表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/34

《万物名工(マテリアルクラフト)》~吾妻秀吾の視点②~


「いやぁ……思い付きで作ったスキルとはいえ、我ながら中々に優秀なスキルだなぁコレ」



俺ーーー吾妻秀悟は香ばしく焼かれたバジリスクの焼き鳥を頬張りつつ余った左手で手のひらサイズの木片を玩ぶ。



「…………《万物名工(マテリアルクラフト)》!」



俺がそう呟いて木片をガシッと掴むと、握られた木片は瞬く間に、精巧に彫刻されたバジリスクの木工フィギュアに姿を変えた。



ーーーーーアシストスキル《万物名工(マテリアルクラフト)

素材(生きている動物は不可)さえ有れば、ありとあらゆるモノを、製造行程や技術を無視し『加工』して作り出せるスキル。

素材に間接的にでも触っていないと発動しないデメリットはあるが、工作はおろか食材の解体から調理まで一瞬でこなせるメリットに比べたら、

そんなの誤差の範囲と思える位に便利なスキルだ。


と言うか、マトモに扱えるスキルがコレとさっきから執拗にスキル作成を迫る《異界読本(ワールドマニュアル)》しかないのだ。

有るものを使いこなすしかない。


《万物名工》で罠を張り、捕まえた獲物を《異界読本》で食べられるか見分ける。

現代っ子の俺は、そうやってこの三日間どうにかこの異世界サバイバル生活を乗り切ってきたのだ。

住めば都とは言わないが、我ながら中々に図太い精神をしていると思わざるを得ない。




「でもそろそろ風呂にも入りたいし布団で寝たいんだよなぁ」



いまのところ、体を洗うのは近くを流れてた小川だし、寝るときなんか床にごろ寝している始末だ。

服の汚れは《万物名工》で『汚れのない服』を指定すれば一瞬で洗濯できるものの、何日も同じ服を着ているのもどうかとは思っている。

流石の《万物名工》先生でも材料がないと風呂も布団も作れない。



「これならバジリスクの皮や羽根も捨てずに取っておけば良かったかなぁ」



でも爬虫類みたいな臭いすんだよなぁあの皮、なんて事を寝転がりながら考えてるとーーーーー





ーーーーー「済まない!何方か居られるか!?」




と、玄関の方で、男の声が聞こえてきた。








評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ