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DEARーestー  作者: トーヤ


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16/17

高峰洸哉8.カケなんかするもんじゃない

かなり前に書いたものですが、

データが出て来たので、

手直しして投稿していきます。

問題の実力テストの今日まで、オレは美乃(みの)に対して平静を装っていた。


もちろん表面上は、ということだ。

気持ちはおかしいくらいに緊張していた。

学校へ来て、美乃の隣にいてこんなに疲れることは、初めてだった。


賭けに勝ったら、こんな日々が続くのかと思うとうんざりだと思った。

だからと言って、負けて告ればいいのかと言えば、そういうわけでもない。


告って断られた場合、今以上にツライ日々になるのは間違いない。

そっと、オレは息を吐き出した。


どうしたらいいのか、わからない気持ちを吐き出すように......。


だけど手にはなぜか手放せない数学の教科書が握られている。

チャイムギリギリまで、オレは悪足掻きをするつもりらしい。


出来るところは全部埋めて、提出した答案用紙。

数学さえ終わってしまえば、他の教科の実力テストなんてどうでもいい。

あとは運を天に任せるしかないのだから....。


全教科を終えたところで、美乃がオレを見た。


「終わったね、テスト」


オレは気の抜けた状態だったせいか、なにも余計なことを考えることなく、言葉を返していた。


「あぁ。結果はあんま見たくないけどな」


美乃はコクンと頷きながら、


「明日から戻ってくるのかな?」


という問いにげっそりしながらオレは、


「たぶん、な」


と答え、ため息をひとつこぼした。


そこに美乃のため息も重なって、オレ達は顔を見合わせて笑った。


テストの結果がどんなんであるにしろ、オレにとっては厳しい状況なのは間違いない。

それなら、まだ何も動き出さないうちに、


「美乃、なんか帰りに食いに行かねぇ?」

「そーだねぇ、何か甘いもの食べたいかも」

「よし、決まりな」


オレは美乃との共有できる時間を楽しみたいと思ったのだ。

オレの誘いに軽く返事をくれる美乃を見ていると、ホントにオレのこと親友としか、見てくれないんだなと感じ、心が痛かった。



テストの翌日、朝から雨だった。

オレは雨と相性がものすごく悪かった。

今までだって、碌なことがなかった。


しかも、昨日の夜の一樹(かずき)からの電話のせいで、気分は最悪だった。

一樹のヤツ、自分がどれだけ出来たか電話してきやがった。

単なるイヤガラセ。

あいつはやけに楽しそうだったけどな。


もう絶対オレの負けだ。

テストが戻ってくる前から、結果が見えてしまった。

おかげでオレはテスト前よりも寝不足......。


そんな気分のままオレは教室に一人でいた。

普段なら誰かしらと話しているのだが、今日はどうしてもそんな気分にはなれなかった。

そんな時、背後から、


「おはよう」


と、美乃に声を掛けられた。

驚いて振り向くと、今登校してきたらしい美乃がハンカチで制服を拭きながらオレを見ている。


「あ、おはよう」


オレは一言だけ言葉を返した。

すると美乃は少しオレの顔を覗き込むようにして言った。


「何かあった?少し顔色悪いみたいだけど....」

「何でもない、少し寝不足なんだ」


そう言って、オレは机に頭を預けた。

寝不足に関しては嘘は言っていない、ただ何でもないことはないけれど....。


何もかも上手くいく気がしない。

それなのに無常にも一番知りたくない数学から授業が始まってしまった。

神も仏もないってのは、正にこのことだな....。


順番に返される答案。

オレの手に握られている答案の点数は、84点....。

いつもなら、何も言うことはない、と言うよりはホメられた点数だ。


が、今回は一樹と張り合わなきゃいけなかった。


昨日のアイツの電話がハッタリじゃない限りオレの負けだ。

これは絶対に。


オレは解答なんかまるっきり聞きもせず、机に突っ伏したまま3時間目が終わらないことを祈った。


一樹のクラスは3時間目が数学だったからだ。


オレの祈りが通じるハズもなく、あっさりと3時間目の終わりを告げるチャイムが鳴る。

先生が出ていった直後、オレは一樹に呼ばれた。


はぁぁぁぁぁぁ。


オレは子供みたいに嬉しそうな一樹と教室から少し離れた。


「で、洸哉(こうや)。どうだった?」


と、手には4つ折りになっている答案用紙だろうと容易に想像のつく紙を持って、ヒラヒラさせている。


「オレの顔見てわかんない?」


投げやりなオレを一樹は笑って、


「じゃ、結果は見えてるみたいだけど、とりあえずハッキリさせようぜ」


オレは力なく答案を開いて見せた。

それに続いて一樹も開いてオレに見せる。


あぁ....やっぱりな....。


何だよ、その92点ってのは....。

取れるかそんな点数っ。

予想通りの展開過ぎて、力も入らない...。


一樹はガックリうな垂れたオレの肩に腕を回し、、


「コレやるから、約束は果たせよ」


と、ポケットから、遊園地のチケットを出してオレに渡した。


「えっ!?でもなんで...?」


と、受け取ったオレに一樹は、


「まぁ、強引に約束させちまったし、激励の意味も込めてな。ガンバレよ」


と、オレの背中をパンといい音させて叩いて、教室へと戻って行った。

その途中、一樹は突然振り向いて言った。


「洸哉、ソレの期限、明日までだからっ」


と....。


ちょっと待てッ!!

ってことは何か!?


今日中に美乃を誘って、明日、遊園地に行って告白すれってことかよ....。


マジかよぉ....。


一樹のヤツ、オレと付き合い長いだけあるよな...。

期限を切られないと、重い腰をあげないオレの性格をよく知っている。

ガックリと席に戻ったオレに美乃が声を掛けてきた。


「洸哉?大丈夫?朝より更にヤバそうだけど....」


オレが大丈夫と呟いたのが、聞こえたかどうかはわからないけど、とりあえず今、美乃のことを誘わないとチャンスを逃すと思った。


「あ、ところでおまえ明日ヒマ?」

「明日?別に予定はないけど?」


と、美乃は不思議そうな顔をしている。

確かに美乃にしてみたら唐突な質問だったかもしれないけど...。


「んー、なら遊園地行かねぇか?ただ券貰ったんだけど」


このセリフもある意味賭けだった。

遊園地に二人で行くというのは、世間一般的にはデートだ。


この時点で美乃が難色を示せば、告白してもダメな可能性は大きい。


心の準備くらいにはなる。

オレはそんなことを思った。

そう思って口にした言葉だった。

しかし美乃の返事は、


「あ、うん。行きたい」


と言う、ふたつ返事だった。


「そっか、じゃあ駅に8時な」


オレはそれだけ言うと、また机にへばりついた。

これはどう解釈したらいいんだろうか...。


親友だから、デートと言う感覚がまるでないんだろうか?

そうかも知れない、それは多いにありえる。

美乃ってヤツはどこか抜けてるから.....。


それにオレがずっと、親友だと言い続けてたから....。

どうなるんだ、明日からのオレ達は....。

毎日更新予定です。

よろしくお願いします。

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