君のいない理由 3
ある日、2匹はいつものように街を歩いていました。まるでお互いの足にひもをくくりつけているかのように、ぴったりと横に並んで。
一軒の魚屋の裏で、茶色ぶちねこは魚の骨を見つけました。そこで魚の骨をいっしょに舐めたあと、2匹は道路へと出ました。さっきみたいにぴったり並んで、「あー」「うー」くり返しながら。
そのとき、大きな猛獣の鳴き声のようなものが、2匹の三角形の耳をぴんと動かしました。猛獣は鳴き声をあげながら、2匹めがけて勢いよく突き進んできました。
猛獣の丸くて黒い4つの足がごろごろと転がって、2匹の猫を今すぐにとらえて食おうとするライオンのように、なんの躊躇もなく2匹の立ち尽くす場所へと飛びこんできました。
茶色ぶちねこの小さな体がぱん、と飛び上がりました。猛獣の大きな体が茶色ぶちねこを跳ね飛ばしたのでした。
茶色ぶちねこが地面にたたきつけられたあと、猛獣の中から1人の人間が出てきました。茶色ぶちねこはうっすらと細目を開けて、人間の様子を見ていました。
人間は、茶色ぶちねこと、灰色ぶちねこ――がいるだろう方向(茶色ぶちねこからは灰色ぶちねこの様子がよく見えなかった)――を見下ろすと、まるでカラスの荒らしたゴミでも見るかのような顔をして、それからハアッと深い溜息をついて、猛獣の中へと戻っていきました。
猛獣はふたたび大きな唸り声を上げると、今度は2匹から逃げるように足早に去っていきました。




