資料室のヒメゴト
放課後になったので資料室に向かった。
はじめて来たけど利用してる人がいないわりに広いし、机も何台もあるから勉強とかはかどりそうな環境だ。しかも鉱石とか杖とか展示あってファンタジー感ある。魔法学校っぽくて興奮するぜ!
ひとつひとつ見ながら奥へ進み、いちばん目立たない席に着いた。ロベールは来慣れてそうだからここでも大丈夫だろう。
しばらく待ってたらロベールが来た。
「待たせた」
「いいえ。それでさっそくですけど、お話をうかがっても?」
ロベールは向かいの椅子に座ってうなずいた。
「単刀直入に聞くけど君は香り石をつかったね、魔力をとおしてオイルに香りをつけたはずだ、君の見つけた香り石は食べ物の香りをさせてた、これは実は珍しいことではないがそれだけに事件になりやすい、非公開だがかつては南でもいくつかの事故がおきて今では禁忌として」
「お待ちになってロベール。早い」
「…………」
「香り石は南方でタブーとされてるのね? 製法も?」
「南方だけじゃない、周辺諸国、そして王国でもそうだ」
ええー王国でも禁忌なの?めっちゃヤバイやつじゃん!
「………使ったら罪になりまして?」
「ならないはずだ、南でおこった事件事故も非公開で真相を知るものは少ない、王国でも法として書かれてはいない、当時の魔法使いたちが自主的に情報を封じたんだ、そもそも見つけることが珍しく見分けるのが難しいと言われている、」
「わあー! ここが資料室!」
ぽむ!
とっさに身を乗り出してロベールの口を手でふさいだ。
入り口から聞こえた声がレクティータさんのだと直感でわかったからだ。
「へぇーいろんな物がある。この杖もすごくきれいね」
レクティータさんの独り言が大きい。ヒロインってこんな感じなのか。
「おや、勉強熱心ですね」
もう一人入ってきた気配がした。
(やっぱり)
入ってきたのは攻略対象の宰相の息子フェナクだ。先輩からもらった“資料”で確認したけど、あいつここで一イベント起こすんだよ。まさかそれが今日だとはタイミング悪いぜ。
「レクティータ、こんな人気のないところに来るなんてアブナイですよ」
「きゃ……っ」
おまえがいるからな。
棚の隙間からうすーく見えるレクティータさんが早くも壁ドンされてるっぽい。
ツッコミたいけど身動きをとるとバレそうで静かにするしかない。口を塞いだロベールも静かにしててくれるが目がすごいおれを見てる。
「聖女候補が資料室になにをしにきたのです?」
「む、昔の聖女様のことを調べようかとおもって……」
「熱心なことですね、そんなに聖女になりたいのですか」
どさっ。ギシ…
「!?」
うわー!? あいつとうとう女子を机に押し倒したぞまじかよヤメロよ!? こんなとこでナニかやったらダメなんだぞ未成年なんだからな!
思わずロベールから手を離しすと、ロベールも気になってたのか後ろを振り返る。と、その拍子に椅子が動いて物音を立てた。
「!? 離してください……!」
どんっと勢いよくフェナクを押し返してレクティータさんが資料室から走り去った。
「…………」
え、すごい気まずい。
これっておれたちの存在ってバレてるよね。
おれとロベールは静かに席に座り直しす。
コツコツと足音がして、棚の向こうから笑顔のフェナクが現れた。
「おやおや、覗き見ですか?」
棚にもたれて気怠けな雰囲気を出してくるがプレッシャーを感じる。
ロベールの顔を見るがなに考えるのかわかんないくらいふつうだ。頼りにはできそうにないな。
「申し訳ございません。出るに出られず……」
「ああ、先にいたのは僕たちだフェネク様」
謝りつつも謝ってないおれたち。だって悪くないもん。フェナクが勝手にイチャついて振られてただけだもん。
「そうですね、確認しなかった私のミスです」
ふぅと溜息をついたフェナクがロベールに視線をやる。
「ロベール、シフリールには会いましたか? 貴方に用があると言ってましたが」
「会った、用事も聞いたがそれは僕の思った通りの用であったので大したことはなかった、しかし」
「大丈夫ですよロベール。用件までは聞きません。では私はもう行きますね」
早口の説明をうまいこと遮り、フェナクは振り返ることなく帰っていった。
おれは見守るだけだったけど情報をまとめると、シフリール先輩が言ってた石に詳しいやつってロベールだったんだな。
「シフリール先輩から言われたのね?」
「カエノメルに助言をやれないかと聞かれた、それは僕が昨日から考えていることでもあったんだ、香り石の使い方を一緒に考えたい、そのために過去の事件の情報を渡そう」
「ありがとうロベール様。石の解析をしたいの」
「わかってる、都合がいいときここで会おう」
こうしておれはロベールと友達になった。
評価、ブクマなどありがとうございます(^ν^)にこにこして書いてます!




