幻想
掲載日:2022/11/20
他愛のないきっかけで、
けりはついているものだろう。
あきらめなど、芽生えるまもなく、
花は散りゆくもの。
例えるなら雲は散り散り、
瞳とじている間に。
思わせぶり、残る街角。
鳥がふいに羽ばたくごとく。
数え切れぬ葛藤に、
揺れてきたかもしれないけど、
あなたからの思いやりまで、
風に飛ばしてきた。
例えるなら人は散り散り、
さよならさえ言わないのに。
思わせぶり、残す街角。
月が満ちて欠けゆくごとく。
幻か、錯覚か、
それとも時のいたずらか。
あの日、あの時、
あのめぐり逢いは確かな風景か。
そして今じゃ、夢も散り散り、
セピア色の霧の中に。
思わせぶり、残る光が、
心の糧、きらめくごとく。
これからの一生に、
何をめがけてゆくのか。
わかるようで、わからないまま、
今日も過ぎてゆく。
例えるなら、争いのない、
その世界を生きてゆけるの。
思わせぶり、残しながらも、
四季折々、移ろうごとく。




