表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一般白髪ロリータでも頑張れば魔神殺せる  作者: 輪舞曲
第一章 崩壊し始める世界 第一幕 終末の原点
3/40

G級モンスター:ゴブリンを討伐しました

「……っ!」


 玄関の扉を開け、外に出ると、町の惨劇が目に入ってきた。


 物が散乱し、血痕が所々についている。昨日までとは全く違う。こんなことになるなんて思ってもいなかった。

 しかし、窓から覗いた時とは違い、モンスターは見かけなかった。


(これなら、大丈夫そうだ……)


 物を踏まない様に歩き、車や電柱に身を隠しながら慎重に進んでいく。人やモンスターの気配もなく、順調に進んでいった。


 歩き始めてから5分ほど経ったところで、郵便局の前を通り掛かった時、その音はした。


ガサリ


(何だ、今の音……?)


 郵便局の中からかすかに聞こえてきた音に思わず動きが止まる。まさか、生存者がいるのだろうか。

 郵便局の自動ドアは破られており、ガラスが散乱している。ガラスを踏まない様に中に入り、中を見渡す。


 地面には血がべったりとつき、物が散乱している。


グジュリ


 先程とは違う大きな音がして、音がしたカウンターの奥へと歩いていく。カウンターは壊されていたので、簡単に入ることができた。


グジュリ


 再び音がしたので、音がした部屋の端へ目を向けるとーーーー


「ーーー!!」


 血だらけの死体に、優に背を向けている緑色の肌をした身長130cmほどのゴブリンのようなモンスターがいた。ゴブリンの隣には恐らく木製であろう血塗れの棍棒が置いてあった。


グジュリ


 先程より遥かに大きくなっているこの音は、まさか……


(まさか、人を食ってる、のかよ……!?)


 優が後ろに後退った時、床に落ちていたカウンターの破片を踏みつけた。


パキッ


「ぐぃ?」


 その音に、ゴブリンは優の方へと振り向いた。


「ーーーーッ!!」


 ゴブリンの口周りは血だらけで、口の端からは、臓器のような物がはみ出ている。

 そのゴブリンと目が合った。


「うぷっ」


 思わず、吐き気がする。優が吐き気を堪えていると、ゴブリンは醜悪に顔を歪め、隣の棍棒を手に取った。


「ぐひ、ぐひぃ!」


 ゴブリン気持ち悪い笑い声を発すると、ジリジリと優に近づいてくる。


「ひっ……」


 恐怖のあまり、尻餅をついてしまう。ゴブリンは楽しそうに笑うと、先程より素早く優に近づいてくる。


「あ、あ……」


(ヤバい、死ぬ、死ぬーーーー殺される!死にたくない!逃げるしかない!)


立ち上がり、逃げようとした時、左側にあったデスクからもう一匹のゴブリンが出てきた。


「ーーーーえ?」


「ぐひゃっ!」


 もう一匹のゴブリンは優の頭に目掛けて棍棒を振る。


 ーーゴッ


 鈍い音がして、衝撃と痛みが優を襲い、倒れ込む。


「うあっーーーー」


(痛い!逃げ、ないとーーー)


 逃げようと、優は立ち上がった。

 しかし、最初のゴブリンによって、肩に棍棒が叩き込まれ、再び倒れる。


「ぐぁっ!」


「ぐひゃひゃひゃ!」


 ゴブリン二匹に囲まれる。ゴブリン達は愉快そうに笑い、優を見下ろしてくる。


(嫌だ、死にたく、ない……早く逃げなきゃーーーーでも、そうしたら、逃げたら、どうなる?こいつらから逃げられたとしても、他のモンスターに見つかれば、辿り着いても、そこにいる人たちを、俺の家族を危険に晒すことなる……そんなの、ダメだ。レベルがあるってんなら、モンスターを倒せばレベルが上がるはずだ。コイツらは……倒すしかない)


 そう決めると、優はバッグから包丁を取り出した。


「ぐひぃ?」


 ゴブリン達は優が取り出したナイフを見たことがないのか、不思議そうに眺める。しかし、それが命取りとなった。


「ふぅっ!」


 優は包丁を片方のゴブリンに向かって思いっきり振る。フォームもなにもないような動きだったが、包丁はゴブリンの首に刺さり、首に3分の2以上食い込んだ。


「っーーー!?」


 ゴブリンは声にならない悲鳴を上げると、白目を剥き、ガクンと崩れ落ちた。


「ぐひぃ!?」


 もう一匹のゴブリンが驚きの声をあげ、ゴブリンは血を大量に流しながら動かなくなった。すると、白い画面が優の前に表示された。



 ーーーーーーーーーーーー


 初めてG級モンスター:ゴブリンを討伐しました。

 SPが1与えられます。


 レベルアップしました。

 称号【白と黒の混濁者】の効果によりSPを2獲得しました。


 ーーーーーーーーーーーー


「これ、はーーー!!」


 思った通り、モンスターを倒すとレベルが上がるらしい。って、そして、モンスターにも格付けがーーーー


 優がそう考えていた時、もう一匹のゴブリンが棍棒で優の右脇腹を殴りつけた。


「つっーーーー!」


 衝撃と共に、鈍い痛みが走る。しかし、先程よりは痛みは弱い。


「っ、くらえ!」


 優は先程のゴブリンと同様に、包丁を思いっきり振る。


「ぐぃぅ!?」


 包丁はゴブリンの頭部へと入り、ゴブリンの頭を両断した。


 ーーーーーーーーーーーー


 レベルアップしました。

 称号【白と黒の混濁者】の効果によりSPを2獲得しました。


 ーーーーーーーーーーーー


「はぁ、はぁ……クッソ……」


 体が痛い。骨が折れたわけではないが、動くたびに痛みが走る。


「……〝ステータス〟」


 ーーーーーーーーーーーー


  名前 天上 優 

  性別 男  Lv.3

  称号 黒と白の混濁者

  効果 獲得時、体力、筋力、耐性、敏捷を5倍にする。又、レベルUP時の全ステータスの上昇値と獲得SPを2倍にする。


  体力 33(8↑)

  魔力 13(8↑)

  筋力 33(8↑)

  耐力 33(8↑)

  敏捷 33(8↑)

  総合 145(40↑)


  SP 5


  スキル

  固有 【世界を渡る者】

     【強化解析】


 ーーーーーーーーーーーー



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ