サイコ・ラハルト
俺、サイコ・ラハルトは平民の親のもとに生まれ、偽りの貴族で育ってきた。幼少時は自分が貴族として生まれたと思っていた。父親に母親が貴族であったからだ。俺の父も母も
「お前は貴族として生まれたから貴族として振る舞いなさい。平民はゴミのように。冒険者はクズの仕事と思いなさい」
両親がそう言うから最初の頃はそう信じていた。そして俺は子供の時、悪魔の森を探検していた。今思えば幼少時に貴族の生き方が嫌になっていたんだろう。親に言われたことに対して幼少時より疑うようになった。それで悪魔の森に行ったわけだが俺はどうやら運が悪くたまたま悪魔の森にいた魔獣に襲われ片腕を食いちぎられた。
片腕を食いちぎられた時点でもうダメだと思っていたがその時、まだ冒険者として活動していた頃のロウの大将に出会い、助けられた。助けてもらった後、応急処置を受けた後両親のいる家に帰り、中に入った瞬間父親にぶん殴られて家を追いだされた。
「二度とうちにはくるな。貴族の恥晒し。お前のせいで私は第一王子に見限られそうになったぞ。だから私は嫌だったんだ。劣悪な平民風情のガキを養子にするなど」
それだけ言ったあと家のドアをしめた。
俺は養子、だったのか。その事実を知らされた後数年路地裏で暮らし、なんとか生きてきた。泥まみれになろうが体をボコボコにされようが。生きていればなんとかなると。
そうしてそれからさらにまた数年経ち、俺が冒険者登録できる歳になった頃に、ギルド パルガイアーに向かうとパルガイアーの入り口で当時のギルドマスターにでくわした。
「おいクソガキ。うちにはお前のようなどろにまみれた汚らしい小僧などいらん。ここに近寄るな」
当時のギルドマスターに俺は殴られ、足をひきずられながらどこかに運ばれようとした瞬間、パルガイアーのドアが勢いよく開いた。
「クソマスター!また何クソみたいなことしてやがる!」
「あ?S級だからってなめてんのかロウ。俺様はギルドマスター。俺様の城にこんな薄汚いガキはいらねぇんだよ」
パルガイアーの当時のギルドマスターは俺をロウの旦那に向けて投げつけ旦那は俺を受けとめる。当時のクソギルドマスターは俺を投げた瞬間どこかにいき、俺もロウの旦那に背負われてどこかに向かう。
「悪かったな。うちのクソみたいなマスターが。次のギルドマスターは俺が尊敬してるトウズって人になる予定なんだけどあのクソ野郎なかなかギルドマスターの座からおりなくてよ。困ったもんだぜ」
ロウの旦那は歩きながら俺に言っていた。




