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ダンジョン攻略☆ボス戦

扉を開けた先はふとい柱が並び立ち、古代の神殿を思わせる広いホールだった。



バチーン!バチーン!



「レゴ様っ右です!」

「っく……ありがとうございます!」


長い足がおれたち目掛けて振り下ろされる。


ホール中央には八本足をもつ巨大なタコ型モンスターがいた。


が、模した土塊だ。

それが足を振り回し背後の祠を守る位置から動かない。先生お得意の魔法が組み込まれていて授業のときよりも殺意高めになってる。でも勢いに反してダメージが少ないようになってるらしく、叩きつけられる音がかわいい。


「スイッチがあったぞ!」

「魔力は!?」

「水だ!」

「わたくしが行きますっ」


部屋に入ってすぐに始まった巨大タコとの戦闘。魔法を打ち込んでもほぼダメージが通らないのにイライラすること数十分。


みんなが散り散りになって柱の影に隠れつつ逃げていたときに偶然みつけたオブジェクト。黄色く光ってるそれにロベールが土魔法をぶつけると巨大タコの足のひとつが動きをとめた。

授業で習った “ダンジョンによくあるギミック” だ。


それからは部屋のオブジェクト探しをすれば良いだけなんだど、タコの動きが早くなってるんだよね。気配を察知してるらしくて確実に人のいるところを狙ってくんの。おかげですごい時間かかってる。



バチーン!バチーン!


「キャッ……、水よっ」


オブジェクトのある柱へ走ったレゴちゃんが足を躱して魔力をぶつける。


「止まりました! あと三本です!」


対応してる足が動きを止めたのを見て報告。

あとスイッチみっつ探さんと!


柱はぜんぶ満たし、壁か!?

背後の壁を振りかえったとき、ジュブブブ……と水音がした。


「きゃあ!カエノメルさん!?」


レゴの悲鳴が聞こえてそちらを向こうとして向けなかった。おれの体を透明で小さい泡がとり囲み、身動きをとれないようにしている。


「なにこれキッモチわる!」

「おちつけ! タコの吐いた泡だ」


吐いたとか聞いたほうが気持ち悪いが!?なんなんだよもー。


バチーン!と相変わらず地面を叩く音がするけど、おれは狙われてないっぽい。レゴちゃんが「おまかせくださいっ」って言って気を引いてくれてるみたいだ、見えないけど。


なんとか手だけでも泡から出そうと藻掻くがむり。触手ちゃんを出して振り回しても泡は割れず効果がない。

駆け寄ってきたロベールが泡に手を触れようとしてきたので止める。


「トリモチみたいにくっつくかもしれん」

「なるほど。この泡は水魔法だな」

「たぶん」

「土よ」


ロベールが土魔法をかけると泡がさらさらと消えていった。


「やはり水には土だな」

「ありがと、ロベール!」


「もう一本止まりましたわ! のこり二本です!」


レゴちゃんの報告のとおり動いてる足は残り二本になってた。だが、またジュブブブ……とタコが口元に泡を作り始めたのが見える。ああやってつくってたのか!


レゴちゃんの方向へ泡を飛ばすがレゴちゃんも水球で対抗しつつ逃げる。


「攻撃が面倒くさい感じになってるから早く残りを見つけましょう」

「ああ!おそらく柱はもうない………っ!」


バチーン!! おれたち二人いるところを狙ってきた。

避けるついでにロベールも引き寄せて柱の影にかわす。


「きっと壁よね? 手分けして探しましょ」

「あ、ああ」

「………最後は足元です……」

「「 うわ!? 」」


走りだそうとした瞬間、トミカちゃんが真横にいた。いつから居たのかわからないっていうか、気配薄すぎてからボス戦で熱中してたからちょっと忘れてた。


「なんておっしゃいました?」

「もう一本止まりましたわ! さいご一本です!」


こちらへ来てくれたレゴちゃんの報告。

え? もう最後の一本になったのか、いつのまに……。


「ありがとうございます、レゴ様」

「いえ? わたくしは何も……みなさまでは?」

「「 いや、 」」


バチーン!バチーン!!


四人集まったせいでこちらに足が振り下ろされる。

慌てて散開するがトミカちゃんの姿を見失った。


(どこにいるんだろ? いやそれよりまずは足元、か)


タコに目をやると、うまく開けたおれたち三人を順番に叩いてきてるようだ。ラストだからか足を叩きつけるスピードもかなり速く近づくのも一苦労だ。


足元にスイッチがあるか見えないが、じわじわ近づいて確認するしかないな。


「えっちょ、トミカ様あぶな……っ!?」


視界にうつったのはタコの真後ろにふつうに立つトミカちゃん。まったくタコ足攻撃が来ないまま、至って普通の速度でしゃがみタコのいる床に魔力を流したっぽい。


そして停止する最後のタコ足。


「………終わりましたわね……」

「…………………え?」


状況が理解できないけど動きをとめたタコとその背後のトミカちゃん。みんなの視線が集まるのは仕方ないよね。

茫然と見られてるのに気づいたのか俯いてもじもじしてるトミカちゃんがちいさい声で教えてくれた。


「……あの、わたくし、気配を消す魔法が得意で………」


わけがわからない。


「や、やったー?」

「……クリアしたとみていいんだな」

「えぇと、……みなさんの力を合わせた結果ということですわね!」


レゴちゃんが綺麗にまとめてくれた。さすがリーダーだぜ!





木札を取ると、巨大タコが消えてかわりに魔法陣があらわれた。乗ると一瞬のゆがみのあとダンジョンの入り口に戻ってきていた。


「お疲れ様でした」


土で出来たイスにのんびり座っていた先生が立ち上がり微笑んだ。


「あなた方がいちばん最初のクリアです。おめでとうございます」


思わず顔をみあわせた。

二番目に出発したのにいちばん早かったんか、うれしい!

レゴちゃんはおれの手を握って微笑み、ロベールとトミカちゃんにもお礼を言っている。


「素晴らしい班でしたわ。みなさまと組めたことをとても誇りに思います。ありがとうございました」

「レゴ様……!」

「僕もこの班でよかったと思う、チームワークがよかった」「……わ、わたくしも……」


「うんうん。あなた方はパーティとはなんたるかも学べたようですね」


満足顔の先生に木札を渡して、課題が終了。あとはのこりの班が戻るのを待つだけだ。


ちょっとすると、すぐにラレールさん達が帰還。女の子だけのパーティだったからなんだか疲労度がすごそうだ。取り巻きの子なんてハァハァいっちゃってる。


そしてしばらくしてもう一班ももどった。


全員怪我もなく、課題をクリアできたので今日はこれで解散。

おれたちも改めて礼を言い合い、それぞれの馬車のもとへ行くのに別れた。


ラレールさんは帰還しておれたちが先だったのを知ると唇をかんでたが、


「ほかより人数が多い四人だからですわ!有利でしたわね!」


って一理あることをいって帰っていった。

遅くなりましたすみません!

ちょっと長かったけどダンジョン編終了です(^ν^)

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