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おっさん、早期リタイアしてキャンピングカーでのんびり異世界ライフ  作者: 椎乃律歌
第八章 オーク国

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第十二話 オーク国に来てみた

 俺とナツはドワーフ国からオーク国へと入国したが、先を急ぐ旅でもないのでのんびり移動する。家ごと移動しているような感覚があるキャンピングカーなので宿をとるために次の町へと急ぐ必要もない。どこでも快適に宿泊できるのがキャンピングカー旅の醍醐味だろう。なので、キャンピングカーなら自然とのんびりとした旅程になる。


 自動車での移動は肉体的には楽だけれど精神的には疲れてくる。そんなわけで適度に休みながら進んでいるわけだが、今日は気分転換にグラベルロードでサイクリングしよう。おっさんなので体を動かさないと体力が落ちるのが早いからな……。


 気を取り直して自転車用のウェアに着替える。ピッタリ系では無くてカジュアル系だがパンツにはクッションが縫い付けてあるので長時間乗っても尻が痛くはならないようになっている。


 荷物はサドルバッグに入る分だけにして身軽にした。あまりにも重いものを背負っていると、疲れてきた時に荷物を投げ捨てたくなるからな。


 グラベルロードをウニキャンから降ろすと乗車前点検だ。チェーンやブレーキやオイルなどの安全に関わる部分を確認していく。これを怠ってチェーンが脱落したり切れたりしたりとかブレーキの効きが悪かったりすると事故が起きたりするから確実に点検する。


 点検が終わったら出発だ。



「ナツ! 行くよ」


 俺がナツに呼びかけると俺の後ろに尻尾を振りながらついてくる。


 今いるところは冬は雪のスポーツで遊ぶ場所らしい。スキーとかスノーボードとかはこの世界にもあるのだろうか? 雪のない今はハイキングなどのトレイルコースとして開放されている。管理人に確認したら自転車で走ってもOKと確認がとれたので、それなら走ろうということになったのだ。


 ちなみにオーク国に入ってから初めてオークに会ったのが先述の管理人さんだった。オークと言っても和製ファンタジーに出てくるようなブタとかイノシシとかに似ているというより、泣いた赤鬼とかに近いかもしれない。耳の形はイノシシっぽいかも? まぁ、そんな感じでマッチョな感じの種族だ。ただ、種族的に草食なので怖いというより可愛い感じなんだよな。全身もふもふな毛も生えているし。


 そんな管理人さんが常駐している管理棟横のゲートからゲレンデに入る。雪のない丘には代わりに草が生え茂っている。少し丘を登って周囲の山の裾野をぐるっと回る感じで進む。


 山裾と言ってもアップダウンがあるので、コース的には面白い。ナツもダッシュで突進しては俺のほうに戻ってきたかと思えば、その場に止まり、周辺の臭いを嗅ぎ回る。そして置いてかれた!! と言わんばかりに猛ダッシュして俺を追い抜いたりと目まぐるしく動き回る。


「ナツは元気だなぁ……」


 そんな俺は少々へたばり気味だ。少し荒い息を整えようと丘の上で停車する。そしてボトルケージからボトルを取り出して水を飲んで一息つく。


「心地よい疲れに水が染み渡るなー」


 そうして休んでいると山の上の方から人が落ちてくる。いや、滑っているのかな? その光景を眺めていると、その人物が俺のほうに滑ってきて止まった。


「こんにちは〜」


「おう、こんちは!!」


 山での挨拶は、この世界でも有効みたいだ。


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