【挿話】ローズマリーの侍女
今日もローズマリーお嬢様はカエノメル様と試験勉強をなさっておられます。昨年から急に仲を縮めたおふたりですが、ほんとうの姉妹のようだとメイド一同感じております。
お嬢様とカエノメル様がサロンにいらっしゃるときは、隣室に控えることになりました。なにかあればすぐに駆けつけられるようにですが、これがなかなか判断の難しい仕事です。
「んぁああ〜!!」
お嬢様の叫び声です!
ですが、まだ。まだ慌てる時間じゃあございません。
サロンへつづく内扉の覗き窓を開けて様子を確認します!
音をたてないようにそっと小窓を開けて顔を近づけました。
「さわってみて」
「カッチカチじゃん……」
広いサロンですので聞こえてくる声も途切れ途切れですが、なんとなく今回の事情はわかりました。
ティーテーブルに広げられたままの学校資料。
椅子ではなく、そのそばの床に座り込むローズマリーお嬢様。
スカートのめくりあがったお嬢様のお尻と太ももをさわるカエノメル様。
お勉強にあきたお嬢様が、最近凝っていらっしゃる“空気イス”
のポーズをなさり、疲労で痙攣する太ももをカエノメル様に触らせて自慢している。
この推理で確実でしょう。
つまり叫び声は空気イスで限界をむかえられたためのもので、サロンのなかに危険などなかったのです。
カエノメル様とおふたりでいらっしゃるときは度々起こることです。ですからこうして確認してからでなければ、この内扉を開けるわけにはいかないのです。せっかく仲良くされてるおふたりの邪魔は出来ませんから。
そっと小窓をしめて再び待機します。
「ンァあああ〜!!」
今度はカエノメル様の叫び声です!
この場合も小窓を開けて中を確認します。
ティーテーブルの上には学校資料が変わらぬページをひらいたまま置いてありました。
ローズマリーお嬢様は椅子ではなく床に。
カエノメル様はそのローズマリー様の足と腕により器用に持ち上げられていました。
ふむ……
ふむふむ……
あれは最近習得なさったロメロスペシャルですね。
「あー……背筋のびるぅー」
「ストレッチなさい」
ニコニコと楽しそうなお嬢様のお顔を確認して、そっと小窓を閉じました。
本日もローズマリーお嬢様のご機嫌麗しく、素晴らしい午後です。
とんでもない口内炎ができちゃったので本編おやすみです。すみません(´・ω・`)
ブクマ、評価ありがとうございます(^ν^)




