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夏休みまえの日常

魔法学校は王都にある。

通学が基本だけど寮もある。寮に入るには頭がよくないとダメなんだって。


でも貴族の子弟はほとんど通学組で、毎朝馬車で学校まで行く。


授業は毎日昼を挟んで2コマだけだから楽っちゃ楽。

魔法学校だから座学は魔法理論、実技は魔法の練習でわりと実践的だと思う。 


おれは魔法理論が好き、意味わからなすぎて最初わらっちゃったけど。


クラスはS、A、B、Cの4クラスで家柄と実力を考慮されて分けられてる。おれはBクラスで、ローズマリーこと刃丞はSクラスだったから離れてしまった。仕方ないよね、刃丞ん家は王族除いたらいちばんの家柄だし。



「ごきげんよう、レゴ様」

「ごきげんよう、カエノメルさん」


隣の席の女の子とニコッと微笑み合う。かわいいぜ!

レゴちゃんは子爵家の娘だけど、格下のおれにも優しいから好きだ。黄色いフワフワの髪とかまんまるな目とか、ムチッとしてるところも良いんだぜ!


「カエノメルさん、本日もランチはローズマリー様と召し上がるの?」


席につくとレゴちゃんが聞いてきた。


「はい。ローズマリー様からお誘いいただいてますので、ご一緒すると思います」

「そうですの……」

「? なにかありまして?」

「……あの、はしたないと思わないでくださいね」


レゴちゃんはしゅんとした様子でおれをみた。


「ローズマリー様たちがランチをしてるところを物陰から見ている女生徒がいますの。わたくし、気になってしまって……それからその女生徒を確認するためにその、わたくしも、さ、三度ほど……」


覗いちゃったんだね!

恥ずべきことと思っているのと罪悪感かでちょっと涙目のレゴちゃんは、そっとおれの手を両手でとり謝罪を呟いた。


「ご、ごめんなさいっ。わたくし、ローズマリー様ももちろん心配ですけど、カエノメルさんのことも心配で……! た、たいせつなお友達と思ってますのよ」


ズキューン!!


気絶するかと思ったよね! 上目遣いで言ってくるとか可愛すぎひん!?

抱きしめたい! 抱きしめていいよね友達だもん!


(いやだめじゃね!? セクハラになっちゃうだろ!)


非モテだった前世のおれが腹を殴ってくる。


「ご、ごめんなさい、こんなはしたない女とはお友達になんてなりなくないですよね」


悲しい顔をして手をほどこうとするレゴちゃんの手を逆に掴み、ちょっと強引に引き寄せる。


「うれしいですわ! レゴ様とお友達になりたいってずっと思ってましたの!!」


いったぁあああああ!

おれ、レゴちゃんを抱きしめちゃったよ!


(ふおあっ女の子ってやわらかーい!)


「カ、カエノメルさん……わたくしもうれしいです」


おれの背に手を回してくれるレゴちゃん。


んはー!

いいよね? いいよね!? もうちょっとギュッとしていいよね!? 女の子同士だもんね!!


「んふふっ カエノメルさんの息がくすぐったいですわ」


興奮しすぎて鼻息荒かったらしい。

レゴちゃんがクスクス笑って、自然な感じで体を離した。

おれは奥歯をくいしばって理性を引き寄せたよね、ちゃんと席に戻れたよ。


体の前面にぬくもりが残ってるぜ。

なんだか今日はおだやかな気持ちですごせそうだ。


「お昼のこと、ありがとうございます。レゴ様のおっしゃった女子について気をつけてみますわ」

「っええ! なにかあったらおっしゃってね、わたくしも出来ることなら協力いたしますから」


ニコッ。

恋してもいいかな!?

翔義は賢者タイムにはいった!

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