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勇者絶対条件 一章 安価な命と再生 六話 「重なり合う境界線 生まれる交点」

こんにちは、初めまして、そしてあけましておめでとうございます、含水茶吹です。

今回いつに増して拙い文章ですが、最後まで読んでくれると嬉しいです。

今回は最後まで第三者視点なので、そこのところも注目していただければなと、思います。


  0


 俺こと三滝兼政みたき かねまさは訳あって、再生者リプレイヤーという人ならざる者の少女、小鳥遊華蓮たかなし かれんと出会い、『再生者による犯罪対策課』という組織の『一般人の代表意見発表者』としての初仕事を終えた。

 しかし、その初仕事の依頼者である難波双木なんば そうきは俺たちとの会談の後、『蘇者教そしゃきょう』の一員を名乗る少女により、『殺害された』。

 だが、その時の俺たちは、そのことに気付く訳もなかったのだった。


  1


 三滝兼政の初仕事が終った二日後。

 『再生者による犯罪対策課』本部課長の反田一たんだ はじめは人気がない道に数十人の部下をつれ、一つの肉片を見て、それを睨んでいた。

 それは、肉片ではなく臓器と言ったほうが正しい。

 そう、反田の眼の前にあったのは、『心臓』だった。

 それ以外のものは見るからない。

 ただ心臓がまるで車に轢かれたまま道に放置されるカラスの死体のように。

 回収される時を待っているかのように。

 ただそこにコロンと、ぐちゃりと、あった。

 まるでところてんのように押し出されたかのような血管の千切れた切り口、そして、辺りにまき散らされた血と恐らく、その心臓の持ち主の身体を引きずったような跡とそれが途中で途絶えた、汚れのない道。

 そして、一番に心臓に付いている刺殺したかのような跡。

 しかし、その跡はどんな刃物でもそんな跡はつかない。

 手のような、もっと言えば手刀のようなそんな傷痕。

 そんな惨状を見て、反田は呟く。

 「…三滝君は戦わせてはならないですねぇ…」


  2


 反田が心臓が残った現場に達おあっているその時と同じ頃。

 三滝の住む街の片隅に忘れ去られた様に存在する廃工場があった。

 少し前間では誰もいなかったが、最近、そこにある人物が住み始めた。

 いや、住み着いたではなく、住み憑き始めたといったほうが正確か。

 それは、女性という性別を持っていた『再生者』で、漆黒のローブを身に纏い、その手には人の腕があった。

 その腕はあるべきはずの身体~切り離されており、その切り口は引きちぎられたようなそんな跡が残され、彼女が手にする腕には彼女の口ほどの噛み千切ったような跡があった。

 そして、廃工場にブチブチッ、と繊維を引き裂き、千切るような音とねちゃねちゃ、と唾液がナニカに絡まり糸を引くようなしまった音が混ざり、響く。

 その音の中で少女は呟く。

 血にまみれた口、潤いのある唇をゆっくりと動かして、虚空を見上げ呟く。

 「…悪食、ですねぇ…。あ・く・じ・き。私の力はどうしてこんなにも食べなければならないのでしょうか」

 その声は震えているのにも関わらず、はっきりとしっかりと辺りに響き渡る。

 その時、ローブのフードがずり落ち、彼女の顔が露になる。

 そう、彼女は南波双木を殺した蘇者教の信徒を名乗る少女だった。

 金色の綺麗な長髪を無雑作に垂らし、口からわ赤い粘着質の唾液を垂らし、み和樹を転がしたような不気味な口の形を作り、目を見開き、焦点はズレ、その表情は笑っていた。

 「…くけけけけけけけけけけけけけけ、けけけ、くけけけ、ひゃはっはっはっはっはっはっはぁ、っは、ふひひひひひひひひひッ!!」

 そして、工場には笑い声だけが響いた。

 彼女の考えていることをわかるモノがいる訳でもそれをわかろうとするものがいる訳でもない、そういう立ち位置に辿り着いてしまったそんな、悲しくも狂っている笑い声が。

 人々に捨てられ忘れ去られ、死んだ建造物の中で悲しく響く。


  3


 朝と言っても遅く、昼と言っても早いころ合いのことである。

 三滝家にて、兼政のいないそこにはクナイと小鳥遊華蓮が残されていた。

 その間に流れるのはなんともない空気のみ。

 クナイはソファに座り彼女の膝の上で眠る小鳥遊を眺めるように見ながら、ただ一人考える。

 (…やはり、普通の人間と再生者との共存は難しいわねぇ…)

 三滝の初仕事の相手の南波のように小さなことのように見えて意外と大きなことがあったりする。

 なぜなら、生きていた時代と、生き直させられた時代との文明の進歩の差、置かれている立場の変化、境遇の変化に付いていけないからだ。

 クナイも初めはそうだった。

 ある時、気付けば道ばたで倒れていて、そこに偶然、再生者による犯罪対策課の骨組みとなった『特殊案件捜査班』という特設チームの巡回中だった反田に拾われた。

 それから自分が再生者と呼ばれていること、自分に特殊な力が備わっていること、自分が死んだ時代から二十年過ぎていること、再生者という存在の扱いや現状すべてを余すところなく教えてもらった。

 そして、クナイは自らの意志で反田に協力することを選び、二年の時を経て今ここにいる。

 二年前は形態の概念は知っていたものの、スマホの扱いやらが慣れなかったり、パソコンが進化していたりとか、見たことのないモノばかりだった。

 二年で覚えれたのも、物覚えが元々よかったというのがあったお陰なのだが、どの道、小さい事でも問題になりやすいのだ。

 だから、そう思う。

 共存が難しいのだと。

 小さな思い出とともに、大きな思い出となったものを思いながら、そう、難しいと思う

 今いる小鳥遊もそんな時代の変化に戸惑う日が遅かれ早かれ必ず来るのだろう。

 そして、クナイは今の自分のできることとは何かを考えるのであった。


  4


 クナイが小鳥遊を見ながら考えに更けていたその頃、三滝は彼の通う学校で授業を受けていた。

 だが、彼のシャーペンは動いておらず、ノートは白紙のままだった。

 いま彼は、眠気に襲われいる訳でも、体調が悪いわけでもなく、ただ単に集中が出来ずにいた。

 その理由は、ノートの上に敷くようにしておかれたのそれなりに分厚い紙の束だった。

 その紙の最上部には少し大きな文字サイズで『再生者の生活保障などに関する法律の提案に関する書類』と長ったるいタイトルがあった。

 そう、先日の南波の案件で、反田が寄越したいわばカンペのようなものだった。

 だが、それはあくまで提案の束奈だs家であり、実際今現在採用されているのは、覚えたところで十個ほど、実際それ以上あるのだが、どれもこれも内容も長ければ、呼称も長い。

 南波に反田が紹介した、『再生者優先雇用職業』のような、なんとなく頑張れば内容も名前も覚えられるような法案ばかりではない。

 例えば、『再生者に対する住宅提供および、就職までの一定期間に付与される補助金および非労働者に対しての保護法』という、要は生活保障制度のようなないような法律なのだが、その説明汚分も長かった。

 ここで紹介する気も失せるような長さなので紹介まではしないが、恐らく原稿用紙酸四枚分の長さは優に越しているだろう。

 そんなの暗唱どころか、暗鬼もできない物など覚えても仕方がない。

 しかし、気付けば国家がかかわることに巻き込まれてるのは確か。

 やらなければならない。

 そう思い、一度授業に集中すべく机の中にその書類を仕舞い込んだ。


  5


 そこから時間は経ち、三滝は帰宅し、夕暮れ時となった頃、反田一は再生者による犯罪対策課のオフィスの自分の机の前で例の心臓のDNA鑑定の結果を見て、頭を抱えていた。

 その鑑定結果の用紙には『再生者:南波双木』、と書かれていた。

 そして、反田は机をバン、と叩く。


  6


 三滝が帰宅し、一時間がたった頃、クナイのスマホに連絡が入った。

 発信主は反田一。

 何事かと思い彼女は三滝たちのいるリビングから気付かれないように抜け出し、通話状態にし、耳に当てた瞬間、反田の重い声で

 『例の南波双木が殺害されました。恐らく、例の少女が犯人でしょう』

 と、衝撃的な事実を発した。

 「南波が…、ですか?」

 その事実に驚き、耳を疑ったクナイはもう一度、反田に訊き返す。

 それに対し反田は声のトーンを一切変えることなく繰り返す。

 『えぇ、南波双木が殺されたんですよ』

 その声に、嘘などはないと、聞き間違えはないとクナイは確信した。

 「…そう、ですか…。それで、犯人はあの少女で間違いないと…」

 そして、頭を瞬時に整理し、安定させ、反田に確認を取る。

 『恐らく、ですけどね。ですけど、まずいですねぇ。こんなに早くも、ましてやありえない程早い。クナイさん、私も今から、報告書をまとめるので、それが終ったら駆けつけます。三滝君、華蓮ちゃんの護衛任務をしっかりと果たしてください』

 その確認に対し反田は、できる範囲の支持を言い渡す。

 「了解」

 それに何の疑いもなくクナイは了承した。

 『あぁ、あと…、このこと、二人には秘密にしておいていてください。もし、あちらから被害を与えてきた場合は別ですが。ですが、私がそちらに到着するまでは、秘密にしておいてください』

 そして、と付け足すような言い方で、反田はクナイに少し煮え切らないような言い方でそんあ命令を付け足した。

 クナイは、その理由が汲み取れず、

 「いいんですか?」

 と、質問した。

 反田はゆっくりとその質問に答える。

 『…これは仕事とは関係のない理由ですが、初めて会った日、僕は病室から抜け出す彼の目を見たときに思ったんです、『この子は正義感とかではなく自分のためにすべてをやっている』ってね。だから、そういうことを訊けば勝手に動くjかどうか心配になるんですよ。それに、何んとなく彼を見てると他人事とはおもえなくってねぇ』

 たはは、と笑いながら反田は語り、クナイはその言葉の中でみたきをこの組織に本当に入るのかと、確かめた日のことを思い出しながら、

 「…そうですね。…、了解しました」

 と、頷き、諦めたような笑顔で答えた。

 反田はその答えを聞き、

 『では、彼らを頼みますね』

 と、言い残し、通話が途切れた


  7


 忘れ去れレた廃工場にて、クナイが反田と電話をしている同時刻に、漆黒のローブの少女の元に二人の男が招かれていた。

 一人は季節に合わないアロハシャツを来たやせ型の見た目四十歳ほどのおっさんともいえる風貌をした男の再生者。

 もう一人はどこにでもいそうな、コートを来た体格のいい、三十差ほどの人間の男。

 そんな二人は、漆黒のローブの少女の前にめんどくさそうに立っていた。

 そして、三人のうち、体格のいい人間の男が先に口を開いた。

 「…なぁ、暖加鮮芽はるか あざめさんよぉ、アンタのトップからまた報告もらってきたんだが、本当に信徒じゃない同族リプレイヤーの奴等、一人一人に監視がついてるのかって思うくらい、情報が早ぇなぁ。ほんっと、気持ち悪ぃよ」

 そういいながら、人間の男は暖加鮮芽と呼ばれた少女に少し大きめの封筒を投げてワタ足、鮮眼はソレを受け取る。

 そして、中にある命令文を読みにたりと笑う。

 そこには、ある二人、再生者一人と人間二人の名前と現在の住所が書かれていた。

 小鳥遊華蓮と雛沢大智の情報が。

こんにちは、初めまして、そして置けましておめでとうございます、含水茶吹です。

どうだったでしょうか、苦手な第三者目線での構成なので、いつにもまして読みにくいと思います。

本当に文章力が低くてすみません。

ですが、今回の話は、第一章の事件の伏線を拾う準備となる回なので、そこらへんも考えながら読み直すと少しは読みやすくはなるのではないかなぁと思います。

…。

少し開き直った感ありますが、次回、やっとバトルに入るかと思います。

もしそうならなくても、その一歩手前の部分まで来ます。

なので、次回話少し読みやすくなるのかなぁと思うのでよろしくお願いします。

では今回はここで。

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