第3話[ おばさんと少女 ]
さっきの家の人といい、
この話しかけてきたおばさんといい、
この服は貴族の着るような服なのか?
僕には普通のシャツとパンツにしか見えないけど。
「えっと...」
やばい、何も思いつかない。
人と話していないとこんなに喋られなくなるんだな。
緊張して変な汗は出てくるし、その割に話すことが何も思いつかない。
「・・・」
「...どうかされたのですか?」
どうもこうもわからないって。
異世界転生した夢かと思ったら現実で、
家に立ち寄ったら泥棒扱い。
僕だってどうしたらいいか。
「・・・」
「い、行くあてがないんです・・・」
とっさに出た言葉だった。
「そう・・・大変だったでしょう。よければうちに来なさいな。」
「ありがとうございます。」
助かった。
「えっ・・と、リュウマ、です。」
「私はヨーゼフ。よろしくね。」
ガチャ。
ヨーゼフの家に入る。
「ママおかえり~~!」
「その子は・・・?」
奥の部屋から白い髪の女の子がでてきた。
長い髪で顔が隠れているロリっ子だ。
こういう子、アニメだと可愛いと思っていたけど
実際会うと何考えてるのかわからなくてちょっと怖いな。
「リュウマくんよ。しばらくうちにいることになったの。」
「これから晩ごはんを買ってきますから、二人で仲良くしていてね。」
「うん!」
「わかりました」
まずい。女の子と二人きりだ。
まあ好みでもないし、意識しても
こっちから話すしかないやつだ・・・よな?
「nッ・・・名前、なんていうの?」
「...レイナ」
「...」
「・・・」
顔が見れない。
「リュウマ、これみて」
細い木で編まれたボウルのようなものを見せてきた。
「カゴ作るの、手伝って!」
雑談とかは
ヨーゼフおばさんが帰ってきた。
(うーんやっぱりまずい。)
昨日に比べたら何倍もマシだけど
寒くて固い寝床についた。
どういう世界なんだろう
機械のようなものもある
割りと近代に近いのかもしれない。
色々考えてしまう。
人と寝るって寝にくいな。