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一般白髪ロリータでも頑張れば魔神殺せる  作者: 輪舞曲
第1章 崩壊し始める世界 第二幕 東京の楽園
36/40

失楽園 1


「ちょっと!?どういうつもりですか!?」



 吉田さんが土村に大きな声で尋ねる。



「我々は今、とある任務で二人の人物を探しています。こうした方が早いかと思いまして」


「だからってーーー」


バキッ



 そんな音とともに、吉田さんが尻餅をつく。どうやら、土村が吉田さんを殴ったようだ。



(……この人、強いな)



 恐らく力を入れてないであろう状態で、何とか見えるといった速度。それだけで強者だと理解できる。


 もしかして、奥多摩のボスを倒したのって、この人か?


 なら、なるべく協力したいところではある。この人達がどんな要求をしたのか、俺は知らないしな。けどーーー



「すみません、本当に急いでるんで。我々の行動に、国民のーーーいや、全世界の人の命が掛かっていると言っても過言じゃないんでね」



 土村は、吉田さんに向かって腰から拳銃を取り出し、銃口を向ける。


 そして、その引き金に指をかけた。



「これ以上邪魔をするなら……死んでもらいます」


(ーーーこんなやり方は、俺には認められない)



 足に力をこめ、地面を蹴って俺に銃を向けている人に肉薄する。



「ッ!?」



 構えていた小銃を下から右の拳で殴りつける。すると、小銃が男の手から落ちる。



(この人達に向けている銃の照準を俺に当てさせる……!仲間が近くにいるんだ、撃てないはずっ!)



 取り敢えず、みんなに銃を向けている人達の銃を壊すか、奪うことにしよう。



「ふぅっ!」



 男の左手を掴み、思いっきり地面に投げ飛ばした。


 なるべく投げ技ーーー技と言えるようなものではないがーーーを使っておきたい。こんなことをしておいて言うのもなんだが、人間同士で傷つけ合うのが一番良くないからな。



「速ーーー」



 隣にいた男の腕を掴んで、小銃を蹴り飛ばす。そして、近くにいたもう一人の男に向かって投げつけた。



(これで三人……銃が当たると、果たしてどうなるか……気になるところではあるが、当たらない方がいいだろうな。だけど、もっと問題なのはーーー)



 周りの隊員が、俺に銃を向ける。すると、先程木更津と呼ばれていた男が前に出てきた。



「土村一佐、こいつは俺に任せて下さい」


「……危なくなったら呼べ。お前らは他の奴らにそのまま銃を向けていろ」



 周りの隊員は、再びみんなに銃を向けた。止めたいが……木更津って人がいる以上、下手には動けないな。



「……なるべく、子供は傷つけたくないんだが……投降してくれそうにもないな……」


「……銃を降ろしてくれるんなら、話を聞きますが?それに、そうした方が話も早いのでは?」



 木更津は、眼鏡を人差し指でクイ、と上げた。



「まあ……確かに君の言う通りなんだけど……ウチの副団長の命令なんでね」



 木更津は拳を構える。それに合わせて、俺も素人なりに感覚で構える。



(護身術くらいなら多少はやってたけど……どうなるか……)



 俺が足に力を込めて駆け出す、と同時に、木更津も駆け出した。



「はっ!」


 ガッ



 拳と拳がぶつかる。多分、〝筋力〟で言えば俺の方が上、押し切れるはずーーーが。



 スルッ



 木更津が拳を回らしたことで、いなされてしまった。



「ふっ!」


 ゴッ!


「ッ!」



 木更津の左足が、俺の脇腹に入る。ただ、やはり軽い。俺の〝耐力〟が、木更津の〝筋力〟を大きく上回っているのだろう。



「硬いな……!」



 木更津の左足を、脇腹と右手で挟み動きを封じる。木更津は特に抵抗するといった様子もない。いや、抵抗できないのか。



(【強化解析】)



 ーーーーーーーーーーーーー


 名前 木更津 蓮夜 

 性別 男    Lv.42


 体力 155

 筋力 206

 耐力 210

 敏捷 205


 SP 2


 スキル

 固有 【徒手戦闘術】


 主要 【身体強化Lv.3】

    【解析Lv.1】



 情報

 ・非常に身体能力が高い。

 ・主に徒手や小型の武器による近接戦闘を行うと想定される。



 ーーーーーーーーーーーーー



 やはり、ステータスが異様に高い。固有スキルの恩恵か?取り敢えず、無力化するしかないな。



「らぁっ!」



 腰を捻って、軽めのハイキック。ステータス差からして、全力でやれば殺してしまうかもしれないからな。



「ぐっ!」



 とはいえ、それでも木更津にとってはそれなりのダメージがあるようで。一瞬動きが止まる。


 挟んでいた木更津の左足を離し、両手で掴む。そして、地面に向かってぶん投げた。


 が、木更津は空中で体を捻ると、地面に片手をついて、右足で俺に蹴りを入れようとする。



(まあ、当たるわけないんだけどな)



 軽く身を引いて、かわそうと思ったーーーその時。



「ッ!?」



 カシュン、という音とともに、木更津の靴の踵の部分から刃が伸びた。



(仕込みの靴かよ!?)



 すぐさま飛び退く。何かが当たった感触がして、チラリと右肩を見ると、服が切られていた。ただ、ステータス差からか血は出ていない。



「チッ、これでもダメか」


「靴に仕込みだなんて、映画みたいだな」


「まあ、なんだかんだ言って便利だからな」



 互いに軽口を言い合う。そして、再びかまえようとした時、土村が動いた。



「木更津……時間をかけ過ぎだ。俺がやる。お前は解析を使っておいてくれ」


「土村一佐……」



 土村が前へと出る。その一挙手一投足から、達人だと理解できる。一歩一歩自分へと近づいてくるのが、ゆっくり見える。自然と、息が荒くなる。



「ふーっ」



 目を閉じて、息を吐き深呼吸する。目を開けると、土村が俺の正面に立っていた。この圧迫感、ボス並みだな。さて、勝てるか?



「なあ、あんた。自衛隊ってのは国を、国民を守るもんじゃないのか?」


「ああ、だからこうしてるんだよ」


「意味がわからないな」



 土村は後頭部をガリガリと掻くと、ため息をついて、言った。



「俺は自分の上司の強さ、人間性を信頼している。そして、その上司が自分よりも遥かに強いと、そう認める人が、この任務を達成すれば、この国を救うために協力してくれる。そういう手筈だ。だから、俺は……いや、俺たちは邪魔をする人間が誰であろうと殺す覚悟で、ここに来ている。悪いことは言わん、投降しろ」



 そこまで言って、土村から殺気が発せられる。ヤバいな、これは。間違いなく、ボスを倒したのはこの人だろう。この殺気、ボスと同等か、それ以上のものかもしれない。



「じゃなきゃ、死ぬことになるぞ?ガキ」



 この人は本気だ。必要であれば殺すと、そう本気で言っている。ぶっちゃっけ、死ぬのは怖いし……まあ、【世界を渡る者】があるから、終わりではないが……それでも、死にたくはない。


 だけど。



「断る。俺は投降しない。そっちこそ、話を聞いてーーー」



 瞬間。土村の姿がブレた。



「ッ!!」


(あれ……?)



 既に、土村の姿は視界から消えていた。ふと、後ろから声が聞こえた。



「……物分かりの悪い奴は嫌いだな」



 振り返ろうとした、次の瞬間。俺の左肩から、血が吹き出した。と同時に、激痛が俺を襲う。



「がっ……!」


「なあ、だから言ったろ?死ぬぞ、って」

で、結局なんで銃向けたんだ??ってなってる人もいると思うので、一応言っておきます。


次回、説明します!!



追記:二週間後から定期試験のため、二週間ほど更新お休みします。

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