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トコトン勘違いしたアメリカン小噺

作者: 大空鷲也

過去のようであり、現在のようであり、日本のようであり、アメリカような

広い意味でファンタジー。SFかもしれない。


………文芸でいいよね? 文で芸をしてんだから

ドドン テケテンテンテン (←出囃子)

(ソデから出て着席、一礼)


毎度バカバカしいお話を一席

え~なんですなぁ、国際化だぁグローバル化だぁインバウンドだ。

なんか落語も外人さん向けにってのを考えないかん時代になった来ました。

アメリカン・ジョークってんですか?

取り入れてやってみましょうかね

 こう、目の前にスクリーンがあって、エディー・マーフィーが写ってるつもりで

(手ぬぐいをアフレコ台本のように広げる)まぁクリス・タッカーでもいいんですがね。ウィル・ス…はやめときましょう。

こっちは山ちゃん…山寺宏一にでもなったつもりで


(急に声を大きくテンションを高く)

「エーイメン!湿気た顔してどーしたってんだい?そーだ俺がとっておきのジョークを聞かせてやるぜ

 この前、弁護士が俺の家に来たのさ。小切手をヒラヒラさせながら親戚の遺産の取り分だって言いやがるのさ。そいつをどうしようかって家族会議さ。不動産にしようか、株式にしようか、それとも古美術に投資しようかてぇ話てたのさ。そしたら女房が言ったのさ

『OH NO~ダーリン。半鐘はダメだよ、オジャンになるから』ってね HAHAHAHAHAヨメン」


「………」


「オケ、もっと解りやすい話がいいか?親友のジムを紹介するぜ

 そいつはハイスクール時代からの親友で、ベースボール部でフィールドで一緒に汗を流した仲さ。ある日俺は教えてやったのさ『隣のフィールドに囲いができた』てね。そしたらジムは言ったのさ『HEY!!』てね」


「OK ユダヤジョークはどうだ?何しろあいつらケチでしみったれでずる賢いからな。やつらは言ったのさ

『ワン、ツー、スリー、フォー、ファイブ、シックス、セブン、エイト、ナイン、掘った芋いじんな?『テン』イレブン、トェルブ、サーティン、フォーティン、フィフティン、シックスティン。OK?オーライ、バイバイ』

「それを見ていたのが間抜けなポーランド人さ…


…ふぅ、くたびれた。やっぱりこのしゃべり方、私らには合いませんな

え?オチ?大体わかるでしょ?全部言わなきゃいけませんか?


 さて、古典にアメリカンな服を着せてみましたが、逆パターンの方がよさそうですな。落語って革袋にアメリカンを詰め込んでみましょうね。(さり気なく羽織を脱ぎながら)


えー、毎度おなじみ熊さん八っぁん。そろそろお昼だってんで町を歩いております。パスタにしようかピッツァにしようかって思案しながら歩いてますと、むこうから近所の与太郎がやってきます。


「あ~困ったなぁ困ったなぁ」

                                

「おい見ろよ、ありゃ与太郎じゃなぇか?昼日中から町ウロウロしやがってみっともねぇな。おーい与太郎」


「ありゃ、熊さん八っぁん。いい大人が昼から街中フラフラしてみっともない」


「うるせーこん畜生!てめーに言われたくないよ。で?どーしたんだ?横町のご隠居の紹介で奉公に上がったって聞いたぜ?」


「別に遊んでた訳じゃないんで、さる大店(おおだな)大旦那(おおだんな)にお使いを言い使ったんでさ……今の(ライム)になってました?」

「こんな所でてめーとラップバトルなんかしたかねーよ」


「その大旦那がね、電球を替えてくれって言うんでさ。その大旦那ってのがケチでしみったれなユダヤ人だ。雇ってる人が少ないこと少ないこと。ポーランド人なんてアタイ一人なんでさ。あと四人はいるってーのに。えぇ、アタイはこー見えて生粋のポーランド人ですよ、電球の替え方もポーランド式じゃないと心持が悪いんでさ」


「こー見えてもなにもポーランド人にしか見えないけど」


「でへへ♡」


「ほめてねーよ」


「なんでそんなに必要なんだ?」


「そりゃーね。こうやって一人が机の上に乗って、電球を持つでしょ。そしたら残り四人が机の四隅をもってクルクル回るんでさ

 でね、電球を買ってこいってんで、こりゃいいや、お釣りをお駄賃にもらってそれを山分けにすりゃ人が集まるぞって。そしたらケチでシミたれ強欲なユダヤ人の大旦那はこれっぽっちしかお金をくれない。町むこうの量販店が特売日だからポイントカード入れりゃこれでピッタリだて丁度しか渡さない。しかもレシートと領収書をキチンともらってこい。ってホントケチでしみったれで強欲で吝嗇な大旦那だよ。」


「お前、そのうちネオナチ認定されるぞ」


「でへへ♡」


「だからほめてねーてば」


「ポーランド人がネオナチ認定されて喜ぶなよ!」


「にしてもスゴイ大旦那だね、うちの女房よりも特売日把握してるよ」


「んでさっきから人を探してたわけでさ」


「ちっ、しょーがねぇな。聞いちまったら助けてやらなきゃしょうがねーや」


「おう!俺たちは生粋のイタリア人でぇ!人情に篤いんでぃ。」


「ありがとうございます」


「安心して任しときな、俺たちに任したら…」


「…任しといたら?」


「マンマがやっといてくれらぁ!」


  お後がよろしいようで 

ドドン テケテンテンテン (出囃子にのって一礼してから去る)





パスタとピッツァの伏線は回収しました。


初挑戦です、よろしくお願いします

これから、週一回を最低ラインにマイペースで続けていきたいとおもいます


ではまた来週のノシ

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