表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
DEARーestー  作者: トーヤ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/17

高峰洸哉6.今日は何の日だよ?

かなり前に書いたものですが、

データが出て来たので、

手直しして投稿していきます。

「おーい、何買うんだよ。いいかげんに教えろよ」


さんざん歩き回って、未だ何ひとつ買い物をしない美乃(みの)に、オレはシビレをきらした。


ホントに見てるだけで買おうとしないのだ。

何を買うのか聞いても、この後に及んで美乃はまだ教えようとはしない。


3時間も歩けば、いいかげんオレだって勘弁してくれって気持ちにもなるさ。

それなのに、美乃の言った一言で事態は更に悪化した。


「ゴメン、実はまだ決まってないんだ」

「ナニィー!?」


思わず人の目なんか忘れて声をあげた。


「じゃあ、なにか?ただウロウロ歩き回ってただけかよ」


と、オレがキレてもおかしくない。


「ゴメン、色々見てるうちに決まると思ってたんだけど、全然反応ないし.....」


美乃の声は、申し訳なさそうに小さくなっている。


「反応ってなんだよったく」


まだ全然納得のいかないオレは、文句を並べていた。

きっと顔も思いっきり不機嫌ヅラに違いない。

そんなオレに向かって、美乃はまるで関係のない質問をふってきた。


「さて、ここで問題です。今日は何の日でしょう?」

「何だよ、イキナリ。今度はクイズかよ。えーっと?今日は何日だよ!?」


すり替わった話題の先の意外さに、毒気を抜かれて答えると、美乃はため息をついて言った。


って、おまえがため息つくなよっ、オレがつきたいよっ。


「今日は10月28日だよ」


ふぅ~ん、10月28日ねぇ…って、10月28日!?


「もしかして、オレの誕生日!?」

「そうだよ、忘れてたんでしょ?」

「キレイさっぱりっ」


もののみごとに忘れてた。


「やっぱりねぇ.....」


って、ことは....?


「もしかして、買い物ってオレのプレゼントだったりするんだ?ちゃんとオレの誕生日覚えててくれたんだ。オレは嬉しいっ」


ホント、美乃っていいヤツだよなぁ、けどそうならそうと言ってくれればいいのにな。

そしたら仏頂面なんかしないで、3時間だろうが歩いたのに。


.....かなりわかりやすいヤツだなぁ、オレって...。


自分で苦笑いを浮かべたのは言うまでもない。

オレ達はもう1度アチコチを見て回った。さっきよりはかなり楽しい気分で。


結局、Tシャツをプレゼントしてもらった。


まっ、それに落ち着くまでに、オレは何度美乃にツッコまれたことだろう、マジメに選べと....。


そんなことも楽しみながら、オレ達はそのあとかなり遅めのランチを取った。



いつものことだけど、美乃と出掛けた時オレは家の前まで送ることにしている。

美乃は大丈夫一人で帰れると言うが、オレは送ることを止めなかった。

それは昼間でも夜でも同じことだった。

今日も同じように家まで送り、じゃあなと来た道を戻ろうとした時、美乃に呼び止められた。

こんなことは、初めてのことだった。


「何?」


と、オレが振り向くのを待って、


「ちょっと寄っていかない?」


美乃は家を指差し、言った。

今までにない事態に、オレは焦った。

かなり焦って言った。


「イヤ、でも.....。やっぱ帰るよ」


逃げたもん勝ちだ、ふとそう思った。

何から逃げるのかなんてわからなかったけど、このままここにいたら危険だと思った。


危険!?

何が?美乃が....?


わからない...でも...このままここにいちゃダメだ、何かがそう告げる。


走り出そうとするオレに美乃の声が重なる。


「待って、お願いだから。見せたいものがあるんだ、だから上がっていって」


そんなセリフの後、美乃に“ねっ”なんて可愛くお願いされちゃった日には、この世の中の男に、それを振りきるだけの根性はねぇだろう。


そして、それはオレにも言えることだった。


あの笑顔には、きっと誰も勝てないぜ.....。


「......じゃあ、少しだけ......」


と、頷いてしまったオレの背中を美乃は押す。

美乃の部屋の前で、オレの足は止まった。理由なんか知らない。


だけど、足は動かなくなった。

そんなオレに、


「何やってるのよ、早く入って、その辺に座ってて」


と、美乃は無理矢理オレを部屋に押し込んで、すぐ戻ると言って部屋から出ていった。

部屋に残されたオレは、正直困った。


だって、そうだろう!?

女の子の部屋なんか入ったことないんだから。


それにココは普段美乃が生活してる部屋だろう!?


そう思うと何となく、どこを見ていいのかわからないし、落ち着かない。

ジロジロ人の部屋を見るのは、失礼だろ!?

しかも女の子の部屋を....。


だけど心のどこかで、じっくり見たがってる、知りたがってるオレがいるのも本当だった。


気にならないと言えばウソになる。

ただこれが美乃の部屋だからなのか、それとも他の女の子の部屋でも、そう思うのかはわからなかった。


でもたぶん、美乃以外の女の子の部屋には、入らないだろうなという気は、漠然と持っていた。


突然、ガチャっとドアが開き、美乃が何かを抱えて戻ってきた。

オレは思わず呟いていた。


「なぁ、おまえの部屋ってなんかかわいいなぁ、やっぱ女の子だなぁ」


結局、部屋を見回してしまったからこその呟きだった。


「何よ、突然。それよりハイこれ。開けてみてよ」


と、オレに箱を手渡してくれた。


首を捻りながら、オレが箱を開けるとそこからチョコレートケーキが顔を覗かせた。


「改めて、ハッピーバースディ洸哉(こうや)洸哉(こうや)


美乃はそう言って微笑む、オレの中に美乃の笑顔が広がった。


「もしかして、コレっておまえの手作りなワケ?」

「そうだよ」


と、別にたいしたことじゃないと言わんばかりの口調で言う。


美乃にとっては実際たいしたことじゃないのかも知れないけど、オレはどこかでオレだけが特別だと思いたがってる、そんな自分がいることに気がついた。


「なんか、オレすごく嬉しいよ。サンキューな美乃」


色んな感情が沸き起こる心を隠して、オレは美乃の家を出た後、そのまま一樹(かずき)のところへと直行した。

とてもこのまま家に帰る気にはなれなかった....。

毎日更新予定です。

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ