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校舎を駆ける令嬢

保健室は一年棟にあるから礼拝堂から近い。道にこだわらずにまっすぐ進めばそんなに時間はかからないはず。


とはいえそこは貴族のかよう学校なので、寄贈されたオブジェや寄付金を使う目的の建物が唐突にある。


ぼんやり光る女神像を避けたら反対にある冷風を出すおじさんの胸像にフェナクの足がかすった。横抱きしてるから車幅がいまいちわからんのよね。


「すまーん!」


ケガさせるつもりはないので謝るがスピードは落とさない。フェナクがワイルドウルフの子供より軽いから走るのにスピードが乗っちゃうんだよね。


木々を避けベンチを飛び越えて思ったよりスムーズに校舎に近づけた。運よくちかくで校舎の窓が開いてるところを発見できた。そばでご令嬢が談笑してるから、フェナクの足が当たらないように気を配らなくちゃな。


「ごめんあそばせ」

「「 きゃあ!? 」」


窓枠に足跡もつけないようにハードルを飛ぶ要領で校舎に侵入する。着地でちょっと衝撃が強かったかもだけど、抱いてるフェナクに意識なし。

チラと顔をみて酔ってもいなさそうだから、そのまま廊下を走り抜ける。足場が舗装されてるとやっぱり走りやすいな!


「わっ!?」

「キャ……!」

「あぶねえー!」


校舎内には生徒がけっこう残ってた。

しかしやはり都会育ち、動きが鈍いからとても助かるう。さっき森とおなじくらいの警戒でいけそうだ。


曲がり角でぶつからないようアウトコースから曲がると見知った顔があった。


「んまぁ! あなたっ、はしたないですわ!」

「ごきげんようラレール様」

「ンキャア! なんなんですのカェ……さ………!、……っ!」


ラレールさんがいたけど礼はできず、ご無礼いたします。背後でなんか叫んでるけどもう遠くて聞こえない。


「あ、手ぇ塞がってる。触手ちゃん開けて」


順調に保健室につき、触手ちゃんをつかってドアノブをひねる。うむ、意思の疎通はかんぺきだな。


「まぁどうされ、どうされました!?」

「フェナク様がお倒れになりましたの。こちらに寝かせても?」


めずしく待機していた保健室の先生に許可を得て、空いてるベッドにフェナクを寝かせる。唖然とした表情をすぐにしまった先生は真剣な表情でフェナクの診察を始めた。


「……こうなった経緯はご存知?」

「いいえ。助けをきいて入った礼拝堂でお倒れになっていたのです、原因はわかりませんわ。友人は魔力切れじゃないかと」

「それは驚いたでしょう。あなたは具合悪いところはないかしら」

「大丈夫ですわ」

「心配だから診察させてくださいね。すこしあちらで座ってお待ちなさい」

「はい」


少し離れたところの椅子に座って大人しく待つことにした。

レゴちゃんたちもここに来るかもしれないしね。


フェナクの治療はすぐに始まった。カーテンを閉められたから詳しくは見れないけど、保健の先生はなかに入りっぱなしで、魔力回復薬を持った看護師さんが出たり入ったり、ほかの看護師さんは保健室を小走りに出ていったり慌ただしい。



しばらくやることも無くいるとカーテンの隙間から先生がでてきた。おれの顔をみると優しく微笑む。


「先生、フェナク様は……」

「もう大丈夫ですよ。処置が早かったおかげです」

「あの、だ、打撲とかはありませんでした?」


走ってくるときチョコチョコぶつけちゃったんだよね。


「それも軽症でしたし治癒魔法ですぐ治せたわ。さぁ、つぎはあなたの診察ね」

「はい。でもとくに不調はありません」


おれが言うと先生がうふふと笑って髪をやんわり撫でてきた。


「とても急いだのですね、おぐしに葉っぱがついています。森を抜けたのだから細かい傷がないか心配だわ」


手のひらの木の葉を見せられ、そういえば枝に擦ったりですり傷とかあるかも?と大人しく従ってると保健室の扉がそーっとひらいた。


「っ失礼しま、あっカエノメルさん」


息を切らせて入ってきたのはレクティータさんだった。

顔を赤く上気させて駆け寄ってくる。


「だ、大丈夫ですか!?…あっフェナクさまもっ」

「わたくしは大丈夫。フェナク様の治療も終わったのですよね?」


先生に顔を手で包まれまじまじチェックされながら、先生に「ですよね?」と聞く。


「ええフェナク様は少しおやすみになれば大丈夫でしょう。けれどあなた、」


クイッと顔を横に向けられる。


「お耳に切り傷があります。跡にならないようしましょうね」


言うや否や右耳が温かくなった。やっぱりどっかでカスッたんだな。


「さぁもう大丈夫ですよ」

「ありがとうございます」

「ありがとうございます!」


おれの治療なのにレクティータさんも大きめにお礼を言ってくれた。うーん、いい子だな。保健の先生もにこにこしてまたフェナクの様子を見に行ったようだ。


あれ? いまさらだけど、レクティータさんひとり?


「レクティータ様、レゴ様はどちらへ?」

「あ、そうでした! 彼女はカエノメルさんのメイドさんをお呼びに行くので、こちらで待っててほしいと言付かってます」

「そうですの」


おおーさすがレゴちゃん気のまわし方がすごいなぁ、と思ってるおれのもとに心配のあまり号泣したレゴちゃんとふつうのラデュレさんが来るのはそれからすぐ。

興奮しすぎたレゴちゃんが倒れてちょっとした騒ぎになったが、フェナクはその間に使用人に付き沿われて帰宅したらしかった。

レビューいただきました!ありがとうございます(゜∀゜)ブックマーク、評価、感想すごくうれしいですありがとうございますー(^ν^)!

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