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前夜

翌日。

すごいお腹空いた感覚で目覚め、朝ごはんいっぱい食べるぞーって食堂に向かったらメニューがサラダとクッキーだけだった。


「信じられん……」

「舞踏会がおわる明日までの我慢ですわ、お嬢様」


朝から空腹だったのも昨日のディナーがサラダとパン、スープだけだったせいなんだぞ! 舞踏会なんか死ねばいいのに!


ふぅーとため息をつくと、息抜きにマッサージをしましょうとまた部屋のベッドに寝かされる。気持ちいいけどお腹空いてかなしくなってきたぜ……。


「そうだっ! ローズマリー様のところへまいります!」


刃丞のとこに行けばおやつ沢山だしてもらえる!

背中もみもみされてたところをガバッと起き上がるが、ダンドワさんが片手でグッと押さえつけてきた。


「はへ!? 動けん!!」

「お嬢様、舞踏会は明日でございます。ローズマリー様もお忙しいでしょうから、本日のご訪問はご迷惑になりましょう。ご遠慮なさってください」

「えっちょっと待ってほんとに動けないんだけど!?」


冷静に正論言われてるけどそれどころじゃない!

ダンドワさんってかなり細身なのに体をよじることも出来ないぐらいしっかり制圧されてる。痛くないけどくやしいぜ!


「あとでミルクティーを淹れますのでご辛抱ください」


しかもおやつタカろうとしてのバレてた。



屋敷のちっちゃいホールで座禅を組む。

できれば中庭でやりたかったけど日焼け禁止されてるから仕方ないな。


(悟れ……悟りをひらくのだ………)


軽すぎるランチを終え、いよいよお腹が空きすぎてご飯のことしか考えられなくなってきたから、座禅をして無心になろうと実践中である。座禅とかしてるヨガやってる人って細いからな、それっぽいポーズしたらなにかしら効果があるはずだ。


目を閉じていると部屋の入口あたり、おれの後ろで控えているダンドワさんの気配がわかった。座禅に集中するおれと同じく、直立したまま微動だにしない。


(すごい……無心になってるのに……気配がわかる………)


空腹だからか感覚がいつもより冴えてる気がする。

ふと悪戯心が湧き上がった。

スカートめくったら動揺するかな?


いやいや無心になれ。宇宙を感じるのだ……おれと宇宙は一体になる……光のない暗闇……闇、黒い闇………


パンツは黒かな?


ニュ!


「!? ……おぐぅ!?」


触手ちゃんの気配が背後に! と思ったつぎにはダンドワさんに取り押さえられていた。縮地? 縮地つかえるの?


「お嬢様、くれぐれも舞踏会では気を乱すことのございませんように」

「ひゃい……」


直属の侍女って遠慮もなくなるんだと学んだ。



そんでやっと舞踏会の日を迎えた。

今食べて今すぐ太ることなんてない!って言い張って朝食にパンも付けてもらったから、昨日よりぜんぜん元気だ。


王子への礼の仕方やダンスの復習をして過ごしたらすぐ午後になり、午後は時間を目一杯使ってドレスと靴の調整したりヘアセットしたり化粧されたりで、座りっぱなしだけどもはや疲れてきた。


「日暮れ前には出発いたしますのでもう間もなくです。招待状の確認をなさっていてください」

「はぁい」


化粧台のまえに置いておいた上質な紙の封筒を両手でもつ。

ツメアト残すぜ! って意気込んでたけど、コルセットが苦しいから長居できる自信がない。

すべすべの封筒を何気なく開ける。ちゃんとカルダモン・ダロ・カエノメルへって書いてあるのがいまさらだけど疑問しかない。


「あれ? もう一枚入ってる……セトリ?」


招待状のほかにもう一枚紙が入ってて開けてみるとダンスの曲名とその下に色んな人の名前が書いてあった。

へえ、舞踏会ってライブみたいにセットリストあるんだ。有名な歌手?みたいのがこの世界にもいるんかな。


「お嬢様、出発の準備が整いました。馬車へ乗りください」


ダンドワさんが扉を開けて待っててくれる。


さて! 気合いいれて舞踏会いってくるぞ!

ちょっと短いすまぬ。

ブクマ増えてるうれしーい( ^ν^)ありがとうございます!

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