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発達障害の異世界転生  作者: 運動出来ないSASUKE
犠牲者達は足掻き苦しむ
1/4

社会不適合者

 青年は薄暗い部屋で横たわる。24年の歳月を生き、生きる気力を失い、仕事を辞めた。やがて電気もガスも止まり、衣食住も儘ならず、立ち上がる体力すら残ってない。青年が横たわる布団は糞尿で汚れ、部屋は悪臭で立ち込めていたが、もう青年にとっては何もかもどうでもよかった。


 固形物を口に入れたのは一ヶ月前。まともな食事は取っておらず、排泄物は自分の意志とは関係無く液状で垂れ流されていくほど、衰弱していた。


 親は四年前に絶縁され、友は疎遠になった。頼れる人物はいない。


 自暴自棄になって仕事を辞め、貯金が底を付いた時は水を飲んで空腹を誤魔化していたが、立ち上がろうとする度に頭痛や貧血を起こし、とうとう立ち上がる事すら出来なくなった。


 そして遂に、青年が望んだ終わりが近づいて来た。


 薄れていく意識の中で青年は母の言葉を思い出す。それは喜びや憂いから来るものとは程遠い。


 もっと苦しめ。


 嘲笑気味に青年の口角が上がる。


「もう、充分だろ・・・」


 それが、青年の最後の言葉だった。

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