会いしましょう」


はいっと応えてみんなと同じように各馬車へむかうが、はたと気づいた。ウィステリア先輩がナチュラルにおれたちに混ざってた。いちど馬車へ向けた足を止めて来た道をもどる。


先輩も馬車へ歩いてたけど、俺に気づいてニコニコして立ち止まってくれた。


「先輩、ありがとうございました」

「ええんやで。せっかく知識があるんやから役に立ちたかったし。あとはヒーローたちが刃丞くんを選んでくれるといいな」

「先輩……っ」

「ええもんも見れたし……はふぅ」


うっとり顔の先輩。おれはなにかを察したので、先輩に生ぬるい笑みを送って馬車へと急いだ。




王城へ行くと大広間ではなく、ほどよく広いダンスホールみたいなところに案内された。

まえより小さいっていってもおれの家にはないような広さだし、装飾もすごい。お城ってまじで何部屋あんだろ?


扉のさきには数人の貴族の偉いっぽいおじさん達とやっぱりピネちゃん達がさきに到着してて、部屋の西側というか窓側にスタンバイしてた。

部屋のおく、いわゆる上座といわれる場所には赤い絨毯と高そうな椅子が置かれてる。たぶん王様用だろう。ちなみにその他に椅子はないからお偉いさん系おじさんたちも立ちっぱなしだ。


王様待ちの時間、少し砕けた雰囲気なんだけど刃丞のお父さん

クローブ公爵がおれたちを見てにこやかなのが気まずい。前世の刃丞のパパとは仲良かったけど、このパパは話したことないからなー。


「あら、ウィステリア様だわ」


ピネちゃんの声で入り口を振り向くひっそりとウィステリア先輩が部屋に入ってくるところだった。そしておれたちと目が合うと何故か眉を下げて会釈。


(え!?)


「……あちらはレクティータ様側では?」


ハチクちゃんの言うとおり、先輩はおれたちと反対の廊下側“東の聖女側”で待機の姿勢をとったのだ!


「な、なんで」

「……噂ですけどぉ、レクティータ様の家庭教師のようなことをなさってるそうですわぁ」


あー!たしかに! え?でもそんなんでレクティータ様側の侍女候補になっちゃうの!?

ウィステリア先輩に回答をもとめて視線を送るけどなんか口パクで言ってくるし、気まずそうだし、手をもじもじさせてる。

先輩も知らなかったってことなのかな……読唇術できないからわかんないけど。


「王様の御成である!」


考えがまとまらないっていうのに近衛兵が扉をあけて、王様が入ってきた。途端に静まり、みんなに倣って礼をしなきゃならないからそれ以上追求できなかった。


王様タイミング悪いぜー。


「皆のもの、よく集まってくれた。半年前から始めた聖女選択だが見ての通り、中間にあたる夏は招集するものを制限した」


ふむふむ。毎度毎度あの人数集めんのたいへんだもんね。冬は新年だーっつって集まったところあるしね。


そんなわけで王様の長めのお話が済むと、刃丞とレクティータさん、さらに攻略対象者が入ってきた。東に待機するウィステリア先輩にちょっと目を見開いた刃丞。わかる、わかるよ。


そしてさらに驚いたのが聖女を選ぶ攻略対象者が一人増えてたこと。


(あぁー!新学期にくる後輩……!)


意識から抜けてたー!



「では一人づつ意見をのべよ」


おれと刃丞がひそかに慌ててるのにサクサクイベントを進めて行く王様。段取りよくて追いつけないよ……!


王様の言葉をうけて前回同様レキサ王子がはじめに前に出た。


「私は、ローズマリーが相応しいのではないかと見受けました」


おおお王子ーッ!

やった!好感度満ちてるじゃん!おれがぐっと拳を握ってると、刃丞も唇をギュッとむすんで感動してるのがわかった。


つぎはフェナクだ。

フェナクはヒロイン推しなのわかってっからなー。


「私は現段階ではどちらが良いか決めかねます」


(……は!?)


何言ってんだあのタラシ担当の貴族!?

ぜんぜん納得できてないまま三番目のヴェガが答えはじめてる。


「……ローズマリーだろうな」


あん?一瞬おれのこと見てきたんだけど、なんだ?

あと答え方ちゃんとしろな?まえよりも王様の距離近いってわかってんのかな。


そして騎士代表枠のでてるシフリール先輩。


「私はまだどちらがとは申し上げられません」


だよねー。先輩とはなんもしてないし、結界張れたくらいでどうにかなる好感度でもなかっただろう、


そして最後。


「つぎは庶民の代弁者として選出した者だ。……答えよ」


フェナクのお父さんつまり宰相様があらたな攻略対象に声をかける。あの攻略対象にはとくにアクション起こしてないから刃丞への好感度はマイナスにはなってないはず!


「はい。……おれはまだどっちが良いかわかりません」


少年の素朴な回答。ヒロインの年下幼馴染って設定だったはずなのに、そこらへんのアドバンテージないんだ……。


「うむ」


王様の威厳ある頷きがひとつでた。


「此度はローズマリーが良いとあった。ふたりともおごらず精進せよ」



お決まりのようなセリフを言うと王様は立ち上がって扉から出ていった。

やっと二回目の結果です!長くなってしまった……

ブクマ、評価ありがとうございます(^ν^)

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