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英雄級冒険者、ギルドマスターになる〜僕の実力は弱いのにギルドのみんなが過大評価している〜  作者: アークマ


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35/88

英雄

「僕に話すこと?」

「そうだ。まずはっきり言うと私は父上と兄上は信用していない。特に父上。あの人は魔族対して何も対策しようとしない」


 ジガン第二王子は嘆かわしいといったように頭をふる。


「なんで王様は魔族対策をしないんだ?」

「よくわからないんだ。ただ一度、魔族が城に現れたことがあった。その時は父上、兄上、私に弟の第三王子がその場にいたんだが魔族の姿?をみた瞬間父上はかなり驚いた顔をしていた。そしてそれ以降一人の時はぶつぶつと何か言っているんだ」


 ジガン第二王子はディスナイ王がなぜ魔族対策をしないか、そして一度魔族が城に現れたことをオウガに言う。


「そして父上があるとき言ってたんだ。勇者め、と」


 オウガは勇者という言葉を聞いた後、ガイが


「勇者ってなんだ?知らないぞ」

「安心しなさい。第二王子の私も知らないから。だから私は城の書斎をあさったのだがそこで一冊の本を見つけた。七人の英雄というタイトルの本だ」


 オウガはジガン第二王子から本のタイトルを聞いたがそもそもオウガはそんなに本は読まない。だがけっこう有名な本であれば噂でタイトルぐらいは聞いたことはある。たいそうな名前のタイトルだがオウガはそんな本の名前のタイトルは聞いたことがない。


「七人の英雄っておとぎばなしかな?」

「私も最初はそう思ったが調べていくうちに七人の英雄は実在することがわかった。父上の名がこの物語に登場していたからな。父上はロード・ディスナイというだが七人の英雄では賢者ロードとしてでている」


 オウガはジガン第二王子の話を聞いて驚く。王様は賢者と呼ばれていたのか。


「で、それと勇者ってどう関係があるの?」

「実は私はこの本を見つけた後、情報屋に接触し、調べてみたのだ。この本は本当にあったことなのかを。そして情報屋が調べた結果、勇者という単語が出てきた」


 ジガン第二王子はオウガに言うが正直勇者のことを言われてもピンとこない。関係ないからだ。


「勇者は関係ないんじゃないの?英雄とかだと勇者は」

「それがあるんだよ。七人の英雄、そして勇者が昔魔王を倒したんだ。そして魔王は死んだはずなんだ。それなのに魔王がまた現れた。そして勇者の存在、父上が隠していること。ここから一つ、最悪なことが想像できる。あくまで想像だがな」


 ジガン第二王子は一息ついた後、またオウガを見て


「勇者は魔王になっているかもしれない。あくまで想像だけどね」


 ジガン第二王子はオウガに言った後、頭をひたすらかいていた。

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