表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
DEARーestー  作者: トーヤ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/17

高峰洸哉4.ハラが鳴っては何も出来ん

かなり前に書いたものですが、

データが出て来たので、

手直しして投稿していきます。

翌日、オレが自分の席で、クラスメートと話しをしているときに、いつもより少し遅れて美乃(みの)が登校してきた。


「よう、美乃おはよう」


オレは美乃に声を掛け、美乃の返事を待ってから、クラスメートとの話しに戻った。

クラスのヤツらも美乃のことは気にはなるのだが、やっぱり話しかけるのを踏み止まる。

美乃も学校では、ポーカーフェイスを崩さない。


どうしたもんかな....。


オレは誰にも気づかれないように、ため息をひとつついた。

予鈴がなり、みんな自分の席へと戻り始める。

オレは美乃の方に顔を向け、


「昨日サンキューな、アイツらメチャメチャ喜んでたしな」


まっ、アイツらよりも美乃が楽しめたみたいだから、そっちの方が大きいかな。

オレの心情的には。

美乃は首を横に振って言った。


「私こそありがとね。家まで送ってくれて」


はぁ、オレに対してはこんなに素直なのに、なんで他の人には、あぁなのかね。

オレは何も言わずに、少しだけ笑った。

美乃は少しの間の後に、そういえばと言葉を続けた。


「今、玄関でカズキ君と会ったよ」

「あっマジ?なんか言ってた?」


実は昨日の真夜中に近い時間に一樹(かずき)から電話が来ていた。


話題は主に美乃のことだった。

もちろんアイツらは、美乃に対してもう何のこだわりもない。


“氷の美人”と言われてるほどに冷たくもないし、怖くもない美乃のことを自分たちの友達として、認識してくれている。


ただひとつ問題なのは、一樹が相変わらずオレが美乃を好きだと思っている、ということだった。

まさか、一樹のヤツ美乃に変なこと言ってねーだろうな。

そんなオレの危惧は必要なかった。


「またライブ来てよって言われた、今度の時も洸哉(こうや)誘ってよ。昨日もすごく楽しかったし」


と、美乃は笑っていた。


「おう、じゃあまた行くか」


ホッとしてそう言ったと同時に担任が教室に現れた。



あっやべぇ。

思った瞬間にハラが鳴った。

さっきから気にしている時計の針は、まだ昼休みの時間を指さない。

早く授業終わってくれよぉ、マジで.....。


「ハラ減ったぁ」


オレのハラが鳴った時点で、美乃はくすくすと笑っている。

聞こえたらしい、ちぇっ。


「美乃、昼メシ何?」


一応授業中なので、小声で聞く。


「私?今日は学食行くつもりだけど?」


おぅ、そりゃ好都合だ。


「じゃあさ、一緒しねぇ?アイツらも一緒だけど」

「いーの?嬉しいけど、私が行くとしらけるんじゃない?昨日はみんなハイだったから普通にしてくれてたけど」


やっぱりまだ気にしてんのか、そんな必要ねぇんだけどな。


「気にすんなって、そーなったらフォローしてやるから。なんてな、ホント言うと今日もアイツらの要望だから大丈夫なんだけど」


オレがそう言うと、美乃はあからさまにホッとした。

こいつが本当の意味で、人と向き合うのはもう少し時間がかかりそうだな。

頭ではそんなことを考えているにも拘わらず、その間中ずっとオレのハラの虫は盛大に鳴き続けた。

ツライぜ.....。


ようやく授業を終えたオレ達は、教室をあとにし、学食へと足を運んだ。

しっかし、いつも思うけどオレの教室から学食って遠いよなぁ。


学食に着く頃には、いつも席がないんだよ。

まぁ今日はアイツらがいるから大丈夫だろうけど。


学食へ着くと、予想通り人が溢れていた。空いてる席なんかあったもんじゃない。


一樹達はどこだ?


キョロキョロしていると、向こうで手を振っている一樹を発見した。

オレは美乃を座らせて、メシを買いに人ごみをムリヤリ突破した。


掻き分けた先に、すっかり顔なじみになったおばちゃんがいた。

昼メシを頼んだオレにおばちゃんは、あら、いつもより多いわね、なんて笑いながら話しかけてきた。


まさか、これ全部オレ一人で食うと思ってんじゃないだろうな?

いくらなんでも、こんなに食えるか。

おばちゃんに、2人分だと説明して、みんなのいる席へと戻った。


途中で、アイツらと美乃が楽しそうに話してるが見えた。

オレはそれを見て嬉しい気持ちと、それ以外の気持ちに気づき、それ以外の気持ちが何なのか、その時のオレにはわからなかった。


だから、オレはそんな気持ちに気づかなかったフリをして、勢いよく声を掛けた。


「なぁーにオレ抜きで盛り上がってんだよ」


振り向いた美乃に、ほらっと、うどんの載ったおぼんを渡してやる。

オレは自分のおぼんをテーブルに置きながら、美乃の隣に座った。

美乃はおぼんを見て、次にオレの顔を見て、目をまんまるにして言った。


「お昼からそんなに食べるの!?」


そんなにって、たかがカレーライスにラーメンにサラダじゃねぇかよ。普通だろ!?

一樹達は驚く美乃を面白がって、色々入れ知恵をしている。


「信じられない....」


美乃は無意識っぽい感じでポツリと言葉を落とした。

失礼なヤツだな、信じられないとか言うなよっ。


「いーんだ、オレはまだ成長期なんだ」


そうだ、だからこれくらいは普通だ、そう言いたかっただけのオレに、美乃はあぁそうか、とポンと手をひとつ叩いて、なんて言ったと思う!?

こともあろうに、


「横に成長期ってこと?」


って言いやがった。

オレの動きがその一言で止まった。気にしてることを.....。


最近ちょっと縦に伸びなくなってきたなとは、オレも思ってはいたんだ。


あとは、横に....なのかって....。

それをよくも.....。


美乃のセリフのあと、一瞬の沈黙が流れ、そのあとにやってきたのは、大爆笑だった。


もちろんオレ以外全員の。

なんだよ、昨日からオレこんな役回りばっかりじゃねぇかっ。


おもしろくねぇ、すっげーおもしろくねぇ。




くだらない話しをしながら、駅までの帰り道をオレは美乃と歩いていた。


特に約束があるわけでもないけれど、当たり前のようにいつも並んで歩いている。


すれ違う男どもが美乃に見惚れるのも同じ。

横にいるオレを見て、ため息をつくのも同じ。

ただなんで、オレを見てため息をつくのかが、いまいち不明なんだけどな。


あっもしかして、美乃の彼氏だと思われてるってことか?

しかもオレ、カッコよくねぇしな。

なんで、おまえみたいなヤツがってことなのか?それなら何となく納得いくかな。


バカみたいなことを考えながら、歩いていたら、突然美乃が声をあげた。


いや、別に悲鳴とかじゃなくて、言葉をオレに投げかけてきた。


「そうだ、明後日の日曜日って、洸哉なんか予定ある?」


美乃はオレを見上げながら、唐突に聞いてきた。


「オレ?ヒマヒマ」


めずらしいなぁ。美乃がオレの予定を聞いてくるなんて。

普段はオレが美乃を連れ出して、遊びに行くというパターンだからだ。


美乃はオレのヒマの言葉をきいて、少し嬉しそう(これはあくまでオレの判断ってこと)に、


「買い物、付き合ってくれないかなぁ?」


いつもと違って、少し弱気な美乃がなんか可愛く見えて、思わず、


「別にいいけど?昼メシ奢ってくれんなら」


と、オチャラケてしまった。

美乃は少し脱力気味に、ため息をついて、


「O.K。ご馳走しましょう」


と、笑った。

言ってみるもんだなぁ、なんて思いながら、オレはガッツポーズをしてみせた。


「ケド、オレより女の子の方がいいんじゃないのか?買い物って」


オレじゃ役に立たないだろう、そう思っているオレに美乃は、


「いーのいーの、別に自分のもの買いに行くわけじゃないから」


って、んっ!?あっ!?


「そーなの?何買うの?誰の買うの?」


からかい気味に顔を覗き込むオレに対して、美乃は、


「ナイショ」


その一言で済ませやがった。

そのあと、オレが何を聞いても、その話題には笑うだけで答えてくれなかった。


ちぇっなんだよ。教えてくれたっていーじゃねーか。

毎日更新予定です。

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ