日記1
今日もまた一人市場に行ってきた。
あの人はいなかったけど、別にいい。
きっとまた家に来るだろうから、そのときに会える。
私はどうして派手な美人に生まれなかったんだろう。
こんなに地味な顔じゃ誰からも相手にされない。
もっと美しくなりたかったな。
そうしたらあの人だって、私に優しくしてくれたかもしれないのに。
こんなこと考えてるのはきっと寂しいから。
誰からも相手にされないからだ。
この先結婚とか絶対にできないだろうから、覚悟しておかなきゃ。
どうせ誰も私のことなんか好きにならなだろうから。
今日は綺麗な花が作れた。
先祖のこの力はまったく役に立たないけど、手品みたいで気に入ってる。
でもいくら自分の為に花を出しても何の意味がない。
誰かに花をあげたい。
でも誰もあげる人がいない。
いつか友達とかができたらあげられるかな。
アールはもう結婚してから連絡もくれなくなってしまった。
唯一の友達だったのに。
本当に寂しい。
この魔法の力でどんな男も虜にできるようになるとか、そんなことが叶ったらよかったのに。
でも無理。
そんな力私にはない。
花を出すぐらいしか私にはできない。
その花だって10分後には消えてしまう。
何の意味もない。