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DEARーestー  作者: トーヤ


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13/17

高峰洸哉5.イベントじゃなくてハプニングだろ?

かなり前に書いたものですが、

データが出て来たので、

手直しして投稿していきます。

翌日、つまり美乃(みの)との約束の前日。


オレにちょっとしたイベントが起こった。

いや、ハプニングの方が正解かも?


いつもなら、土曜日だから午前授業で終わりだし、美乃とメシでも食いに行くところなのだが、イヤ、オレは今日もそのつもりでいたんだけど、美乃のヤツ、今日は用事があるとかで速攻で帰っていった。


「どうするかなぁ、一人でメシ食いに行くのもなんだしなぁ....。あっ一樹(かずき)...はダメか、バンドの練習だもんな」


オレはブツブツ独り言を呟きながら、教室を出た。


「しゃーねぇ、帰るか」


学校を出て、駅に向かう途中で、オレは不意に呼び止められた。


高峰(たかみね)くん」


と....。


声の方へ振り返ると、見知らぬだけど、明らかに同じ学校の美乃よりも10cmは背の低い、美人というよりは、かわいいという感じの女の子が一人でそこに立っていた。


「えっと....?」


誰だっけ?知り合いじゃねぇよな?

戸惑うオレに、相手は、


「はじめまして、笠井(かさい)美佐子(みさこ)です」


と、名乗った。

あっ、やっぱ初対面だよな、良かった。忘れてたわけじゃなくて....。


けど、なんで初対面なのに、オレに声を掛けたんだ?この子は...?


わからなくたって、しょうがないだろ?


オレの今までの人生で、こういうシチュエーションは存在しなかったんだから。


オレが黙ったままでいると、彼女は真っ赤な顔をして言ったんだ。


「好きです」


と…。

はぁ!?

オレは驚きのあまり、考えるよりも先に、


「なんで!?」


という、告白のあとには、似つかわしくない言葉を発していた。


なんで!?という、非常にも冷たく感じる、その言葉を告げられた彼女は泣きそうな顔になっている。

やべぇ...泣かれたら困る。


「いや、だから何でオレなの?」


さっきよりはかなり柔らかい口調で聞いた。

彼女は俯いてしまっていた顔を何とか上げ、オレを見た。


「....なんでって、高峰くんカッコイイし....」


何言ってんだ!?


「はぁ!?オレがカッコイイって!?聞いたことねぇなぁ」


思わず笑っちゃったオレに、彼女はすごい勢いで反撃してきた。


「高峰くんはカッコイイですっ。1年生の女の子の間ではすごい人気あるんですっ」

「ウっソだろ!?オレが女の子に人気あるだなんて、モテたことないよ、オレ」


はなから本気にしてないオレに、彼女が小さく何かを言った。

聞き取れなかったオレが、もう一度促すと、


野宮(のみや)さんがいるから....」


と、今度はわりとハッキリと聞こえた。


「美乃!?美乃がいるから何!?」


全然さっきから話しの見えないオレに、彼女は説明を付け加えた。


「みんな、高峰くんと野宮さんが付き合ってると思ってるから....だから誰もアクションを起こさないんです。野宮さんじゃ敵わないから」


んっ!?

これってこの間、雷が言ってたな、有名とかなんとか....。

あれがこのことか?


それじゃ、何でこの子はオレに告白なんかしてきたんだろう....?

オレがその疑問を、そのまま口にすると、



「この間、偶然聞いちゃったんです。高峰くんと佐久間(さくま)くんが話してるのを....。高峰くんが野宮さんとは、親友だって話してるのを......。だから....」


そういうことか....。


「ダメですか?私と付き合ってもらえませんか?」


ハッキリと決断を迫られて、オレは困った。

別に返事を迷ったわけじゃない。

ただ初めてオレを好きだと言ってくれた相手だったから、不用意に傷つけたくなかった。

だけど、ここで返事を濁してもしょうがないんだ。


正直に告げることが、優しさの場合もある、たぶん....。


オレは、彼女の目を見て、


「好きだって言ってくれてありがとう。だけどオレ、今は美乃のことほっとけないから」


深く考えずにこぼれ落ちた言葉が、何よりも真実であることにオレは気づいてなかった。


オレがどれだけ美乃のことを大事に思っているか、オレはまだ、自分でわかってなかった。


ただ、オレのこの想いに、オレを好きだと言った彼女だけが気づいていた。


そして、彼女は黙ったまま笑顔で、オレに背を向けて歩き出した。


毎日更新予定です。

よろしくお願いします。

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