第4巻 第36話 消えない傷
エリカサマは一度泣き崩れたが落ち着いた。
風間乱丸「大丈夫かよ?」
エリカサマ「心配無用じゃ。それより、済まないな。わざわざ庇ってくれて。」
風間乱丸「礼なら利子に言えよ。」
朝倉利子「ううん。いいの。」
エリカサマ「本当にありがとう!!それより、そなたこのマークをどこかで見た覚えがあると言っていたがそれはどこで・・・」
朝倉利子「それは・・・」
利子は口元を押さえた。
エリカサマ「そうか。言いにくいか。わらわが悪かった。無理に思い出すことはない。」
朝倉利子「私の従姉妹に遠藤麗子って人がいたの・・・彼女は肩にあなた達と同じマークをつけていた。このマークについて彼女に尋ねたら必死で隠して何でもないただの入墨って言ってたの。でも、数日して彼女は自殺した。私の国の当時の政治家、カンチョクトの作った性奴隷制度のせいで・・・。そして、しばらくしてその姉の麗菜はカンへの復讐に取りつかれカンを始末した後に自身も命を・・・」
利子は泣き崩れた。
エリカサマ「分かった。もう何も言うな。」
タケル「俺はたまたま闇サイトで風俗とか出会い系のサイトを見つけたとき必ずと言っていいほどこのマークがトップページに貼られてたから前から気になってたんだ。」
紅クジャ「あれは性奴隷のマーク。決して消えぬ傷だ。」
紅クジャは自身の背中を見せた。
蒼アゲハ「女を捨て、心を捨て、人間を捨て、男に徹底的に尽くす生き物失格の烙印だ。」
蒼アゲハも脚首の包帯を取った。
2人とも奴隷の烙印を押されていた。
風間乱丸「お前ら・・・」
紅クジャ「我々、『中の国』の住人は烙印を押され、人身売買のオークションに売り飛ばされる一歩手前のところに女優の名を捨て世間から姿を消していたエリカサマが現われ助け出され、この島に辿り着いたのだ。」
風間乱丸「お前、やっぱ本当はいい奴だったんだな。」
乱丸はエリカサマの方を見た。
エリカサマ「うるさい。そんなことはどうでもいいのじゃ。本当に恩を忘れてはいけないのはあの男じゃ。」
赤星功太「あの男?」
蒼アゲハ「この島が1度、政府や貴族に見つかり襲撃されたことがあって、エリカサマでさえ手に負えぬ圧倒的な力に屈しそうになったそのとき現われたあの人物・・・」
蒼アゲハは過去を思い出した。
神崎昴「狂乱女帝エリカサマ!逢いたかった!お前、僕の仲間になれ!!『オリンパス』のメンバーになれるんだ!そして、この国をこれから縄張りにする!!!『オリンパス』以外この国に近づくことは許さねぇ!」
その男の名は当時、勢いのあったテロ集団『オリンパス』のリーダー神崎昴だった。




